
国内シェアナンバーワンのカーブミラーを製造する「真空蒸着技術」














概要
無駄のない真空空間を利用した、美しい鏡面生成
真空蒸着技術では、真空で気化したアルミをアクリル板に付着させることで、アクリル板にムラなくアルミの薄膜を張り、美しい鏡面を生成することができます。当社ではこの技術を駆使し、道路反射鏡(カーブミラー)や防犯用の半球ミラーなどを製造しています。
真空蒸着技術の特徴
特徴 1 |
ムラの無い美しいアクリル鏡面を生成 軽くて丈夫、破片が飛び散る心配のない、アクリル製の「割れない鏡」に |
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特徴 2 |
プラスチック素材へのメッキ加工にも応用可能 アクリル樹脂・ポリカーボネート・ABS樹脂などのメッキ生成に |
詳細
高純度のアルミで鏡面を作る”真空蒸着技術”とは
国内シェアナンバーワンを誇る当社のアクリル樹脂鏡面(アクリルミラー)。その製造に欠かせないのが、当社の真空蒸着技術です。

- アルミ (純度99.99%の高純度のアルミを使用)
- 加熱され気化したアルミ
- アクリル板
- アルミの薄い膜による鏡面
真空蒸着技術によって、アルミを使い、アクリル板を鏡にしていきます。真空中でアルミを加熱し気化させ、気化したアルミをアクリル板に付着させることによって、アルミの薄い膜による鏡面を生成します。
“ムラのできない”美しいミラーを生成


この真空蒸着技術の他にも、塗料をスプレーで吹き付けたり、アルミの薄いフィルムを貼り付けたりなど、アクリル板に鏡面をつくる製法は様々です。ただこれらの製法では、鏡面にムラができる・製作コストがかかる、などの課題がありました。一方で真空蒸着技術では、真空でアルミを気化させることで、アルミをアクリルに均一に付着させることができます。そのため真空蒸着のアクリルミラーは、ムラのない美しい鏡面に仕上がるのです。
また、当社ではアルミをアクリル板に蒸着させる際、2m程の大きな真空釜を使用しています。アクリル板を複数枚同時に蒸着できるほどの大きな真空窯は、他社では殆ど取り扱っていません。またアクリルに付着させるアルミの破片も、サイズの小さなもので十分。少量のアルミで複数枚同時に鏡面を生成することで、低コストかつ効率的なアクリルミラーの提供が可能になっています。
国内シェアナンバーワンのアクリルミラーを製造
当社の真空蒸着技術から生まれるアクリルミラーは、国内シェア70%を誇っています。真空蒸着により完成したアクリルミラーは、軽く、耐候性に優れるという特徴を持ちます。鏡としての性能にも優れており、ガラスのように明るく、鮮明な景色を映し出してくれます。これは、アクリルミラーの備える約85%の高い反射率があるため。この数値は、一般的なガラス素材の鏡の反射率(90%)に最も近く、またカーブミラーに使用される素材(ステンレス、ポリカーボネート樹脂など)の中で最も高い値です。
通常の鏡であれば割れると破片が飛散する危険性を備えますが、アクリル製のミラーは割れる心配が無く、万が一破損しても破片が飛びません。安心・安全にお使いいただける鏡になっています。
アクリルと真空蒸着の特性を活かし、当社では、アクリルミラーを使ったカーブミラーを主に生産しています。当社はカーブミラーの全国シェア率も40%とトップレベル。真空蒸着技術により優れた性能を備えたアクリルミラーだからこそ可能になった数字です。
真空蒸着技術によるアクリルミラーの使用例
主に屋外に設置されるカーブミラーは、軽量で耐候性に優れるアクリルミラーの特性が活かされます。
防犯用半球ミラー。広範囲を映す半球形の鏡で、防犯や事故防止に用いられます。
この他、一般住宅の壁に貼り付け、インテリアとして使用した事例もあります。
鏡面生成だけでなく、ポリカーボネート・ABS樹脂等プラスチックのメッキ加工も
真空蒸着技術が活用されるのは、鏡面の生成だけではありません。真空蒸着によって「素材にメッキを施す」ことが可能になります。
そして当社の真空蒸着で特徴的なのは、メッキ加工が可能な素材。アクリル樹脂・ポリカーボネート・ABS樹脂・ポリエチレンテレフタラートといったプラスチック素材であればメッキ加工ができます。
メッキ加工可能な素材 |
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複雑な形状の素材は要確認となりますが、基本的にはあらゆる形状の素材にメッキ加工が可能です。真空蒸着技術でメッキ加工希望のものがある場合は、お気軽にお問い合わせください。
真空蒸着技術によるアクリルカーブミラーの製造工程
真空蒸着がどのように使用されているのか、当社で製造しているカーブミラーを例に、製造工程を見ていきます。
1. アクリル板の成形
カーブミラーの製造にまず必要なのは、ミラーの素材となるアクリルです。アクリル工場から、透明なアクリル板が送られてきます。そのアクリル板を120℃ほどで加熱し、軟らかくしていきます。

加熱により軟化し、成形・変形が容易になったアクリル板を、カーブミラーの凸形に成形していきます。ここで成形に用いるのが、真空成形という方法。軟化させたプラスチック材料(この場合アクリル)を、型に合わせて真空吸引することにより、製品を形づくる成形法です。凸形になった部分以外は余分になるため、切り取っていきます。

2. 「真空蒸着」による鏡面の生成

蒸着工程では、アルミを使い、アクリル板を鏡にしていきます。アクリル板と高純度の小さなアルミを真空釜の中にセットし、釜の中を真空にした状態でアルミを加熱し気化させます。気化したアルミをアクリル板に付着させることによって、アルミの薄い膜による鏡面を生成することができます。

3. 完成品の検査
アクリルに鏡面を生成した後は、裏側に塗料を塗っていきます。塗料を塗らずに放置した場合、鏡面を作っているアルミが剥がれ落ちてしまうためです。使用する塗料も「蒸着塗料」という蒸着専用の塗料になっています。
保護フィルムをはがし、完成したミラーにゆがみや汚れが無いか検査します。天井に刻まれた「マス目」を鏡に映しこみ、ゆがみの有無をチェックしていきます。

アクリルミラーは、軽量で割れにくく耐候性のある鏡です。屋外での使用や人が集まる場所での使用に最適です。
カラーアクリル板を蒸着することで、色の付いた鏡を製作できます。
また、真空釜の中に入れることで、アクリル以外も蒸着させ、メッキをつくることができます。例えば、ポリカーボネート・ABS樹脂・ポリエチレンテレフタラートといったプラスチック素材であればメッキを施すことが可能です。詳しくはお問い合わせください。
アクリルミラーのスペック表
当社の真空蒸着技術で製造された、カーブミラー用アクリルミラーです。
鏡面サイズ (㎜) |
曲率半径 (※1)(㎜) |
板厚 (㎜) |
---|---|---|
600Φ | R2200 | t3.0 |
800Φ | R3000 | t3.0 |
1000Φ | R3600 | t3.0 |
※ カーブミラーの凸型をなす曲線をある円の弧とみなしたときの、その円の半径。
半球ミラーのスペック表
当社の真空蒸着技術で製造された、防犯用半球ミラーです。
外径 (㎜) |
フランジ幅 (㎜) |
高さ (㎜) |
板厚 (㎜) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
2 | 3 | 4 | 5 | |||
100Φ | 10 | 50 | 〇 | 〇 | ||
150Φ | 10 | 75 | 〇 | 〇 | ||
200Φ | 10 | 100 | 〇 | 〇 | ||
250Φ | 10 | 125 | 〇 | 〇 | ||
300Φ | 10 | 150 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
350Φ | 20 | 175 | 〇 | 〇 | 〇 | |
400Φ | 20 | 200 | 〇 | 〇 | 〇 | |
450Φ | 20 | 225 | 〇 | 〇 | 〇 | |
500Φ | 20 | 250 | 〇 | 〇 | 〇 | |
600Φ | 20 | 300 | 〇 | 〇 | 〇 | |
700Φ | 20 | 350 | 〇 | 〇 | ||
800Φ | 30 | 400 | 〇 | 〇 | ||
900Φ | 30 | 450 | 〇 | 〇 | ||
1000Φ | 30 | 500 | 〇 |