【躯体防水】
コンクリート防水では、ヘアークラックやジャンカなどを含めた漏水を防ぐため、「コンクリートの表面に防水材を塗る」という手法を取ることが多い。しかし、この手法はあるリスクをはらんでいる。それは、「起こりうる問題の原因究明を困難にさせる」ということだ。仮に漏水などの問題が生じた場合、通常は防水材を剥がさない限り、原因を見つけ出すことが難しい。ところが、タケイ工業の躯体防水は、コンクリートそのものが防水体であるため、上から防水材を塗る必要がなく、問題が生じた際の原因究明が容易にできる。つまり、建築そのもので勝負することができるのだ。それは数十年後の状態を問題視した際に、クライアントに対して、メンテナンス上の時間とコストカットを提供できるということにも繋がる。そもそも躯体防水は、躯体そのものに漏水の不安がない状態で、次の作業フェーズに入れるため、施工品質も高い。これには、コンクリートを密実に打つタケイ工業の施工技術が大きく貢献している。今回、ご紹介させて頂くタケイ工業の躯体防水は、”現代のコンクリート防水における問題解消を助長する建材”と言えるのではないだろうか。
タケイ工業さんには、Ark 久が原の斜面状の屋根に躯体防水を施工してもらいました。タケイさんは防水の品質が非常に高く、クライアントに対してきちんと価値提供しようとする姿勢が素晴らしい。現代の建築では、コンクリートの表面にただベタっと防水材を塗るだけのものもありますが、僕はこれが正しい防水の形なのか、疑問を抱いていました。だから、コンクリートのみで防水を完結できる「躯体防水」は、今の自分の考え方にとてもフィットする防水法ですね。
建材開発秘話
船山 信夫さん
“タケイ式”躯体防水の歩み
タケイ工業は社員30人ほどの小さな老舗の防水工事店。自社開発を繰り返して、特許を取得した防水液と、職人の技術を用いた責任施工を行っています。私たちタケイの歴史は古く、明治時代にコンクリート研究者であった武居佐源次がコンクリートの基礎研究をイチから行ったことが全ての始まりです。その研究結果は、「セメントの水和反応を促進させることにより、防水コンクリートをつくる」というものでした。一般的な防水コンクリートというのは、無機質な素材を使用しているので、コンクリートの極端な劣化がなく長期間防水性能は変わりません。また、被膜がないのでメンテナンスが容易にできるのも特徴ですね。そのなかで当社は、長年の改善・改良の結果、特許を取得した2種類の防水コンクリート液と、職人の技術を併せた責任施工を事業の柱に、多くの方々から支持を頂いております。
“コンクリートも生き物”
コンクリートって、上手く打設することが当たり前なんですが、コンクリートも “ 生き物 ” なんです。だから、どうしてもジャンカなどが発生してしまう時がある。そのような場合、私たちは防水工事店として、不具合を見落とすことなく、責任感を持った引き渡しを行いたいと思っています。例えば、今回のArk 久が原で打設した躯体防水は、屋根が斜面状であったため、防水工事が非常に難しかった。その理由は、蓋処理を行ったためです。この蓋処理はコンクリートが流れ落ちないようにするためのもので、施工時に表面が見えない。だから、いざ蓋を開けてみると中でジャンカが発生しまう可能性があり、一度で綺麗に打つことが非常に難しいんです。これが、Ark 久が原で最も苦戦した部分ではありましたが、責任感ある職人の技によって、最後は1つとして不具合のない状態で引き渡すことができました。
綺麗に打ちたい想い
当社では、職人たちの要望から月に1~2回勉強会を開き、全職人のボトムアップを働きかけています。当社の技術は特殊なので、施工時のケースバイケースがとても多いんです。例えば、季節によって3号液を撒くタイミングが違う。このような場合に「あの時はどうしたらよかったんだろうか?」と皆で議論することが良いボトムアップに繋がっているのだと思います。私は、職人たちの「綺麗に打ちたい」という想いは、他社に負けない自信があります。だから、万が一綺麗に打てなかった場合は、当然ですが、職人が出直し迅速な対応を行います。私たちは防水工事店だから、直す際はゼネコン任せではなく当社が責任を持って直す。その責任の持ち方が、タケイらしさなのだと思います。
タケイ工業の主な特徴
特許取得の※タケイ液2種類 + タケイ職人の技術により、パラペットを不要とした屋根を実現。フラットな形状から、丸みを帯びた曲線まで、様々なデザインを可能に。
※タケイ液2種類とは躯体防水用特許液の2号液・3号液を指す。
2号液 : 水密コンクリートをつくるための水和反応促進、水和度を上げる混和剤
3号液 : 2号液と組み合わせることで、更に表面を強化させる浸透性防水剤
ワイヤーメッシュの敷き込みから防水二次処理まで責任施工の防水工事を丁寧に行う。保証期間内の調査や補修工事にも、状況に応じて迅速に対応。
万が一、防水工事で漏水してしまっても原因の早期発見と敏速な補修が可能。また、部分的な小規模補修にも対応している。
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