DAIKENにインタビューして分かった! 事業の根底に流れる「限りある資源の最大活用」
前回記事ではDAIKENのショールームで見つけた「バリアフリーにさりげなく備える商品5選」を紹介しました。今回はインタビューしてわかった、「限りある資源を最大活用する」ものづくりについて迫ります!
捨てられるはずの木材を利用した「インシュレーションボード」
戦後1945年に創業し、昨年70年の節目を迎えた大建工業さん(富山県南砺市)。戦時下で鉄が無くなり木材を活用しなければならなくなった背景から、「限りある資源を、徹底的に無駄なく使う」という思いが受け継がれています。
その一つが木のチップからつくった「インシュレーションボード」。製造を開始したのは1959年。歴史が長いですね!
「製造前は主に強度と耐水性を付加した合板を取り扱っていました。合板製造にはそもそも良質な木が必要ですが、当時の業界全体の課題として、製造工程中に木芯といった端材が多く発生していました。そこで、それらの端材を繊維状にして板化する『木質繊維板』として創り変えたのがこの『インシュレーションボード』です。省エネ・エコと叫ばれるそれ以前の昭和30年代から、この精神が事業の根底に受け継がれています。」(大建工業株式会社 小林さん)
インシュレーションボードは、畳や養生ボード、断熱壁の下地材に使われています。そしてとても軽い!
インシュレーションボードと同じく、廃材を使って開発したMDFも見せていただきました。ホームセンターでも良く見かけるくらい一般的になってきていますね。固く、ドア等建具の基材に使用されています。
製鉄時の副産物スラグを使った「ダイロートン」
「スラグを高熱で溶かしてまわすと、綿菓子のように繊維がとれるんです。それを板にしたのが、天井材です。ちょうど天井に使われていますね。」(小林さん)
大阪ショールームの天井もダイロートン。鉱物が原料なので防火性に特化しています。日本のビル4割の天井材がダイロートンなんですって!ということは皆さんもどこかで見かけている可能性ありますね。
材 質 | ロックウール(岩綿) |
価 格 | 4,300円〜15,200円/梱 |
サイズ | 厚さ15mm、幅300~450mm、長さ1200~3000mmまで |
納 期 | 受注より工場出荷まで30日 |
受 注 | 1品種300m2から |
「ダイロートン」についてはこちら →http://www.daiken.jp/b/tenjo/15_051.html
邪魔者扱いの火山灰から生まれた「ダイライト」
最後は、火山灰を建材にした世界的に見ても前例のない製品「ダイライト」。火山灰というと噴火時に降り積もって稲作に影響が出るなど、悪い印象があります。でもそんな「邪魔者」に目をつけ、製品化したのが当製品。
「正式名称は、火山性ガラス質複層板です。実際持ってみると軽いですよ。3層構造になっていて、サンドイッチに例えるならパンの部分がロックウール、中の具の部分が火山灰です。」(小林さん)
防火性の特性もあることから、主に木造住宅用の耐力壁として販売されています。
商品名 | ダイライトMS |
価 格 | 3,860円〜9,630円/枚 |
サイズ | 幅910・960・1,000mm、長さ2,420・2,730・3,030mm |
重 量 | 14.9kg〜27.3kg |
「ダイライト」についてはこちら →http://www.daiken.jp/b/taishin/16_001.html
価値があるかないかは、自分たちが決めているだけ
廃材は私たちが勝手にもう使えない、と決めつけているだけだと気づきました。使いようによっては素晴らしい建材に生まれ変わる可能性を秘めています。廃材・端材でさえ、見方を変えれば価値あるもの。「限りある資源を、徹底的に無駄なく使う」。これが大建工業スピリットだと気付かされたました!大建工業さん、ありがとうございました!