共創・協奏のSTEAM

──今回の「いのちが高まる茶室」では共に創る「共創」と、みんなで奏でる「協奏」という2つの言葉が出てきます。これらの言葉の捉え方を教えていただけますか。

中島:言葉って見たときのイメージがあるので、共に創るということは実はシンフォニーで、音楽をやっているとわかるのですが、それぞれの役割を担いながらみんなで奏でると、チームプレーみたいなものでとても楽しいです。だから「共創」に加えて「協力して奏でる」と書くと、目に見えるものだけではなく進んでいく“道”を感じられるので、2つの漢字を使っています。

小堀:以前に「協奏」という言葉を教えてもらって腑に落ちた感がありました。例えば建築って一人では決してつくることはできません。完成した建築物が100だとすると僕は1ぐらいの能力で、残りの99は様々な人の知見の積み重ねででき上がっていきます。それが「共創」。しかし、その建築プロジェクトが成功するかどうかは「みんなで奏でられるかどうか」に尽きます。つくることは誰でもできますが、そこに感動があるかどうかが大事なのです。

例を挙げると甲子園がそうですよね。能力の違うメンバー同士、みんなで一つの目標に向かって、一つの体験をする。その瞬間はチームも感動するし、見ている人も感動する。それが「協奏」ではないでしょうか。そういう意味では我々建築家の役割として、「建築でいかに感動するか」を追求していく存在だと思います。ただみんなでつくるだけでは作業にしかなりません。一人ひとりが意識をもって建築に関わることで、周りにも感動を呼び起こすのだと。今回の茶室プロジェクトも、関わる人のことを思いながら自分の行動を決めていく流れで、本当に“奏でている”という感じでした。

中島:一期一会ですが、このプロジェクトに関わってきた人や、明日来場されるかもしれない人など、みんなのことを思いながら進めてきているから面白いですよ。もう時間という概念も超えている感覚です。

小堀:本当に。これこそ「協奏」だと思います。

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