40種類ある階段専門ショールームを見学して、思わぬことがわかった
以前からリビング階段について紹介してきました。
でも実物を見れる機会って、なかなか貴重ですよね。
カタログや写真で知れる情報には限界がありますし、どこか実際に見れる場所がないかと探していたところ、約40個の階段を見れる専門ショールームを見つけました。
- 近づいて見るとどんな感じなのか?(遠くで見るのと違う?)
- 実際に歩くとどんな感じなのか?(歩きにくくない?)
- 注目したいポイントは?
さっそく確かめに見学してきました。
そもそも階段専門のショールームとは?
今回、埼玉県児玉郡にあるカツデンアーキテック株式会社のショールームを見学してきました。実際に手すりをつかみながら昇り降りでき、プロユーザーに加え一般の方も多く来訪されるショールームです。さっそく足を踏み入れてみます。
右には螺旋階段がならんでいました。ひとつの空間でこんなにたくさんの階段を見れる場所は貴重ですよね。当日は社員の方に付き添っていただいのたですが取材して驚いたのが、細部へのこだわりが散りばめられていることでした。
1. シースルーだからこそ、踏み板裏の見え方にこだわる
こちらは踏み板を逆さまにした模型です(階段裏に回って下から上を見上げた感じ)。全部で5つの踏み板がついていて、それぞれ当時の仕様でつけられて展示されています。
左が発売初期のつけ方(2004年6月)で、右が半年後のものです。ねじの力強さやプレートの厚みがたしかに主張していますね。その後いろいろ改良を重ねた結果、
ねじ頭が平らなトルクスボルトを用い、ビート(溶接痕)が出ないよう木製踏板の角を斜めにカットしています。カットして生まれるスペースにビートを逃がし、よりスタイリッシュに見せています。
リビング階段のように階段裏も人目につく機会が増える中、このような細部へのこだわりに対する情熱をものすごく感じました。
2. 手すりの持ち方にこだわる
今度はこちらの階段を見てみましょう。手すりをよ~く見ると段違いのレールが2本走っています。これは
下段は子供が握れるよう設計されています(こちらの補助手すりはオプション)。手すり支柱の隙間にはパネル(アクリルまたは強化ガラス)がはまっており転落防止にも貢献しています。パネルは照明によって輝きも増すとのことで人気だそうです。
ちなみにそれでもご不安な場合、お子様が小さいときは転落防止用の後付けネットを貼る方法も。過去に記事にしていますので、ご一読ください。
また握ったときに「冷たっ!」とならないよう、笠木には木製カバーを採用。リビングが冷える冬の寒い季節には重宝しますね。縦格子タイプの手すり以外はオプションです。
手すりそのものは粉末塗装のスチール製で、アルミと比べ見た目がググッと引き締まる印象。手すりは階段の片側・両側のどちらにも壁の有無にかかわらず設置可能です。
3. 手すり側面の見た目にもこだわる
ささら桁と手すりの取り合い部分もフォルムに重要に関わってきます。
こちらはその変遷がわかる模型です。右から左へ新しい順になっており、
過去の仕様はこちら。まるで設備のようにゴツゴツしてます。転んだ際にねじや出っ張りに触れると危なそうです。
最新の仕様がこちら。スタイリッシュでシュッとしています。取り合い箇所も2つから1つへ削減。
まとめ
遠目ではわからないけれども近くで見て初めて分かる(=住んでみて初めて分かる)細部へのこだわりが数多くありました。それらの積み重ねによって全体的なフォルムが完成するということ、また今のフォルムが決して完成形ではないということを学ばさせて頂きました。
「微差が大差をうむ」
そんな言葉を思い出しました。階段の裏側の見え方など、普段目につかない場所のデザインも、階段選びのヒントにぜひお役立てください。ショールーム見学はこちらの予約ページからできます。