【巾木とは?】おしゃれで広く見える部屋へ!部屋の雰囲気を巾木が決めているかも?
「はばき」という言葉、聞いたことがありますか?
先日、我が家のリビングで息子がオモチャを走らせていたんですが…、壁にぶつけるぶつける。「あ〜ぁ、 ”はばき” キズだらけになってるな〜。仕方ないか〜。」なんて話すと、うちの妻が「はばき?はばき?」と不思議そうに聞き返してきました。
僕は当然のように使っていた言葉なのですが、巾木(はばき)の呼び方を知らない人も多いみたいですね。…というお話を先輩の奥さんにしたんですが、先輩の奥さんも知らないようで、首を傾げながら返事をされました。
家の中で大事な役割を担っているのに忘れられている…、今回はそんな巾木についてご紹介します。巾木とは何なのか、何のために存在しているのか、どんな種類があるのか!
巾木とは
部屋の中を見渡してみてください。壁と床の境目を区切っているものがありませんか?部屋中をぐるりと取り囲んでいると思います。
そう、これが巾木と呼ばれる建材です。巾木というのは、部屋の壁と床の境目を仕切る ”見切り材” のこと。巾木、木という名前なので木製のように思うかもしれませんが、実は木製だけではなく軟質ビニルで出来た柔らかい巾木もあります。
(この写真の巾木は木製の巾木です。)
一般的に、「傷んできたかも!」などといって交換する必要はあまり無い建材です。壁紙の張り替えや、床の張替えの時には同時に交換することがあるかもしれません。しかし、それ以外で巾木だけを交換する方は少ないですね。
なかなか交換しないものだからこそ、部屋を作る最初の段階で巾木もしっかりと選んでおきましょう。壁のクロスや床のフローリングを選ぶ、それと同じくらい悩むべきポイントです!
巾木の役割
なぜ巾木がついているのでしょうか?壁紙だけではいけないのでしょうか?
では、床ギリギリまで壁紙を貼っている自分を想像してみてください。どうしても壁材と床材に隙間ができてしまったり、壁紙が床材の上に重なってしまったりしますよね。一直線にピタッと合わすことができればいいのかもしれませんが、そう簡単にはいきません。
そこに巾木がついていることで、床材・壁材それぞれの収まりが悪い部分を隠してくれるんです。床に沿って、巾木が水平に走っていれば部屋全体がスッキリ見えますよね。
もう一つ巾木には大事な役割があります。それが、壁紙の剥がれ防止です。
最初にお話ししたように、壁紙の下部分というのはどうしても傷がつきやすい場所です。子供がおもちゃをぶつけたり、掃除機がガツガツ当たってしまったり、椅子の足がぶつかることもあります。時には、床にこぼしたジュースが飛び散ってしまうことも。
巾木がない状態だと、壁紙の隅に傷がつき剥がれてしまうでしょう。壁紙というのは丈夫なように見えて、実は糊付けされているだけですから意外と簡単に剥がれてしまうものです。
このように、巾木をつけておくことによって
- 部屋全体をスッキリ見せる
- 壁紙の剥がれを防止する
効果があります。巾木というのは部屋の見た目と機能性、その両方を守ってくれている建材なんです。
巾木の種類
「巾木、巾木…」と読んでいますが巾木にも種類が存在します。そのデザイン製で…というわけではなく、使われている素材で大きく2種類に分類することができます。
木巾木(もくはばき)
こちら、その名前のままです。木製の巾木なので木巾木。最近の木造住宅などでもよく使用されている巾木です。
巾木自体に厚みがあり「 THE 巾木 」の主張が大きいですね。色や厚み、高さなどを工夫することによって様々なイメージを演出することができそうです。単純に木目が見えた状態で施工するだけではなく、その巾木の上からダイノックシートを貼り付けておしゃれに見せることもできますね。
壁でも、90度の角度がついた出角には専用のコーナーキャップが付けられています。木製なので折り曲げることはできませんからね。
コーナーキャップがついていることで、角も丸く子供にも安全です。パッと見たときの見た目も変に目立つことなくおしゃれにまとまります。
最初の段落でちらっとお話ししましたが、巾木には「巾 ”木” 」と言いながら木製では無いものも存在するんです。そう、仲間はずれ。
…ではなく、ソフト巾木という巾木が存在します。
ソフト巾木
一般的な木巾木では、どうしても壁のアール部分に施工するのが難しくなりますよね。90度に折れ曲がった角ならまだしも、中には壁自体が湾曲しているような珍しいお家も。
そんな状態の壁に木製の板を貼り付けていくというのは現実的ではありませんよね。すぐに浮いてきちゃいそうです。
そんな時に使用するのがソフト巾木。ソフト巾木は軟質ビニルでできているので、基本的にはどんな壁にも施工することができます。
また、巾木と床の境目にアールがついているソフト巾木もあります。適度なアールがついているので、床と巾木の隙間にゴミや水が入ることがありません。やはり、壁と床の隙間というのは気になりますからね。
ソフト巾木は施工が容易なことがメリットですが、やはりビニル製なのでちょっと高級感にかける部分があります…。木巾木のような重厚感はありませんね。
巾木の価格帯
これだけ役割を持っている建材、なんだか高いもののように感じますよね。プロにしか販売されていないようにも思います。
しかし、巾木というのは意外と安価なものでホームセンターにも売られていたりします。木製巾木でも、1mあたり1,000円以内で購入することができます。軟質ビニルのソフト巾木ならその半額程度で販売されていますね。
木巾木 | 1,000円前後 / 1m |
ソフト巾木 | 500円〜 / 1m |
では、ソフト巾木を1m500円で購入した場合、10帖の部屋に施工するにはいくら程かかるのでしょうか。
10帖という畳の広さで表現されると難しく感じるかもしれませんね。しかし畳の大きさは決められています(地方や畳によって若干の差はありますが)ので、ある程度の広さは計算することができます。
畳1枚は【90cm × 180cm】で計算されるのが一般的です。畳1枚1.62平方メートル。畳が10枚ならば16.2平方メートルですね。畳を10枚並べた図を想像すればわかりやすいです。
つまり、10帖の部屋に施工する場合には17mほどの巾木があれば大丈夫です。今回のソフト巾木であれば 500円 × 17m = 8,500円 です。もし、木巾木を使ったとしても17,000円ほど。”建材”と呼ばれると高いもののように感じますが、意外とお安く施工することもできそうです。
部屋の雰囲気で見る巾木
もう巾木については理解できましたね。では、次に実際の部屋を見てみましょう。お気に入りのデザインが見つかるかもしれません。
フローリングの色に合わせる
引用 : おしゃれな住宅の設備をメリット・デメリットで紹介
引用日 : 2017年7月14日
このお部屋は暗い色のフローリングを使用されていますね。しかし、壁紙は床とは対照的に真っ白。光を取り入れるための細い窓も設置されているので、お部屋の中がとても明るく保てるでしょう。
よく見て見ると、このお部屋の巾木はフローリングの色に合わせられていますね。
壁は真っ白で、部屋も明るく、家具も白を多く使われています。このお部屋で巾木まで白いと、全体がのっぺりとしてしまうかもしれませんね。壁の立ち上がり部分だけでも床と同色にすることで、床のブラウンがキリッとしまるように感じます。
この例を見ても、巾木を慎重に選ぶべきなのがわかりますね。壁紙の色、床の色、好きな家具の色、その全てトータルコーディネートで考えることが必要かもしれません。
「最初から全部決められないよ!」と思われるかもしれませんが、そのような部分をサポートしてくれるのがインテリアデザイナーの方達です。最近ではインテリア用品のお店にもおられることがあります。そのため、巾木の色に悩んでいる方は一度、インテリアコーディネーターさんを尋ねて見てもいいかもしれませんね。
壁の色に合わせる
引用 : 家づくりブログ
引用日 : 2017年7月14日
このお部屋、かなり広く感じませんか?…たぶん、実際に広いお部屋なんだと思います(笑)
ただ、注目したいのがこの壁とドアの色です。このお部屋は全て白で統一されていますね。この白が空間を広く感じさせてくれているのかもしれません。
また、本格的な木目調のフローリング、天井からぶら下がった電球、また写真の左側を見てもらうとわかるようにハリが飛び出している作りの天井。このような部分もおしゃれに見えるポイントですね。
そしてお部屋を広く感じさせてくれる大きなポイントが巾木です。このお部屋は巾木も壁と同じく白で統一されていますね。ぶら下がった電球、天井のハリなど、視界に入るものが上に集中しているので、足元をスッキリさせているのでしょう。視界にものがたくさん入るとどうしても空間を狭く感じてしまいます。
部屋を広く見せたいなら、壁の色と統一させた巾木もオススメです。
高さの低い巾木
引用 : オフィスのまとめ
引用日 : 2017年7月14日
先ほどまでの巾木と何か雰囲気が違いますよね。そう、この巾木は高さが普通の巾木の半分以下なんです!通常の巾木は、4cm〜5cmほどの高さなのですが、この巾木は約1cmほどの高さしかありません。
人は、視界にたくさんのものが見えると空間を狭く感じてしまうようです。そのため、部屋を広く見せるためには出来るだけものを置かないことが重要だと聞いたことがありませんか?巾木についても同じことが言えます。
高さのある巾木はそれだけでデザイン性を感じられるものの、どうしても視界に入ってしまうことで空間を狭く感じさせがちです。先ほどの2つの例のように色の区別で綺麗に見せることもできますが、この写真のように巾木自体を低くして視界から消してしまうのも手ですね。
「巾木の高さがないと、耐久性が不安!すぐ剥がれたりしないの?」なんて思われるかもしれませんが、実はこの巾木はアルミでできており頑丈な作りになっているんです。水に触れても剥がれてしまうことはありませんし、掃除機などがぶつかっても取れることはないでしょう。
少し変わった雰囲気でおしゃれに、部屋を広く見せたいという方は高さの低い巾木もおすすめです。
面白い柄の巾木
巾木を探していると、面白い柄の巾木も見つけました。今回はその中の少しだけを紹介させてもらいます。
サンゲツのアルミ調巾木
引用 : サンゲツ
引用日 : 2017年7月14日
こちらはサンゲツから発売されているアルミ調の巾木です。アルミ製ではなくアルミ調、つまり素材はアルミではありません。こちらの商品は塩化ビニル樹脂で出来ています。ソフト巾木ですね。
ソフト巾木なので、アルミ調でありながら柔軟な加工が可能です。90度に角度がついた壁の隅や、ぐるっとアールがついた形状の壁でもDIYで施工することが可能です。
周囲の壁や床となじませた雰囲気で施工するのではなく、あえて巾木をアクセントにすることもできるかもしれませんね。特にキッチンエリアで使用されていると、全体が引き締まりおしゃれなキッチンスペースが作れるかもしれません。
▼サンゲツ|カーテン、壁装材、床材、椅子生地、ラグ等のインテリア製品の販売
https://www.sangetsu.co.jp/product/detail/W446R/
サンゲツの大理石調巾木
引用 : サンゲツ
引用日 : 2017年7月14日
こちらもサンゲツから販売されている商品です。先ほどのアルミ調とは違い、こちらは大理石調の巾木。先ほどのアルミ調巾木と同じく、こちらの商品も素材は塩化ビニルです。
先ほどのアルミ調はスタイリッシュな上になんとなく冷たい印象がありました。しかし、こちらの大理石調巾木は塩化ビニル製でも高級感があります。
なかなか大理石調の巾木は見ませんよね。巾木自体、そこまで目がいく建材ではないのかもしれませんが、大理石調の巾木であればこれを一つのアクセントに使えるかもしれませんね。
特に、玄関エリアに使用するとおしゃれに見えるかもしれません。たいていの場合、玄関はフローリングの床よりも1段下がった場所にありますよね。しかも靴を脱ぐので床に目が行きがちです。
そんな場所でこの巾木がチラッと見えると「おっ」と気づいてくれるお客さんもいるかもしれませんね。おしゃれなお家を演出することができます。
▼サンゲツ|カーテン、壁装材、床材、椅子生地、ラグ等のインテリア製品の販売
https://www.sangetsu.co.jp/product/detail/W897R/
家を建てるなら、細かな所にも気を配るべき!?
巾木という建材、今まで知らなかった人も多いのではないでしょうか?床材でもなければ、壁材とも表現しにくいものです。なかなか目立つ建材ではないので気にする方も少ないでしょう。
しかし、巾木の色や模様一つで部屋全体の雰囲気がガラッと変わってしまうこともあります。おしゃれな部屋に、また広く見える部屋にしたいと思っているならば、壁と床の関係性を見てから巾木を選びましょう。
今回は巾木に注目しましたが、家を建てる時にはこのように細かなチェックポイントがたくさんあります。「壁紙」や「フローリング」、「ドア」など大きなものに目が行きやすいかもしれませんが、気に入った家を作るためにも細かな所に気を配るべきなのかもしれませんね。