砂浜に敷き詰められた木材、その目的とは??
突然ですが、砂浜に木の板が敷き詰められる光景、見たことありますか?
木材を砂浜に並べるって、あまり見たことありませんよね。気になったのでさっそく聞いてみました。
有限会社 平田木材店
http://www.hirata-wood.co.jp/
場所は福井県高浜町
調べていくと、この場所は福井県高浜町にある「若狭和田ビーチ」だとわかりました。関西圏や中京圏の方々が訪れる人気ビーチのひとつで、2016年にアジア初の「ブルーフラッグ(Blue Flag)」を取得しています。
あまり聞き慣れない言葉ですが、実は優れたビーチやマリーナを認める世界的な取り組みです。約50か国、約4,000ヵ所が取得しており、日本国内ではここと鎌倉市の由比ヶ浜の2つのみ。「地域の財産である美しい海を世界水準の品質で守りながら、より多くの人に知ってもらいたい」という思いから、高浜町役場・地元のみなさん・企業が一丸となって取得したそうです。
引用元 : BLUE FLAG TAKAHAMA
引用日 : 2017年4月18日
ライフセーバーの配置・トイレの清掃・ペットの連れ込みルールなど、清潔性や安全性といった大きく4つの観点から厳しくチェックされるそうです。
そのひとつに「人にやさしい海」があり、車椅子の方が波打ち際に行って楽しめるバリアフリーな環境づくりが課題になりました。そこで考え出されたのが”ウッドロード”。車椅子で砂浜を走ろうとすると車輪が空回りして、なかなか前に進みません。そんななか「木材を敷き詰めて、木の道を作ってみてはどうか?」というアイディアが実現されました。
- ライフセーバーの救助活動がスムーズになる(患者を乗せたストレッチャーを運びやすい)
- 砂が熱くて歩けない子供たちも、足裏ヤケドすることなく海まで行ける
引用元 : 【WEB限定記事】BEACH WEDDING in TAKAHAMA | HONEY(ハニー)
引用日 : 2017年4月18日
最近ではウェディングロードとしても活躍するなど、広がりを見せています。手作り感があたたかく、とても素敵ですよね。
地域の景色を、地域の木材で
砂浜に敷き詰められた木材は地元の「京若狭材」。京若狭材とは、福井県若狭地方から京都府北部エリアで生産された、杉・ひのきなどの国産材です。「地域の景色をつくるのは、地域の素材でありたい」と同地域の平田木材店は京若狭材のPRに力を入れています。
多くの公共工事にも「京若狭材」が使われています。上の写真は高浜町庁舎と公民館の共有エントランスですが、京若狭材の中でも高浜町から指定された「福井県産材」を納材した事例です。
こちらは戸建て住宅につかわれた事例です。プレカットで無く、手刻みの伝統工法の建築です。
天井を見上げるとこんな感じです。力強くも優しい、そんな印象を受けます。素材と技術の相性の良さを感じますよね。美しいなぁ。
まとめ
平田木材店の平田社長は言います、「私たちは京都北部の京北と福井県の若狭にまたがる京若狭材を昔から使っています。冷涼な気候で、締まった木である点が特徴だからです。ただこの京若狭材と言う言葉、聞いたことないと思います。それは私たちが作った言葉だからです。”京都府材”や”福井県産材”といった○○県産材といった言葉はよく使われますが、そういった括りは行政上線を引かれた呼び名にすぎず、京若狭という地域としてブランド化することの方が重要だと考えています。これまで私たち自身が良さに気づいていなかったり伝える努力が不足していたりと、反省する点が多々ありましたが、県を超えた地域の財産としてきちんとPRしていきたい想いです」
県単位ではなく、地域単位で素材を知ることが大切だと私も気づかせて頂きました。
この建材のポイント
オススメなのは? | 地域のストーリーに共感する方 |
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一番の強みは? | 杉・ひのきの両方採れる |