もうバカにされない!ベニヤ・コンパネ・合板って何が違うの?それぞれの違いや特徴、価格を徹底調査!
こんにちは、東です。私ごとですが、私の趣味は車いじり。つい先日も先輩(建築関係)のガレージに集まって車を触っていました。
少し車を移動しようかなと思った時、ガレージ脇の木板が邪魔で
東 : 「先輩、そこのベニヤ板どけてくれませんか?」
なんて声をかけると
先輩 : 「は?ベニヤ板なんて無いぞ。」
とニヤニヤ。
東 : 「いやいや、そこにあるじゃないですか!」
と言っても
先輩 : 「これはベニヤ板じゃねーよ!」
だそうで。
東 : 「はいはい、じゃあそのコンパネどかしてください。」
と言うと
先輩 : 「コンパネじゃないでしょ。これは合板って言うんですよ〜。しかも構造用合板。」
とニヤニヤ。周りの先輩(みんな建築関係)もニヤニヤ…。
なんだかバカにされているようでムカつく!ということで今回は、ベニヤ板・コンパネ・合板について私なりに詳しく調べてみました!
建築業1年生の方!しっかりと区別して話さないと親方に指摘されるかもしれませんよ〜?
(…私みたいに)
ベニヤ板・構造用合板・コンパネの違い
実際、ホームセンターの木材コーナーを見渡してみるとわかりますが、板材は確かに「ベニヤ板・コンパネ・合板」の3種類がありました。
別々の製品ですが、区別して呼ばないといけないくらいの違いがあるんでしょうか?あれは先輩のいじめだっただけなんじゃないでしょうか?
と思ったんですが、実は上の図のように構造用合板もコンパネも元はベニヤ板。合板として分類される板はしっかりと区別されているものでした。
木をかつら剥きにして切り出した1枚の板がベニヤ板で、それを重ね合わせて接着したものがベニヤ合板。
先輩に対して「ベニヤ板どけて!」なんて言っていましたが、あれは単層の板ではなかったのでベニヤ合板だったと…。少し理解してきたような気がします
…が!
コンパネも同じようなものじゃないんですかね!?コンクリート型枠用なんて書かれていますが、結局同じものなんじゃないの?やっぱり先輩の意地悪だったんじゃないの?
って調べていくとごちゃごちゃになってきたので、それぞれ板の種類別にまとめてみました。
情報参照元 :
ベニヤ板とは?
一般的に、DIYerが「ベニヤ板」と呼ぶものは、薄い板を何枚か貼り合わせた合板。ホームセンターに売っている規格だと、厚さが2.3mm〜30mmまでが主流。厚さに違いがあるのは、貼り合わせている板の枚数が違うのが理由です。
でも、本来のベニヤ板というものは単層の板。合板のように数枚の板を貼り合わせて作られたものではなく、木をカツラ剥きで切り出した1枚の板のことを指します。何枚も貼り合わされた板はベニヤ合板と呼ぶのが正式ですね。
ベニヤ板とベニヤ合板、間違っている人も多いってことです!私だけじゃないんですね!でも先輩は厳しい…。
ベニヤ合板の基準となる大きさは910mm×1820mm。建築業界では「サブロク(3×6)」なんて呼ばれたりします。
余談ですが、「サブロク」という呼び方は昔の長さの単位「尺」が基準になっています。
1尺は約30cm(30.303cm)
910mm×1820mmは横3尺、縦6尺の長さがあるのでサブロク。1220mm×2430mmだと4尺×8尺なのでシハチと呼ばれます。
普段の生活だと「cm単位」が当たり前になっているかもしれませんが、建築業界では尺で表現することも多々あります。私も建築関係のアルバイトをはじめたとき、慣れないうちは戸惑ったものです…。
(はい、実は建築系のバイトをしていたのですが、ベニヤ板・合板の違いをはっきり知りませんでした。)
ベニヤ合板の参考価格
販売価格は、910mm×1820mm(ベニヤ板2層、厚さ3mm)の合板で1,600円ほど。
ただ、サイズがいろいろあるので価格もバラバラ。使用用途を考えて最適な合板を購入することで、DIY費用が安く抑えられそうですね。
情報参照 : amazon(ベニヤ板)
ベニヤは英語で「veneer」
ちなみ「ベニヤ」は英語で「veneer」。3つめの「うわべだけのもの」はなんか深いですね。
- 化粧板◆家具などの木製品の表面に張る薄い板
- ベニアの単板◆【参考】plywood
- 〔美しさ・丁寧さなどについて〕うわべだけのもの
引用元 : アルク
引用日 : 2017年9月14日
構造用合板とは?
構造用合板は構造用下地に使うための板。壁紙のクロスや化粧板などを施工する前に、下地として使います。みなさんのお家や会社、その壁の中にも構造用合板が使用されているでしょう。
合板という名前からわかるように、構造用合板も複数のベニヤ板が貼り合わされたものです。
製造事業者は、製品についての「強度等級」「ホルムアルデヒド」「板面の品質」など一定の要件を満たした場合JAS規格(日本農林規格)という認定証がもらえます。
黒いスタンプがたくさん押されている板を見たことはありませんか?これは、板についての品質を証明するもの。「強度の証明・環境・人体への影響」を示しています。
記事下部分にスタンプが押された合板の画像があります。
強度が必要な場面で木の板を使用する場合、強度等級を取得している構造用合板が使用されます。規格に沿って製造している合板なので、一般的には他の合板に比べると高価なものが多くなります。
構造用合板の参考価格
構造用合板はプロ向けの建材ですが、実はアマゾンなどのインターネットショップでも購入することが可能です。
販売価格は、910mm×1820mm(厚さ12mm)で2800円〜。
大きさや厚さなどさまざまなサイズが販売されているので、使用用途に合わせて大きさが選べます。
情報参照 : amazon(構造用合板)
構造用合板は、DIYするときの下地用として使用するのがおすすめです。というのも、板の表面処理がされていない物も多いので、化粧板として見える場所に使用するのはどうしても難しくなります。
コンパネとは?
コンパネも構造用合板と同じように板を貼り合わせたもの。一般的に使用されているものは5枚の板が重なっています。ホームセンターへ行ったときに、コンパネの側面を見て板の数を数えてみると面白いですね。
コンパネの厚みは、一般的に12ミリ。サイズは900mm×1800mm。だいたい畳1畳分と想像していただくと分かりやすいかもしれません。合板と似たサイズですが、若干小さい規格になっています。
コンパネはコンクリート型枠として屋外で使用されるものなので、耐水性に優れていますが見た目は考慮して作られていません。表面がガサガサになっていることもありますし、板自体が歪んでいることもあります。
コンパネ、コンパネ、と読んでいますが、これはコンクリートパネルの略称です。住宅基礎工事の際、コンクリート型枠として使用されるパネルなのでコンクリートパネル。略してコンパネ。(下記画像の赤枠がコンパネです。)
また、細かな規定が設けられている板ではないので、比較的安価で販売されています。どんな合板でも「コンパネ」と呼ぶ人がいますが、価格が安く使用される場所が多いのでみんな「合板=コンパネ」になっているのでしょう。
間違えている人も多いってことですよ!(みんなも先輩に怒られればいいのに。)
コンパネの参考価格
コンパネも、ホームセンター・インターネットショップで購入することができます。
販売価格はお店によってさまざまですが、900mm×1800mm(厚み12mm)の無塗装品(安いもの)でだいたい1枚2000円〜。ただ、1枚10,000円以上のウレタン塗装が施されている製品もあります。
塗装されているものが全て高いのかというとそうでもなく、「ウレタン」以外のもののだと3,000円〜販売されていたりと価格帯はバラバラ。
情報参照 : amazon(コンパネ)
3つをまとめると
正式な呼び名は以下のとおり。なんでもかんでも「コンパネ!」とか「合板で!」なんて言っていましたが、正式には違うものだったんですね。
ベニヤ板
木をかつら剥きにして切り出した1枚(単層)の板
ベニヤ合板
ベニヤ板を数枚貼り合わせた複層の板
構造用合板
建築構造用の強度証明ができる合板
コンパネ
ベニヤ板を貼り合わせたもので、コンクリート型枠用に作られた防水合板(サイズは900mm×1800mmが基本)
基準となる大きさ | 厚さ | 主な使用用途 | 価格 | |
ベニヤ板 | 910mm × 1820mm |
約2.4mm (桂剝きにした1枚の板) |
ベニヤ合板を作るための素材。 厚さが薄いので、何かに貼り付けて装飾する程度。 |
1,259円〜 (参照 : amazon) |
ベニヤ合板 | 910mm × 1820mm |
2.3mm〜30mm が主流 |
大きさ、厚さも種類が多く様々なものを作れる。 耐水性が低いものは屋内で使用するのがオススメ。 |
厚さ3mmで1,600円ほど〜。 (参照 : amazon) |
構造用合板 | 910mm × 1820mm |
5.5mm〜28mm が主流 |
建築構造用下地として使用する。 目に見える場所に施工するのは稀。 |
厚さ12mmで2,800円〜。 (参照 : amazon) |
コンパネ | 900mm × 1800mm |
12mm | 耐水性に優れるので屋外で使用可能。 ただ、質が悪い場合もあるので内装材としては不向き。 |
無塗装品で2,000円〜。 ウレタン塗装品は10,000円以上も。 (参照 : amazon) |
合板の接着剤にも種類がたくさん
コンパネ・構造用合板は、ベニヤ板を何層にも貼り合わせた合板。となると、貼り合わせるための接着剤が必要になりますよね。使用する接着剤によって合板の耐水性や人体への影響が変わるため、その種類で分類されています。
耐水性の分類が4種類、人体への影響で4種類に分類されています。
DIYで使用するなら接着剤の種類は確認しておきましょう。耐水性を無視していると、せっかく作った物が湿気でボロボロになってしまうかも…。
接着剤の耐水性で分類
上の画像左側、少し見にくいですが「特類」と記載されているのがわかりますか?これは合板の耐水性を表す表記です。使用される接着剤によって耐水性が違うので、しっかりとスタンプで表記されています。
特類 : フェノール樹脂接着剤
一般的に雨や湿気に強く、住宅の耐力壁などの構造用耐力部材や足場板などに使用されます。
1類 : メラミン樹脂接着剤
湿気に強く屋外の使用が可能で、住宅外装や雨・湿気の多い基礎型枠などに使用されるものです。
2類 : ユリア樹脂接着剤
そこまで耐水性が保証されるものではありませんが、多少の湿気がある場所なら使用が可能。主に、住宅内装などで使用される合板がこの2類に分類されています。
3類 : 増量ユリア樹脂接着剤、カゼイングルー
湿気に弱いので今はほとんど使用されていません。湿気に弱いということは貼り合わせた合板が剥がれる可能性があるということ。
DIYで小物を作る時や、何でもいいから安いものがいい!という時には2類に分類される合板を使用するのがオススメです。
接着剤に含まれる化学物質(ホルムアルデヒド放散等級)で分類
先ほどの画像右側に「F☆☆☆☆」という表記が見えますか?これは接着剤に含まれる化学物質が人体に対して与える影響を指します。
皆さんも聞いたことはあるかもしれない「ホルムアルデヒド」は、アレルギーの原因とされる化学物質です。それが接着剤に含まれているので、合板には化学物質に対する規定も設けられています。
その規定はホルムアルデヒド放散等級といい、先ほどの画像のようにに「F」と星(☆)で表記されます。
レベルはF☆〜F☆☆☆☆まであり、星の数が多くなるほど人体に対しての害が少なくて安心。逆に星の数が少ないほどホルムアルデヒドの放出量が多く、アトピーやシックハウス症候群などのアレルギーを発症しやすくなります。
そのため、DIYで屋内のものを作成する時にはなるべくF☆☆☆☆(星4つの合板)を使用したいところですね。
と、多分ここまでは先輩も知らないでしょう〜。今度会ったら、合板のスタンプを確認して先輩を問いただしてみよう…。ニヤニヤ。
同じように見える木の板も、たくさんの種類がある。
建築現場で使用されている木の板。同じように見えてそれぞれに違いがあったんですね。呼び名が違うだけではなく、それぞれにしっかりとした規格が備わっていたりと明確に分類されていました。
これだけ調べておけば、もう先輩たちにバカにされることもないのかな〜なんてちょっと安心です。
また、建築業1年生の方だと木板の区別までつかない人も多いのでは?仕事の時に「この合板、耐水性低いですね。」なんて話すと上司の方も「やるな…!」なんて思ってくれるかも!?