© morinakayasuaki

This issue’s CLASS1 ARCHITECT

©yasuyuki takagi

金野千恵
CHIE KONNO

建築家

1981年 神奈川県生まれ
2005年 東京工業大学工学部建築学科 卒業
2005年-
2006年
スイス連邦工科大学 奨学生
2011年 東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)
2011年-
2015年
KONNO 設立
2011年-
2012年
神戸芸術工科大学大学院 助手
2013年-
2016年
日本工業大学 助教
2015年- t e c o 主宰(アリソン理恵と2018年まで共同設立)
2018年- 東京藝術大学 非常勤講師
2021年- 京都工芸繊維大学 特任准教授

主な受賞歴

2012年 東京建築士会住宅建築賞 金賞(向陽ロッジアハウス)
2014年 日本建築学会 作品選集 新人賞(向陽ロッジアハウス)
2016年 SDレビュー2016 鹿島賞(幼・老・食の堂)
2016年 第15回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 日本館 審査員特別表彰 会場デザイン「en:art of nexus」
2019年 第63回神奈川建築コンクール優秀賞(カミヤト凸凹保育園)
2022年 医療福祉建築賞(幼・老・食の堂)
2022年 第64回神奈川建築コンクール優秀賞(春日センターセンター)

主な作品

2011年 向陽ロッジアハウス
2016年 ミノワ座ガーデン
2017年 幼・老・食の堂
2019年 カミヤト凸凹保育園
2020年 なっつらぼ
2021年 北上市保健・子育て複合施設
2021年 小日向ロッジアハウス
2022年 善福寺ロッジアハウス
2022年 春日台センターセンター

建築家を志したきっかけは?

中学生の頃にヨーロッパを旅行し、街や暮らしが自分の生まれ育った地域の様子と大きく違うことに刺激を受けました。都市デザインに興味を持つようになり、高校生の時に美術の先生を通して建築家という存在を知りました。「建築家になる」と心に決めたのは、初めて足を運んだ東京都現代美術館でのこと。ロシア構成主義のドローイングを見て、圧倒的な力強さや未来への希望のようなものに魅了されたのだと思います。

ガラスと聞いて思い浮かぶことは?

30代以下の若手建築家の展覧会に出展した時に、ガラスについて調べる機会があったのを思い出します。型ガラスにはたくさんの種類があり、抽象と具象のあいだのような図柄を用いて家具やインテリアで意匠として使われるなど、透明であること以外の役割でガラスを使う文化に魅力を感じました。使い方次第で建物の印象が変わるガラスは、今後もテーマにしてみたい建材です。

現在進行中のプロジェクトは?

ここ1年は条件が確定した設計の依頼ではなく、敷地やプログラム、規模、予算、スケジュールの検討といった、企画段階から頂く依頼が増えています。「春日台センターセンター」が竣工するまでの6年以上、レクチャーなど様々な機会を通して企画の段階からつくるプロジェクトについて発信していたので、そうした仕事の幅が認知され始めたのだと思います。「なぜ建築をたてるのか」というところからクライアントと設計チームが協働して思考を育て、ものづくりに携わる楽しさを感じています。

 

環境に奥行きをもたらす建材とは。
春日台センターセンター

© morinakayasuaki

プロムナードから見た建物正面。介護施設・放課後デイサービス・コインランドリー・洗濯代行・寺子屋などの機能を持つ。

高齢者や障害者向けの福祉施設・寺子屋・コインランドリー・コロッケスタンド等を含む地域共生文化拠点として、2022年3月、神奈川県愛川町に「春日台センターセンター」が誕生した。当初は社会福祉法人愛川舜寿会が計画する訪問介護事業所の小さな改修案件としてスタートしたが、地域で愛されていたスーパーマーケット「春日台センター」の閉業に伴い、新たな文化拠点をつくるべくプロジェクトの方向性が大きく転換。愛川舜寿会と設計者の金野千恵氏は、地域住民参加型のワークショップ「あいかわ暮らすラボ」を立ち上げ、6年半の歳月を費やしてこの場所に必要な機能を考えていった。

 ワークショップで、照明・空調完備でお金を使わずに過ごせるコインランドリーが若い世代の居場所になっていることを知った。「洗濯物をたたむ」という繰り返しの作業が障害のある人たちに比較的向いていることに着目し、コインランドリーと洗濯代行サービスと組み合わせる計画とした。地域のニーズと福祉のケアが結びついたアイデアだ。また、敷地のあるエリアは県内で最も外国人比率が高い。言葉の壁によって学習面で遅れをとる子どもたちがいる現状から、寺子屋を設置。かつての「春日台センター」に存在したコロッケ店を懐かしむ声が多くあったことをうけて、コロッケスタンドを設けた。地域住民の思いや置かれている環境と真剣に向き合った結果、それらを大らかに受け入れる奥行きを持った建築が生まれた。

 施設の床に使用したコンクリート平板には、意外な効果があったという。「本来は屋外で使う建材を建物内部にも連続して使用することで、地域住民が“道の延長だ”と認識して建物に活発に出入りします。一般的に、福祉施設の扉が閉まっているとわざわざ入る人はほぼ居ないのですが、ここではコンクリート平板が建物内部にも続いていることで町民が自然に扉を開けて入ってきます。建材の使い方次第で、人が建物の中に入るハードルを下げられるのだなと感じました」と金野氏は語った。

街に求められる本質的なニーズをつかみ、建物の機能を地域に拡張した「春日台センターセンター」は、世代を超えて多くの人の居場所になっていく。

© morinakayasuaki

施設利用者それぞれが行う活動の全てを、大屋根がゆるやかにつなぐ。

© morinakayasuaki

屋上には開放的なテラスと寺子屋がある。
金野さん、「春日センターセンター」でのこだわりをひとつ教えてください。

向上し続ける意匠性と施工性

© morinakayasuaki

1階シマグミ通りから見たコロッケスタンド。コンクリート平板が屋内外を繋ぐ。

外部の床舗装は、隣の長屋アーケードの仕上げと連続した材料を基本として、2種類の製品を採用しています。大屋根の下には太平洋セメント株式会社のコンクリート平板、屋根の外側はインターロッキングブロック(エスビック株式会社「オールラウンドペイブスルー」)です。2種類を使い分けたのは、屋根がかかっていないところには雨水を浸透させる機能を求めていたため。2つは若干サイズが違うので、一定の間隔でインターロッキングブロックのほうの目地を広くとり、目地合わせをしています。まちや建物の内外の連続をつくりながら、機能性も担保する。そのための素材や施工の検討は奥深いものがあります。

© morinakayasuaki

コインランドリー。洗濯中窓辺のカウンターが居場所になる。

© morinakayasuaki

コンクリート平板の通り土間をはさんで右側が放課後等デイサービス、左側が認知症の高齢者のケアを行うグループホーム。

© morinakayasuaki

2階コモンズルーム。向かって右側は吹き抜けで、1階小上がりなど、コロッケスタンドの入れ子ボリュームが見える。
春日台センターセンター
春日台センターセンター

所在地 / 神奈川県愛川町
設計 / teco 金野千恵、泊絢香、照井飛翔(元所員)、村部塁(元所員)
施工 / 栄港建設 長谷川健二、ムンフバト・シィネバートル

 

MATERIAL
活動の幅が広がる多彩な窓
【木製サッシ】

© morinakayasuaki

1階コロッケスタンドの「突き出し窓」

「春日台センターセンター」では、特にプロムナードのある南西側に人々が集まることを想定し、南西側に温かみのある木製サッシを連続させた。建物内外で起こる活動を支えるのは、多彩な窓の形式。バリアフリーの観点から、1階の介護が必要な方が多く利用する出入り口には、下枠レールをフラットに納めた「掃き出し窓」を設けた。思うように足を動かしにくい高齢者や杖をついた方、車いすの方などもつまづきにくく、スムーズに通行できる仕様になっている。2階にはオペレーターがついて常に換気を助ける「吹き抜け周りの高窓」、1階の小上がり出隅を大きく開放できる「引き違いの連窓」、まぶたを上げて目を覚ますかのように開店を伝えるコロッケスタンドの「突き出し窓」なども設置し、施設を訪れた人々の活動の幅が広がる空間を実現した。木製サッシの製作を手がけたmoro’s(モローズ)は、金野氏が独立して最初に設計した住宅「向陽ロッジアハウス」でもタッグを組んだメーカー。建築の特徴を理解して仕組みを考える柔軟さとメンテナンスへの対応の安心感から、金野氏が全幅の信頼を寄せている。

© morinakayasuaki

2階コモンズルームから見た「吹き抜け周りの高窓」

© morinakayasuaki

1階小上がり「引き違いの連窓」
金野さん、なぜこの建材を採用したのですか?

moro’sさんは独立する前から知っていて、10年以上のお付き合いになります。私の師匠にあたるアトリエ・ワンの塚本由晴さんの住宅作品に使われていたことで知りました。木製サッシを依頼するにあたり何社かにご相談したのですが、その中でmoro’sさんを選んだ理由は、一つ目には、目指す空間を実現するための窓の機構を一緒に考えて下さり、その技術力が高いことです。二つ目は、他社と比較して会社から施設までの距離が近く、これまでの物件を含め、メンテナンス等の対応を安心してお任せできることです。木のような自然素材でつくったものは最初の2年ほどはどうしても不具合が出やすいため、お施主さんにとっても安心要素となります。

© morinakayasuaki

空間が機能ごとに分かれていながらも遮断されず、それぞれの活動の雰囲気を感じとることができる。
メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

moro’s
両角今朝敏さん

仕様にないサッシでも、要望に応える

© morinakayasuaki

「春日台センターセンター」の木製サッシはニヤトーという南洋の広葉樹を採用しました。木目や本来の色味を活かすためクリア塗装で仕上げたことで、温かみのある色味が施設とうまく馴染んでくれましたね。一番印象に残っているのは、コロッケスタンドの突き出し窓です。あれほど大きくて、ダイナミックに開く突き出し窓を木製サッシでつくるのは初めての試みでした。「仕様にないからできない」と断らないのが当社のポリシー。金野さんに満足いただける木製サッシにできて本当に良かったです。また、この建物は窓の周りに大きな庇があるため、直接雨がかかる心配がほぼなく、メンテナンスもしやすいです。今後は利用者の方がDIYで塗装直しをするのも面白いのではないかと思います。

moro’s

〒104-0051
東京都中央区佃2-22-6 CASA相生B-1006
TEL:03-6279-3188
FAX:03-6279-3189
MAIL:morozumi@moro-s.com

 

 

MATERIAL
やわらかく光を通す間仕切り
【木製建具】

© morinakayasuaki

向かって左が小規模多機能型居宅介護スペース。右の小上がりにも同じ木製建具が使われている。

福祉施設などのケアの現場では、特性もハンディキャップもさまざまな利用者たちが同じ空間で過ごす。そのため、机上のプランに則った画一的な空間ではなく、スケールや音、明るさなどがグラデーションをなし、各々がその中から居場所を選択できる環境づくりが求められている。「春日台センターセンター」では木製建具を用いた居場所づくりを考えた金野氏。昼は施設利用者のリビング、夜は宿泊室を構成するための間仕切り建具は、空気を遮断する質量は確保したうえで、女性のスタッフでも建具を容易に取り外せるように軽量化もしたいと考えた。そこで金野氏が出した答えが、ポリカーボネートにジュート(麻の一種)を両面張りした木製框戸(かまちど)。間仕切りとして十分な機能を果たしながらも、フラッシュ戸などの面材が木でできている建具より軽量で扱いやすい建具に仕上がった。宿泊室の欄間窓は、日光を遮り圧迫感につながってしまわないよう、ポリカーボネートのみを採用した木製框戸となっている。

© morinakayasuaki

宿泊室。欄間窓は採光を考慮し、ポリカーボネートのみを面材とした。
金野さん、なぜこの建材を採用したのですか?

辰巳屋興業さんは工務店の紹介で知り合い、お願いしました。私がつくりたかったのは「0か1か」の建具ではなく、その時のモードに対応できる建具。ポリカーボネートにジュートを貼る木製建具は以前、千葉の福祉施設で製作したことがあり「春日台センターセンター」でも取り入れることにしました。求めていた軽さもクリアでき、音や空気を遮断しながらもジュートの重なりによって透過する光のパターンが美しく変化するところが気に入っています。辰巳屋興業さんとは初めて一緒にお仕事をしたのですが、モックアップ製作も丁寧に対応いただき、お施主さんと現場でそれらを確認しながら決めることができたのでよかったです。

© morinakayasuaki

小規模多機能型居宅介護スペースのリビング。遮蔽性がありながら、向こう側の人や物の様子が程よく分かる。

© morinakayasuaki

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

有限会社 辰巳屋興業
鈴木洋さん

未知の素材と一から向き合い製作

© morinakayasuaki

ポリカーボネートとジュートを組み合わせた木製框戸の接写。

金野さんとの打合せで「建具にジュートを貼りたい」とのお話があり、まったく未知のジュートという素材を調べるところから始まりました。金野さんが以前ポリカーボネートにジュートを貼り付けた事があるとのことで、サンプルをいただきましたが、どのように貼るのか、シワ無く貼れるのか、など一から試行錯誤を繰り返しました。なんとか上手く貼れるボンドを探し出した後は、限られたコストに納めるためにどの建具をジュート仕様にすれば見栄えが良いか、軽く見せるために部材をどこまで小さくできるかをさらに検討。工期が迫る中建具が完成し、ジュート生地からうっすら差し込む光を見た時の満足感は今でも印象に残っています。

有限会社 辰巳屋興業

〒215-0013
神奈川県川崎市麻生区王禅寺1158-1
TEL:044-954-2733
FAX:044-954-3294
MAIL:info@tatsumiya1963.co.jp
URL:www.tatsumiya1963.co.jp/

 

 

MATERIAL
DIYのシェード用に照明器具を改造
【ランプシェード】

サテンリボン製のランプシェード点灯時。

「LEDの照明器具が普及しシェードの材質や形状の制約が少なくなってきたことから、ダイニングテーブルの上部など長時間過ごす場所のシェードは自分たちで設計・製作しようと考えました」と金野氏。シェードを取り付ける照明器具は、既製品では照明器具のサイズの問題から取り付けられるシェードに制限が出てしまう。そこで、照明デザイン・製造・販売を行う大光電機株式会社の提案で壁付ブラケットライトに使用する円盤状の照明器具をペンダント仕様に改造する方向に舵を切った。tecoがシェードのフレームを設計し、フレーム製作はランプシェードの製作・加工・販売を行う有限会社ランプシェード、塗装は粉体塗装を中心とした金属塗装を行う株式会社晴光社、面材の透過フィルム法合成紙はユポ・コーポレーション、綿布や寒冷紗は日暮里繊維街の生地屋トマト・オカダヤ株式会社、サテンリボンは浅草橋・teco事務所のはす向かいにある販売店のTERAKIが担当するという分離発注方式を採用。面材に使用する素材のテストを経て、実際のシェード製作では施主である社会福祉法人のスタッフたちも一緒につくりあげた。

© morinakayasuaki

綿布・寒冷紗製のランプシェード点灯時。

サイズ・模様などに一つひとつ個性があることがわかる。
金野さん、なぜこの建材を採用したのですか?

大光電機さんは多くの物件でお世話になっていて、これまでもオリジナルの照明をつくってもらったことがあります。照明で困ったことがあれば相談に乗ってもらえる心強い存在です。今回はたくさんの方が関わりながら製作したので手間はかかりましたが、どのようにシェードが成り立っているか把握できたので私自身も勉強になりました。「建築は誰かにつくってもらうもの」と最初から決めつけず、自分たちでつくれる部分もあるしメンテナンスもできると考えると楽しさが広がります。建築をもっと身近な存在として感じてもらえるよう、お施主さんとのDIYも今後やっていきたいです。

逆円錐型のサテンリボン製ランプシェード点灯時。
メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

大光電機株式会社
有馬郁恵さん

既製品をアレンジして柔軟に対応

ペンダント仕様に改造した、大光電機株式会社の円盤状の照明器具。

金野さんからは、「LED電球3灯タイプのペンダントパーツをもっとコンパクトなものにしたい。けれど明るさは確保したい」というご相談をいただきました。そこで、薄型の既製品パーツを改造し、すっきりとコンパクトなデザインになる光源ユニットをご提案しました。シェードはtecoさんのほうで製作されていたので、弊社で製作した光源ユニットと合わせた時の嵌合部分の見え方も、担当者の方と細かく打合せをしながらデザインしていきました。明るさなどの機能的な面だけではなく、空間の中でいかに綺麗にシェードを演出できるかを考えるのも、私たちの役割だと思っています。

大光電機株式会社

〒541‐0043
大阪府大阪市中央区高麗橋3-2-7 高麗橋ビル6F
TEL:06-6222-6250
FAX:06-6222-6252
URL:www.lighting-daiko.co.jp/

 

 

ARCHITECT’S Q&A

©yasuyuki takagi

金野千恵が選ぶ5つの建材

Q. 周囲の風景に溶け込む建材とは?

A. 水性ファインメタリック WM-1

©高橋菜生

幅広い色から選べる塗装で
周辺環境の空気感を映し出す

「カミヤト凸凹保育園」は敷地周辺の田畑があまりに美しかったので、独立した奇抜な建築ではなく風景と溶け合うような建築を目指しました。周囲の景色を映し込むシルバーで壁面を仕上げたいと考え、エスケー化研さんの水性ファインメタリックを採用。風景そのものを映すのではなく、その場所の空気感のようなものを受け止めて転写する外壁にしたいと考えていたため、あえて艶を抑えた鈍いシルバーを選びました。水性ファインメタリックは耐久性や耐汚染性にも優れているため、メンテナンス費用を軽減できるのもよかったですね。

エスケー化研株式会社

〒567-0034
大阪府茨木市中穂積3-5-25
TEL:072-621-7733
URL:www.sk-kaken.co.jp/

 

Q. 環境に配慮した建材とは?

A. エコグローブ

冬場も施工可能な
自然に近い土舗装材

障害者福祉施設「Agyle」のパティオの床に採用しました。施設利用者の中には空調や狭い空間が苦手な方、逆に狭い空間にこもりたい方など、環境に対してセンシティブな方が多くいらっしゃいます。そこで、大屋根の下に十字型のパティオをつくることで、利用者が持つ感受性のグラデーションに適応できないかと考えました。エコグローブを採用したのは、限りなく自然に近い土を表現できるからです。下地コンクリートなしで施工できるため透水性があります。冬場の施工になることが見込まれていたので、冬の気温でも施工可能だったところも決め手の一つでした。

東京福幸株式会社

〒400-0502
山梨県南巨摩郡富士川町最勝寺1442
TEL:0556-22-3121
FAX:0556-22-3125
URL:tokyofukko.co.jp/

 

Q. 空間が引き立つ建材とは?

A. 唐紙「柿渋・柿渋+金」

見た瞬間に採用を決めた
職人の手仕事が光る唐紙

私の実家である「向陽ロッジアハウス」の和室に採用しました。この建築の中心に位置する和室は母がメインで使用する部屋。その部屋にふさわしい、職人の手が入った素材を考えていました。かみ添店主の嘉戸(かど)さんはアメリカでグラフィックデザインを学んだのち、京都の老舗唐紙工房で修行し独立された方。神戸でかみ添さんの作品を見る機会があり、一目でその美しさに感銘を受けて「和室にぜひ使いたい」と思い依頼しました。「柿渋」と「柿渋+金」の唐紙を千鳥状に配置し、日光の当たり具合によって表情を変える魅力的な仕上がりになりました。

かみ添

〒603-8223
京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
TEL:075-432-8555
URL:kamisoe.com/

 

Q. 今までで最も思い出深い建材とは?

A. 普通煉瓦 還元色 ハンペン

国内有数の産地・江別の
レンガが地域に開いた道

北海道江別市の児童福祉施設改修プロジェクトで採用しました。全長22mの土間を設けて1階を通り抜けにし、道にもショップにもギャラリーにもなる空間を考えました。江別市は国内有数のレンガ製造地。工場見学をさせてもらった米澤煉瓦さんで、色合いが渋く美しい還元焼成のレンガを選択しました。建物の外から中へ続けてレンガを敷いたところ、自転車で通りかかった人がそのまま建物内に入ってきてくれて「いいぞいいぞ」と思いましたね(笑)。舗装の仕方によって建築を地域に開く手法は「春日台センターセンター」にも通じるものがあります。

米澤煉瓦株式会社

〒069-0867
北海道江別市元野幌227番地
TEL:011-382-2801
FAX:011-382-2802
URL:yonezawarenga.com/

 

Q. 汎用性が高く、使い勝手の良い建材とは?

A. イペET・ジャトバET・クマルET

© morinakayasuaki

車椅子や下足も受け入れる
高耐久のフローリング

「春日台センターセンター」の床は、車椅子の走行に耐えられる硬い床であることが前提条件でした。下足で使う場所もあるのでメンテナンスも考慮し、テラス的な雰囲気を出せる熱帯広葉樹のイペ、ジャトバ、クマルを選びました。内部床の一部は外部のコンクリート平板と同じモジュールの300角のラワン材にしようと考えていた際、製品開発から考えようとしてくださったのが東京工営さんでした。最終的には内部・外部ともにコンクリート平板を採用したのですが、東京工営さんのように一緒に考え、試作してくださるメーカーさんは心強い存在です。

株式会社東京工営

〒112-0014
東京都文京区関口1-24-8 東宝江戸川橋ビル9階
TEL:03-5225-4080
FAX:03-5225-4081
URL:www.tokyokoei.com/

CONTENTS

アプリならマガジン新着情報がすぐに届く
iPhone の方は こちらから
App Storeからダウンロードする
Android の方は こちらから
Google Playからダウンロードする
アプリならマガジン新着情報がすぐに届く
今すぐ ダウンロード