MATERIAL
屋外の空間に陰影をつくる風合い豊かなレンガ
【透水レンガ】

前面空地の必要性から、建物の正面入口を、それまで駐車場だった側へと変更した「京都みなみ会館」。モールの最上階にある映画館とは違い、街と直につながる路面店の特性を活かし、駐車場だったスペースに透水レンガを敷き詰めベンチや花壇を設置。街行く人に開放された空間とした。よくあるインターロッキング舗装とは異なり、透水レンガ独特の凹凸のある表情が味わいを感じさせる。旧館の真っ赤な床のイメージを継承した1階の赤みのある床と屋外の赤い透水レンガが、日常と非日常を結ぶひと続きのレッドカーペットにも見える。

島田さん、なぜこの建材を採用したのですか?

このレンガは僕はよく使っていて、一般的なインターロッキング舗装にはない風合いが魅力。こうした凹凸の味わいやムラのある路面材は最近は少ないので独特の風情をつくり出すことができます。水野製陶園さんは大手メーカーでは難しい独自のものづくりをしていただけるので心強いです。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
水野 太史さん

土づくりから焼成まで一貫製造

当社は日本六古窯のなかでも最も古い歴史を持つ常滑焼発祥の地にあり、焼き物ならではの自然な風合いと、工業製品としての機能性と強さを兼ね備えたタイルやレンガなどの陶製品をつくり続けています。各製品に最適な陶土・釉薬を生産・調合し、焼成まで一貫製造しています。特注品の対応はもちろん、建築家や芸術家の方々と協働し、焼き物の可能性を広げるような革新的な製品開発にも挑戦しています。

社員思いの創業者がつくり続けた透水レンガ

当社にはこの透水レンガの在庫が文字通り山のようにありますが、これは創業者の水野平吉が、バブル崩壊後の景気低迷期に注文が激減した際、一人の社員もリストラすることなく自社製品であるこのレンガをつくり続けたからです。一般的にはセメント製品が舗装材のメインですが、近年は舗装材の質感や性能を重視する建築家の方々と一緒に使い方も試行錯誤しながら開発し、採用される機会が増えています。

木や石と同じく焼き物は太古からの素材

焼き物は木や石などと同じように、太古から人間が深く関わってきたプリミティブで自然に近い素材の一つです。例えば透水レンガによる舗装は、コンクリートやアスファルトに比べると地中の水蒸気が出入りしやすく、ヒートアイランド現象の抑止にもつながります。レンガやタイルは初めて使用する場合にはとっつきにくい素材に感じられるかもしれませんが、シンプルだからこそアイデア次第で広がりがある素材です。

透水レンガの特徴

1.素焼きならではの質感と風合い

陶土を原料とした素焼きならではの肌ざわりの良さを持つ。自然な風合いは土や植物とよく馴染み、高温焼成のため強度と耐候性に優れ、メンテナンスに手が掛からない。

2.透水性があり、滑りにくい

表面の孔と側面のリブが高い透水性を実現。リブはレンガ同士のズレも防止。独自に調合されたサンドペーパー状の表面は水はけが良く、表情に陰影を与え、雨天でも滑りにくい。

3.セメントを使わず施工可能

セメントを使わずに施工でき、移設も簡単。地中の水蒸気の出入りを妨げず、地下水の保全を損なわないため、近年多発するゲリラ豪雨などの急な増水対策にも適している。

株式会社水野製陶園

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