【ダンツキルーフ182・元旦スチール防水屋根】
光環境の観点と、無機質になりがちな平屋のバリアフリー空間に抑揚を生む意図から、「Nagasaki Job Port」の屋根は切妻屋根とバタフライ屋根を組み合わせたジグザグ形状となっている。バタフライ屋根を板金のみで葺く場合、雨水を流すための溝をつくらなければならず、そこに周辺の森や竹林から飛んできた落ち葉が溜まってしまうという問題が想定された。「施設は限られた人数で運営しています。スタッフの仕事を最小限にできるよう、落ち葉や雨水が溜まるリスクを排除し、可能な限りメンテナンスの必要がないデザインであることが求められました」と佐野氏。そこで、落ち葉や雨水が溜まらずそのまま風で飛んでいくよう、屋根の谷の部分をできるだけフラットにし、屋根の山の部分は板金、谷の部分はシート防水で施工する方法を採用した。2つの素材を組み合わせることにより、メンテナンスと耐久性の2つの問題を解決することができた。
異素材を組み合わせた屋根施工
板金屋根とシート防水という2つの素材を組み合わせて施工できるのは、調べた限りでは元旦ビューティ工業さんだけでした。また、シート防水系では珍しいダークグレーのシートがあったのも決め手の一つです。異なる素材を組み合わせるにあたって苦労したことの一つは、見た目の納まり。特にケラバの部分は素材同士の境目が目立ってしまいどのように納めるか苦悩しましたが、元旦ビューティさんに相談に乗ってもらい、ケラバを隠す役物を取り付けなくてもすっきりとした納まりに仕上がりました。ダンツキルーフ182・元旦スチール防水屋根という組み合わせを用いたからこそ、切妻屋根とバタフライ屋根を組み合わせた「Nagasaki Job Port」の屋根は実現できたのだと思います。
建材開発秘話
元旦ビューティ工業株式会社
羽田梓さん
意匠性・排水性の両方を実現
「Nagasaki Job Port」では、ジグザグ形状屋根の谷部に溜まる雨水の排水が課題のひとつでした。そこで、元旦スチール防水屋根をフラットに葺くことで水密性を確保しつつ排水できるようにと考えました。さらに異なる屋根材の取り合い部分の段差を無くし、シームレスにしたことも重要なポイントです。通常、異種の屋根材と取り合う際は雨仕舞を良くするために段差を100mm程度設けますが、当社技術部門及び施工職人と検討を重ね、設計者様の求める意匠性と水密性を実現しました。
ダンツキルーフ182の詳細はこちら
元旦スチール防水屋根の詳細はこちら
「Nagasaki Job Port」で使用した屋根の特徴
ジグザグ屋根の山部分には、横葺き金属屋根「ダンツキルーフ182」を使用。1.5寸の緩勾配に対応するため、屋根を薄くスマートに見せながら、高い防水性を確保できる。
屋根の谷部分には、高耐久性防水シートに鋼板を裏打ちした「元旦スチール防水屋根」を使用。曲げ加工が容易で、防水性と耐久性に優れるため、緩勾配の屋根や樋にも使用できる。
〒252-0804
神奈川県藤沢市湘南台1-1-21
TEL:0466-45-8771
FAX:0466-45-3031
MAIL:webmaster@gantan.co.jp
URL:www.gantan.co.jp/