MATERIAL
部屋の命運を分けた家具
【ステンレス製作家具】

自在にレイアウトを変えられるこの空間の実現には、玄関ドアやキッチン家電、洗濯機など、生活に不可欠かつ寸法が変えられないものを部屋の一辺に一列に配置し、広々としたスペースを確保できたことが功を奏している。このプランニング成立の鍵となっているのが、株式会社長谷川が製作したステンレス家具だ。キッチンスペース・バスルームとリビングを隔てる厚み3mm、高さ1,300mmの腰壁は、その薄さとは裏腹に十分な強度を持ち、キッチンからの油はねなどを防ぎつつ、リビング側から見た時に生活感を隠す役割も果たす。汚れやすい面は無垢のステンレス、それ以外の部分には焼き付け塗装が施され、意匠としても部屋に溶け込むようデザインされた。端部のカーブを描く形状によって自然に動線を確保し、限られたスペースでも身体が設備や仕切りにぶつからない快適性を実現している。

中山さん、なぜこの建材を採用したのですか?

細部の作り込みと精度を信頼

株式会社長谷川さんは、信頼できる方の紹介で「厲家菜 銀座」というレストランの内装をご一緒して以来、いくつものプロジェクトで良い関係が続いています。今回は、私が最近住宅を設計する時に行う「一番日当たりの良い場所に水まわりを置いて光と風を取り入れ、生活のメイン空間とつなげる」という手法を最も大胆にやってみました。これを成立させるには方立ての厚みが3mmでなければならず、そんな家具は今まで見たこともないので、プラン自体の実現性を判断する段階で長谷川さんに相談しました。まるで建築の中にもう一つの建築をつくるような、本当に大変な作業でしたが、細部まで精度高くつくりあげてくださったところが長谷川さんらしいと感じます。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

小林三郎さん

約1年かけてつくった製作図

中山氏によるスケッチ

当社はプロフェッショナルのプライドを持ち、お客様や設計者の方と「一緒につくるモノづくり」を大切にすることによって「長谷川ブランド」を確立しています。今回の家具製作では中山さんの思い入れが特に強く、約1年という時間をかけて製作図をつくりました。搬入経路や重量の問題から、家具は全てバラして製作し現場で組み立てました。工場での仮組みでは問題がなくても、いざ現場で組み立てると歪みなどが出てしまうこともあり、ステンレスを何度も削り合わせるのに苦労しました。

株式会社長谷川のホームページはこちら

株式会社長谷川の特徴

1.企画から監理まで

創業から50年。商業施設・オフィス・住宅などの企画・設計・施工・監理までをトータルで実施し、販売什器の製造・販売や内装仕上げ工事全般に数多くの実績を持つ。

2.一緒につくる

クライアントと「一緒につくるモノづくり」を徹底している。クライアントから真の満足を引き出すためであれば、コンセプトの把握に年単位の時間をかけることも。

3.安価素材の再構築も

ラワンベニヤや下地材でテーブルや棚を製作するなど、一般的に流通している安価な素材を再構築し、付加価値のある新しい空間や家具へと昇華させる取り組みも行う。

株式会社長谷川

〒151-0064
東京都渋谷区上原 3-36-8
TEL:03-5790-7088
FAX:03-5790-7090
MAIL:hasegawa1@crocus.ocn.ne.jp
URL:www.hasegawa-ltd.jp

 

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