【スチールカーテンウォール】
「つなーで」の外観で目を引くのが市松模様のようなサッシュ。縦の部分にはスチールのフラットバーが通っており、模様の重なりをできるだけ少なくしたオリジナルのディテールが特徴だ。設計当初はレンガ積みで検討していたが、コストの問題などから素材を金属に変更。しかし、規定のサッシュではこのディテールを実現することが難しいため、金属サッシュの設計から製作、施工まで全国各地のさまざまな建築物で実績のある日鋼サッシュ製作所に依頼した。技術力の高さには定評があるうえ、建築家のニーズにも親身に対応。イメージ通りの仕上がりとなった。
独立以前に高知県の建物の設計を手掛けたことがあり、県内の建材メーカーとはもともとつながりがありました。スチールのサッシュをつくるメーカーは全国でもそれほど数が多くないなか、コストや技術など、根気強く熱意を持ってつくってくださる日鋼サッシュ製作所さんにお願いしました。
建材開発秘話
設計から施工を担い建築の顔をつくる
当社は、金属製建具を中心に設計・製造・施工を行う会社です。「つなーで」でも、設計からメンテナンスまで全て担当しました。MARU。さんには、自由な曲げ加工が可能でアルミよりも強度の高いスチール素材を提案。もちろん課題も多かったのですが、「市松模様のカーテンウォールは、きっと『つなーで』のシンボルになる」という期待のもと、プロジェクトに取り組みました。
地域ならではの課題にも慎重に対応
MARU。さんからは「市松模様の線をできるだけ細くしたい」とご要望を受けていました。しかし高知県は台風が多い地域のため、耐風圧性能や止水性能には特に慎重に考慮する必要がありました。そこで、できるだけスリムなフラットバーをはしご状に組み上げて強度を確保。さらに取り合い部分の防水材のつけ方を工夫することで浸水対策も行うなど、必要最小限の部材で、シャープに見せられるよう尽力しました。
「今までにないもの」を実現する喜び
納まりを検討するため、設計担当者・取付職人・工場製作担当者が工場の会議室に集まり、意見を出し合ったことは今でも覚えています。図面作成に1年近くかかったので、満足いくものができて本当に良かったです。MARU。さんにも喜んでいただき、「つなーで」に当社の防音ドアも採用していただいたことは嬉しかったですね。今後も今までにないデザインに挑戦していきたいと改めて思いました。
株式会社日鋼サッシュ製作所の特徴
金属建具メーカーとして50年以上の歴史を持つ。培った経験と技能を活かし、施主・設計者のさまざまな希望に沿って、建築に最適な素材や製品を提案できる。
製品は全てオーダーメイドで製作・施工。新人に対しては、可能な限り現場を見せることで、図面と実物の違いを実感させながら技術教育を行っている。
特殊扉の開発に力を入れ、特許申請を多数行っている。現在は防火区画の廊下に対応できる、自動開閉可能なガラス入りスチールドアの開発に取り組んでいる。
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