MATERIAL
日本の技術力を象徴する鉄骨ファブ
【ビルト鉄骨フレーム/鋼板屋根】

「くるる」は特徴的な長方形の断面をした33本の鉄骨ビルトボックスが立ち並び、大きく広がる懸垂屋根を支える構造になっている。屋根は鉄板を引っ張ることによりテンションをかけて支えるため、建て方における変形量も考慮して設計を行った。これらの構造部分に携わったのは日南鉄構。鉄骨の製作から加工、建て方まで一貫して手掛けることを強みとし、スムーズなコミュニケーションとコスト削減を実現した。また自社で鳶職人も抱えるため、設計書にはない細かな建て方の指示も現場で臨機応変に対応できる。難易度の高い施工も見事な仕上がりとなった。

藤原さん、なぜこの建材を採用したのですか?

予定していた鉄骨会社の変更を余儀なくされたことがきっかけです。難しい建て方のため、技術力のある日南鉄構さんに引き継いでいただけたのは不幸中の幸いでした。建て方を考慮しながら設計するのは大事なこと。次は初期から日南さんの技術力がより活かせるような計画を組みたいですね。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

山下 始さん

厳しい時間の制約のなかでの挑戦

「くるる」は、諸事情あって急にご相談をいただいたプロジェクトでした。過去に似たような物件を手掛けたことがあったため製作は可能だろうと思っていましたが、非常にタイトなスケジュールだったため、納期に間に合うかが心配でした。社内で何度も協議を行い、最終的に「困っている方を放っておけない。なんとか協力しよう」という当社社長の一声でお受けすることを決めました。

特殊形状にも対応する日南流の生産体制

「くるる」で使用したビルトボックス

今回、鉄骨の製作・加工から施工まで一貫して担当しました。「くるる」で使用した鉄骨は、細長い長方形の断面であまり見ない形状をしています。最初は鉄骨専門の製作工場に依頼をしたのですが、その特殊な形状を理由に断られたため、製作の段階から自社で行うことにしました。一般的な機械製造ではなく、一つひとつ手作業で鉄骨をつくっていく当社だからこそできたのだと思います。

職人の技術と根性が試された鉄骨矯正

「くるる」は規模が大きな建築だったため、大量の鉄骨製品を製作しました。鉄骨は溶接後、ひずみや反り、曲がりが必ず発生するため、ストレートに矯正する必要があります。それらが少しでも不十分な場合、現場でうまく建たず一からつくり直さなければなりません。全ての鉄骨をストレートに直す作業は大変苦労しましたが、熟練の職人の感覚や経験に頼りながらやり遂げることができました。

日南鉄構株式会社の特徴

1.特殊な構造や意匠を得意とする

デザインに凝った建物の案件をメインに手掛ける日南鉄構。オートメーションで柱や梁をつくる一般的な鉄骨ファブと違い、手作業で鉄骨を製作していく。

2.高い提案力とコスト意識

難しい構造や作り方、デザイン性に対し、社員一人ひとりがアイデアや技術を提案できる。同時に、明確なコスト管理もできる人材を育成している。

3.鉄骨にできることを広げ続ける

「鉄骨はこういうもの」と決めつけない。設計者とともに喜怒哀楽しながら新たな使い方の要望に挑むスタイルで、多くの設計事務所から厚い信頼を得る。
(日南鉄構が手掛けた他の事例は「Vol.06」にも掲載)

日南鉄構株式会社

〒279-0032
千葉県浦安市千鳥15-46
TEL:047-353-1351
FAX:047-353-1354
MAIL : yamashita@nichinan.co.jp (担当 : 山下)
www.nichinan.co.jp/

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