あの”デザインコンクリート”の施工方法を取材してきた!【後編】
前編に引き続きデザインコンクリートの施工方法をレポします!
施工の流れ
施工の流れを復習しておきましょう。おおまかに6工程あり、今回は「5.削る、彫る」からです。
5. 削る、彫る
実はここからが腕の見せ所。
「カービングツール」を使い、素材どうしの境目をはっきりさせます(上の写真は木とレンガの取り合い部分に線を引いています)。下地まで線を引っ張ります。厚い箇所は深く線を引いてあげるだけで、本物っぽく奥行きがあるように見えてきます。
古木っぽくみせる方法として「ブラシ」もあります。木は水を吸う木口から傷むことが多いので、木口をところどころ落としながら撫でることでリアルっぽさを出していきます。
石を削るコツとして、くっつきあうAとBの石がある場合、AはそのままでBだけ削るといい感じになります。この場合、Aは無傷なのがポイント。
色が白くなってきたら完全乾燥の合図で、いよいよ最後の工程「着色」です。ここまでが1日目のカリキュラムとなります。
6. 着色(2日目)
ここからは2日目のカリキュラムです。
専用塗料を3色重ね塗りしていきます。霧吹きでぼかしたり刷毛でなじませていったり塗り続けていくと…
完成品は持ち帰ることできます。サンプルとしてお施主に提案するツールとして使えますし、また何よりもご自身の勲章だと思います。色のラインナップは約20種類用意してあります。
備考 : 床用のデザインコンクリートもある!
デザインコンクリートは全4種類あって、当日は同時並行で進めています。今回主にご紹介したのは「1.壁/カンテラ」ですが、その乾燥中に「2.床/オーバーレイ」を施工するなどタイムスケジュールは工夫されています。当日は「2」と「3」の施工方法も学びます。
- 壁/カンテラ(今回の記事)
- 床/オーバーレイ
- 床/MPC
- 床/生コン一発
床/オーバーレイ
「2.床/オーバーレイ」は石積みの玄関ポーチに仕上げられる床用デザインコンクリートです。
完成形はこちら。木目、天然石、レンガ、スクエア石(アシュラー)の4パターンに施工できます。
床/MPC
「3. 床/MPC」はペンキと比べて耐久性・耐候性が桁違いに高い床用デザインコンクリートです。成分のほとんどが「ポリマー」で収縮・耐衝撃性に優れているので、ハイヒールでカツカツ踏まれても大丈夫。
厚みはクレジットカード1枚分(1~2mm)なので、建具の開け閉めに緩衝するリスクも少ないですね。トップコートを施工すれば耐候性も上がり、室外床でも問題なく使えます。ステンシルとの相性もよく、ペンキと比べがりがり削っても剝がれにくいです。バイクガレージや飲食店の室内床によく使われているそうです。
まとめ
「最近では事務所リノベ(=従業員の働く環境を良くしたいと思っている経営者が増えている)の施工が増えたり、『玄関に入ったシューズクロークをこの写真のようにしたい』といった、より直接的で具体的なご要望が増えています。インスタグラムやピンタレストでおしゃれな画像を簡単に見れる時代になり、お施主がそれをもってくると『壁紙貼りましょう』ともなかなか言い出しにくいですよね…。そういうときにデザインコンクリートの出番がきます」と講師の樋口さん。
私も参加してみて、
- お施主も一緒に楽しめる
- 完成形を明確にしておかないと、キリがない
- 美術部の学生や、店舗まわりの装飾デザイナーも学べる
と感じましたし、こういった手法を施主・施工側の双方に知ってもらいたいと思います。ぜひ受講してみてはいかがでしょうか。
なお今後の受講スケジュールは次の通りです(3,4月は満員御礼)。
【5月スケジュール】
- 5/23(火)-24(水)デザインコンクリート講習
- 5/25(木)-26(金)デコレイティブペイント講習
- 5/27(土)営業・カラー講習
【6月スケジュール】
- 6/15(木)-16(金)デザインコンクリート講習
- 6/22(木)- 23(金)テクスチャーペイント講習
- 6/24(土)営業・カラー講習
【7月スケジュール】
- 7/20(木)-21(金)デザインコンクリート講習
- 7/27(木)-28(金)テクスチャーペイント講習
- 7/29(土)営業・カラー講習
5日間の研修を終えると、卒業証書も!
取材でご一緒させて頂いた皆さん、ご卒業おめでとうございます!