あの”デザインコンクリート”の施工方法を取材してきた!【前編】

先日ご紹介したデザインコンクリートまるで本物の石・レンガ・木のように仕上げられる特殊造形モルタル商品・技術でしたね。

でも、実際にどうやって施工すればいいのでしょうか…?

そこで今回はデザインコンクリートの施工方法を実際に学べる学校「C&Cフィニッシングアカデミー」を取材してきました!

  • デザインコンクリートをできるようになりたい!
  • お施主のこだわりに応えられるようになりたい!!
  • 職人として、新しい技を習得し成長したい!!!

そんな左官職人・塗装業者の方々にぜひ読んで頂ければ幸いです。
それではまいりましょう!

デザインコンクリートを学べる学校とは?


今回の取材先は「C&Cフィニッシングアカデミー」。株式会社カントリーベースと株式会社カラーワークスが共同設立した学校で、場所は東京都江東区にあります。計5日間のカリキュラムで、今回は1日目に密着しました。

【受講内容】

  • デザインコンクリートの施工習得(2日間 : 株式会社カントリーベース担当)
  • デコレイティブペイント(2日間 : 株式会社カラーワークス担当)
  • セールス研修・マーケティング(4時間)
  • カラー研修(4時間)


受講者は左官職人・塗装業者の方が多く、最大8名までの少人数制。この日は千葉県から福岡県まで全6名が参加し「塗装職人」「建設会社」「左官職人」「雑貨店長」「塗料販売店」といった職業の方々です。

デザインコンクリートの施工方法は?


本日の講師は樋口さんです、よろしくお願いします!

施工の流れは?

施工の流れは次の通りです。

施工の流れ

  1. 防水シート貼る
  2. ラスを留める
  3. 下地用モルタルを攪拌&塗る&くしびき
  4. 造形用モルタルを攪拌&塗る
  5. 削る、彫る
  6. 塗装

1. 下地に防水シートを貼る


通称「ブラックペーパー」と呼ばれる防水シートを下地に貼り付けていきます。下地は構造用合板がおすすめ。リノベーション等の場合は発泡スチロール、石膏ボード、ビニールクロスの上でもOKです。

2. 専用ラスを留めていく


次に「ラス」と呼ばれる専用の網をインパクトドライバーでぱすんっ!ぱすんっ!と、上下左右15cm間隔に留めていきます。


ラスには「おへそ」があり、これによって下地との間に隙間ができ、後から塗るモルタルが流れこみくっつきやすくなります。出隅にも曲げて貼れます。なお板金バサミで切れますが、相当硬いです。

3. 下地用のモルタルを攪拌&塗る&くしびき


下地用のモルタルを攪拌し、


ラスの上からドバーッと塗りつけていきます。攪拌後15分くらいで固まるので養生期間は不要。夏はさらに早く固まるので水を若干多めにしたり、日当たりを避け日陰に置くなど工夫が必要。約30分遅く固まる「遅延材」もあり、夏は2袋入れたり、冬で乾きが心配な時は半分にしたりするそうです。


(ちなみに教室全体はこんな感じ。コテとラスがこすれるサーッ、サーッという音が響いています)


固まる前に「くしびき」を行います。表面をギザギザにし、上塗りする「造形モルタル」がくっつきやすいよう引っ掛かりを作ります。

4. 造形モルタルの攪拌&塗る

次に造形モルタルを塗りつけていきます。


塗る前に「どの箇所を木にする?石にする?」といったイメージを紙と鉛筆で描きます。ゴールを明確にしておき、迷わないようにすることが目的です。


それを元にチョークで実際に下書きします(割り付け)。レンガは約1cmの塗り厚、石は2.5cmというように、再現するモノによって厚みが違うため、木にする箇所は「木」というように書きます。
接着剤&クラック防止の役割を果たす「プライマー」を吹き付けて完全乾燥後、「造形モルタル」を塗りつけていきます。


「塗る」というより「のせる」というイメージで、初めのうちは塗る瞬間に想像する量の約2~3倍厚く塗ると丁度いいそう。私もこんな間近で見たことなかったのですが、これまで薄く均一に塗るのが難しいと思っていました。厚く塗るのも材料がのらないから難しいとこれでわかった!!


石にしたい箇所は材料を投げます!投げてぶつけることで、厚みを出しつつ自然なテクスチャーを出すことができます。

そして一通り塗り終えた後、模様をつけていきます。簡単に木目を再現できる「スタンプ」や、ころころ転がし岩肌にする「ローラー」もあります。施工面とツールの両方にリリーサー(剥離剤)をつけてペタペタ、コロコロしていけば自然な風合いがつきます。中には「木の節」をつけられるスタンプもあったりします。


そうしていくうちに最終的にこんな感じになりました。ここから約2時間後「削る」「彫る」作業に移り、それぞれのマテリアルの風合いを表現していきます。

ここからは「5. 削る・彫る」「6. 着色」の工程に入っていきます。ここからが腕の見せ所です。

ちょっと長くなりましたので、続きは後編をご覧ください!

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