MATERIAL
機能性、意匠性を兼ね備えたオリジナル鎖樋
【リボン鎖樋】

「一般的な鎖樋とは違い、建物から雨を落としていく様も美しくありたい」と考え、前田氏が選んだ会社は工業用金網を手掛けるnets101社。約20年、建築内外装素材のメーカーとして培ってきた経験、個別対応ができるフットワークの軽さ、何よりもアイデアで美麗な製品をつくる技術力、ゼネコンが指名するほどの信頼度の高さが選ばれた理由である。現場に来てもらい実験を何度も繰り返し、音や水しぶきを立てない機能性と、見た目の美しさを兼ね備えた鎖樋を開発した。うまく設置しなければ真っすぐにならないほど繊細なものであるが、大雨のときも飛び散り具合が少ないことが美しさをさらに際立たせている。

前田さん、なぜこの建材を採用したのですか?

長沢さんとはパリのペロー事務所に勤務していたときからの付き合いで、パリにもいろんな試作品を送ってもらっていました。そして担当した大阪富国生命ビルのエントランスの壁面のステンレスメッシュで採用させてもらったこともあり、今回お送りいただいていたサンプルから選んでお声がけしました。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
長沢 一正さん

はじまりは別製品の調整部品

リボン形状の鎖樋素材ですが、元々は当社の主力製品であるコンベア製品を製作する初期段階で出る調整部品でした。ある日、その調整部品に水滴が付いたとき、回るように落ちることに気付きました。装飾的な視点で眺めれば面白い形をしていたことも相まって、より滑らかに水滴が落ちるようにどうしたらいいかと試行錯誤を加え、前田氏に何度もサンプルを送って、今回の採用につながりました。

風を通しカビも発生しない構造

開発のもととなった実証評価済製品の断面

網目から水滴も散りませんし、透けることから景観も損ねません。さらに風が通過することでカビも発生しにくい構造になっています。既に実用品として実証評価を得ていた事例を自社の経験として持っていたので、それをもとに「TAKARAZUKA HUTS」のリボン鎖樋を開発していきました。中央ワイヤーロープを水流導線として、金網の代わりに鎖樋側に水滴を回すような仕組みにしています。

金網は新しい建築資材に

大阪富国生命ビル エントランス

金網は製織・加工など変化に対しての柔軟性が高いので、適用範囲は広いと思います。国外での実績もありますので、機会があるごとに積極的に海外の設計事務所へサンプルを送付していました。建築の分野に参入して1年経った頃に初めて国内で納品が決まってからは数百件の実績をいただいていますが、まだ浸透しきれていないので、建築資材としてよりレベルを上げていくことが目標です。

nets101株式会社の特徴

1.代々受け継がれる提案力

明治6年創業、金網を主軸に生産をしてきた。独創的なアイデアは代々受け継がれ、今も提案力、サンプル製作力は目を見張るものがある。

2.工業用金網から建築資材へ

海外では既に建築資材として多用されていた金網素材。日本ではまだ認知度が低かったが、ホームページを通じて製品を発信したことで知られるように。

3.20年続く経験が次の製品へ

建築資材としての金網製品の挑戦は20年にも及ぶ。個別対応をし続けてきたことで技術の鍛錬や経験を積み重ねることができ、次世代の製品をつくる土壌となっている。

nets101株式会社

〒424-0105
静岡県静岡市清水区山切979-5
TEL:054-364-5533
FAX:054-364-5538
www.nets101.com/
(カタログはHPよりダウンロード可)

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