天窓って雨漏りしないの?天窓メーカーに聞いてみた
みなさんは「天窓をつけたいけど、雨漏りしないか心配…」と思ったことはありませんか?もしくは施工側の立場でお施主さんから相談された経験はありませんか?
- 天窓って雨漏りしないの?
- 日が当たり過ぎて暑くならないの?
- 掃除はどうするの?
実はこのように”天窓をつけたいけど、ちょっと心配”と感じる方は少なくありません。
そこで今回実際のところどうなのか、世界で76年の実績がある天窓(トップライト)専門メーカー日本べルックス社に聞いてきました。
これから新築・リフォーム予定の方、ならびにプロユーザーの方にもお役立ち頂ける内容です。
さっそく聞いてみた
今回日本ベルックス株式会社(東京都渋谷区千駄ヶ谷)の営業推進室室長 中野 要(なかの かなめ)さんに伺いました。私が疑問に思った、下記7つの質問をぶつけてみました。
【質問したこと】
質問① : 天窓は雨漏りしないの?
べルックス製品の場合、国内の研究機関である「ベターリビングつくば建築試験研究センター」の水密性・気密性・耐風圧性試験では最高ランクの評価を受けており、性能上心配ありません。
(参考 : テスト結果)
- 水密性…最高等級のW-5(500パスカル。最大瞬間風速34.6m/秒、降水量240mm/時に相当)。
- 気密性…最高等級のA-4
- 耐風圧性…最高等級のS-6(平均風速66.9m/秒に相当)
- 断熱性…1~7地域に対応のH-5(2.33以下)
ただ昔の天窓(アルミのカバーをビスで固定したもの)は施工上複雑な部分もあり、施工の難しさから漏水につながるケースもありました。
ベルックスの最新製品ではビス留め不要の箇所を増やすなど、施工不備による漏水がそもそも発生しないような製品仕様に改良を重ねていますのでご安心してお使い頂けます。
参考 : 天窓が雨漏りする原因とは?
天窓が雨漏りする原因は大きく3つだそうです。
- 経年劣化によるコーキングの切れ
- 経年劣化によるガラス周りのシーリング(窓枠まわりのゴムパッキン)の切れ
- 防水シートの立ち上げ部分の施工不備
特に「2.経年劣化によるガラス周りのシーリング切れ」でガラスと窓枠の間から漏水するケースが多いそう。
参考 : 天窓の進化っぷり①トリプル防水構造
施工が初めてでも施工しやすい仕様の詳細です。①デッキシール(固定金具枠)②ルーフィングシート+防水テープ③専用水切りのトリプル構造で気密性・水密性を高めています。
アルミカバーで外装され、野地開口に乗せてビス留めするだけで、「①デッキシール」が天窓と野地板との隙間を埋めます。「②ルーフィングシート」を窓まわりに立ち上げ防水テープで止水し、「③専用水切り」を施工することで防水しています。
参考 : 雨漏りしないかテストしている様子
最大風速40m/秒、最大降水量200mm/時までシミュレーションできる大型風洞実験装置で台風・豪雨・梅雨を再現し、防水を追求しています。欧米仕様と比較して、さらに耐候性・水密性に優れた日本専用仕様になっています。
質問② : 開くタイプの場合、開いたまま閉まらなくならないのか?
古い天窓では閉まらなくなる故障よりも、経年によってゴムのガスケットが熱による劣化で張り付き、閉まっていた窓が開かなくなるケースの方が多いです。
開けるにはカッターで切る必要がありますが、ご自宅を建てられた工務店や弊社のサポート窓口にお電話くだされば対応できます。(TEL: 0570-00-8145)
修理費用は保証期間内であれば無料です。ただ製品の製造年や仕様によって価格や部品代は様々なので一概には申し上げにくいです。
質問③ : 日差しで暑くならないのか
最新天窓では約70%の遮熱効果がある「遮断熱複層ガラス」が標準となっています。
どれくらいの効果があるかというと、最大日射量(1047W/m2)の光を1時間当て続けて天窓から内側3cmの室内温度を測ったところ、28℃に抑えられた実験結果があります(ちなみに春~夏の晴天下のお昼12時ごろの日射量で900W/m2以上と言われています)。
”天窓は家が暑くなるもの”と認識されがちなのですが、理由として、家の構造上、①天窓周りは熱気がたまりやすい箇所になること ②明るいと暑く感じやすいことがあいまって、「天窓をつける=家が暑くなる」と勘違いされる方も多いです。このため「開けて排熱できる開閉式天窓」が今の主流となっています。
それでも心理的に気になる方は後付けできるブラインドで日除けもできますので、ブラインドなしで設置し、しばらく様子を見て後付けするのもいいと思います。
ちなみに昔の天窓はガラス1枚(単板)のものが多く、夏は暑いし冬は結露はするしと悲惨なものが多かったです。そのためそういった古い天窓を使われたご経験のある60~70歳の方は懲りて塞いでしまうことも多いようです…。
質問④ : 掃除はどうするのか
参考 : どうしても掃除したい場合
とはいうものの、どうしても掃除したい場合にはどうしたらいいか聞いてみたところ、プロの屋根業者に「天窓掃除したいんですけど」とお願いするのも手だそうです。
ちなみに複数の屋根修理・業者から一度に見積りをもらえるサイトがあり、こういったサイトを利用するのも手ですね。
▼屋根修理の見積り比較・優良工事店を無料紹介|屋根コネクト
https://yane-connect.com/
質問⑤ : ガラス割れのリスクについて
もちろん完全に割れないとは言えません。飛来物や天災で割れるケースはあります。
ただ、ペアガラス仕様になっており室外側のガラスには「強化ガラス」を標準で使用していますので、通常のガラスよりも割れにくく安全です。
室内側のガラスは合わせガラスや網入りガラスから選べます。
質問⑥ : 実際に雨漏りしちゃったら?
一般の方が自力で対処できることはありません。プロの屋根屋さんや建てた工務店に相談しましょう。ちなみに「日本屋根外装工事協会」という一流の屋根屋さんが集まった組織がありますので、会員名簿から最寄りの屋根屋さんを探すのも手ですし、「全日本瓦工事業連盟」という全国の瓦工事業者が集まる組織もあります。
こちらも加盟店が載っていますが、天窓まわりの補修を行わない業者もいるので、HP等を見て確認されることをおすすめします。
質問⑦ : 修理費用はどのくらい?
現在天窓メーカーはリクシル(旧トステム)とYKKAP・三協立山にも納入しているベルックス社の2社のみであるため、20年超の天窓部品は既にほとんど市場に出回っておりません。
そのため根本的な解決方法としては「①天窓を交換する」or「②外してふさぐ」の2択しかありません。①の交換であれば固定式窓で約15万円程度から交換できます(工事代込、足場代は含まない)。
②外してふさぐ場合には、断熱工事や屋根の追加葺き替えなど、天窓交換よりも手間とお金がかかりがちなのも実状です。
参考 : どんな感じで交換するのか実際の交換方法の手順
天窓を交換する様子や施工方法がわかる動画もあります。
私のように、天窓交換を知らない人にとっては、あらかじめ「こんな風に交換するんだ~」と知っておくだけでも安心できます。
社長にもインタビューしました
日本ベルックス社の野澤社長にもインタビューさせて頂きました。
「1995年までに販売された天窓数は他社品も併せ約100万窓にのぼり、2017年現在それらの天窓は約20~25年以上たっています。私が住む世田谷や神奈川の住宅屋根にも多くの天窓が見受けられます。
そういった住宅の多くは屋根が古めかしかったり、塗装はしているものの天窓は古かったりするケースも散見されます。
そのように天窓は住生活のなかに溶け込んでいる一方、マイナーな面もあるため『気にもとめない・気が付かない→でも雨染みは嫌だ→どこに相談したらいいかわからない』といった”いきどころのない悩み”も存在しています。潜在的な悩みに対し誰もいままで解決策を提供できていないのも現状です。
通常の補修といえば、屋根屋さんが雨漏りしていそうな箇所をコーキングするのが一般的ですが、恒久的に解決するには天窓をまるごと交換するしかないと考えています。
弊社からの技術的情報が不案内であることも痛感しており、今後マニュアルを整備し、必要であれば弊社スタッフも可能な限り現地に赴きサポートも行ってゆきます。
天窓交換だけの促進ではなく、屋根リフォームといった住空間向上のきっかけとして、天窓交換を活用くださればと思います。」
お得情報 : 天窓交換したい方へ、最新天窓プレゼント!(2名様)
なお今回、建材ダイジェストでは日本べルックス社のご協賛のもと、古い天窓との交換目的で計2名様にベルックス社製天窓を無料プレゼントします!
ご自宅に古い天窓があり、雨漏りが心配な方など、ぜひこの機会にご応募ください。詳細はこちらのページからご覧ください。
まとめ
- 昔と今とで天窓性能が格段にUPしていること
- 雨漏りする原因には経年劣化もあれば、施工不備も残念ながらあるということ
- ただ、今の天窓は施工不備がそもそも起こりにくい製品仕様になっていること
です。天窓をつけたいけども、雨漏りしないか不安な方の後押しとなればと幸いです。
「こんなことも聞いてみて~」ということありましたら、FBコメント・メッセージ等でリクエストください~。
▼日本ベルックス – 北欧デンマーク生まれの天窓 (トップライト) 専門メーカー。世界中の住まいに、光と風を。そして夢をカタチに。
http://www.velux.co.jp/
参考 : 天窓以外で採光・採風する方法もあります
もし「家の中を明るくしたい」という採光理由から天窓を検討しているのであれば、他の方法に目を向けてみることも重要です。
たとえば2階の吹き抜け床やバルコニー床に使える「FRPグレーチング」を利用する方法や、
耐力壁としても使えつつ採光・採風も期待できる「透光型耐力壁パンチくん」といった建材もあります。
こういった方法を利用することで、天窓の効果も倍増しそうですよね!