木材12産地の物語を伝える「Club プレミアム 国産材」
木材って身近なようで意外と”遠い存在”だと感じたことはありませんか?
例えば私は、次のように感じています。
- どこに産地があるか知らない
- 産地による木材の違いがよくわからない(○○県産の杉と△△県産の杉では何がどう違うの?)
- 杉・ヒノキ・松といった樹種の違いがよくわからない
- 木材を知る機会が少ない
- ほとんどの人が、自宅に何の木材が使われているか知らない
でも木材は日本古来の建材であり、日本で暮らす以上切っても切り離せない素材ですよね。私は家を建てる時に「○○県産のヒノキがいいです!」と胸張って言えるようになりたいと思っています。
そんななか全国12産地の木材の魅力を伝える「Clubプレミアム国産材」を見つけました!
ワインのような多様性を、木材にも見出す
「Clubプレミアム国産材」は全国12産地の製材メーカーがタッグを組んで立ち上げた共通ブランドです(株式会社古川ちいきの総合研究所が事務局)。「日本には、まるで欧州のワインのように、その生まれ育った『土地』の名を冠した木材があり、その多様性に目を向けて価値を伝えていくこと」がコンセプト。日本の豊かさを感じられる暮らしを木材を通して提案しています。
ちなみに現在のメンバーは次の通りです。
ここからは一社ずつみていきましょう!
1. ㈱西粟倉・森の学校【岡山西粟倉】
岡山県西粟倉村から国産材を身近に感じられる木材製品を提供しています。人口1,500人に満たない場所に、移住者が150人を超え、「トキメクような森の未来の物語」を全国に発信している会社です。
製品には賃貸でも置くだけで無垢床にできる「ユカハリ・タイル」やテープを剥がすだけで無垢の壁をつくれる「カベハリ」があります。過去に建材ダイジェストでも記事にしていますので、こちらもご覧ください。
2. 影山木材㈱【富士山麓】
静岡県は一年を通して温暖な気候で雪も少ないために素直な木が育ち、富士山麓にはヒノキの美林が広がっています。
そのヒノキを生かし、「Ur(ユーアール)」という特殊なフックで収納や棚を付けてカスタマイズできるヒノキの壁材も展開しています。
よければこちらの記事もご覧ください。
3. ㈱山共【岐阜東白川】
岐阜県は全国2位の森林率で古くからヒノキ・杉の産地となっており、特に東農地方のヒノキは伊勢神宮の式年遷宮にも使われています。同社の1年かけてじっくり天日で干した「天然乾燥材」は色艶・粘りが特長の木材です。乾燥にも「天然乾燥」と「人工乾燥」があるんですね~。どのような違いがあるのか、気になるところですね…!
天然乾燥と人工乾燥の違いについてはこちらの記事をご覧ください。
4. 竹下木材㈲【石見出雲】
島根県は東北と並ぶ国産「地松」の産地で、竹下木材店は中国山地から選りすぐりの木を提供しています。「古くから日本の住宅や建物の梁材は松が支えてきた文化があり、経年変化の味わいは国産材の松にしかない良さがあります。島根県や山陰地方は松どころで、お寺などでも松を使っているところはすごく多いです」と竹下社長。島根県内外の寺社仏閣や重要文化財への納入実績をもとに丹精込めた質の高い地松を大切に届けておられる熱い想いがひしひしと伝わってきます。
松について解説したこちらの記事もぜひご覧ください。
5. ばうむ合同会社【土佐嶺北】
高知県の北端、四国の真ん中「嶺北」に位置する同社。美しい川や渓谷に囲まれて登山・ハイキングも楽しめます。上記製品は、あえて塗装を施さず、1つ1つ表情が違う木目を楽しめる「木製コースター」。木製インテリアがお好きな方や贈答品・販促品としても人気のようです。
6. 一般社団法人吉野かわかみ社中【吉野川上】
日本最古と言われる林業がある奈良県吉野郡川上村では「吉野杉」が多く産出されています。200年級の吉野杉の貴重な赤柾部分を利用した「二百年の扉」やリビングダイニングがより広く見える150mm幅広のフローリングを販売しています。
二百年の扉についてはこちらもご覧ください。
7. 高野山寺領森林組合【高野山】
標高約800mの高野山の金剛峯寺が所有する森林から産出される木は「高野霊木」とされ、床柱や大黒柱など暮らしのシンボルとして採用されています。同組合は1200年の歴史ある森林の育成・管理を行っています。
こちらの記事もよければご覧ください。
8. ソマミチ【信州松本】
上高地や乗鞍岳といった、雄大な自然に囲まれた信州松本平にはカラマツ・アカマツが育ちます。信州の高冷地で育った強さを生かした外壁材「カラマツT&Tパネル(TM)」は、木裏と木表を交互に施工することで反りを軽減し、経年変化も楽しめます。ちなみに「ソマミチ」とは「杣道」と書き、何世代にもわたって林業者たちが通う道のこと。
カラマツもいろいろ調べると、おもしろい素材です。ぜひこちらの記事も是非ご覧ください。
9. 飛騨五木㈱ 【飛騨高山】
岐阜県高山市は、実は日本一の森林面積!高山市の93%は森林で大阪府とほぼ同じ面積(235,000ha)だそうです。飛騨地方で昔から使われてきた木に「飛騨五木(ひだごぼく)=ヒノキ・杉・姫子松・ケヤキ・栗」があり、「飛騨の匠」と呼ばれる建築・木工技術集団も生まれています。上記は本来はヒノキで作られる「枡(ます)」を飛騨五木で作った「めでた枡」という製品です。
最近ではアパートのお部屋を飛騨五木をつかってリノベーションも人気です。
10. 木原木材店【兵庫播州】
兵庫県多可町にある円柱材加工を手掛ける木材店です。丸太の直径が14cm未満の小径木(しょうけいぼく)から直径60cmまで加工できる関西有数の加工場です。公園やお店の内装、体験型野外施設にも使われています。
こちらの記事もご覧ください。
11. 岩泉の明日の林業をつくる会【岩手岩泉】
岩手県岩泉町の森林面積は92,185haと、岐阜県高山市には及びませんが同じ93%を占めています。「岩泉の明日の林業をつくる会」は町役場に事務局があり、カラマツ・アカマツを主要とした針葉樹林に加え、多様性に富んだ広葉樹林が合わさりFSC(森林認証)を取得している点に特長があります。最近では「1. 株式会社 西粟倉・森の学校」とコラボし、岩泉町産の広葉樹でユカハリをつくる計画が進んでいます。西粟倉村には広葉樹はほとんどないため、ここでシナジーが生まれているんですね!
5つの広葉樹を1枚の無垢床にした製品開発も行っていますよ!
12. ㈲平田木材店【福井高浜】
京都と若狭を結ぶ福井県高浜町には、海辺の製材所「平田木材店」があります。京都北部と福井若狭の木材をブレンドした「京若狭材」を製材。ブドウの品種をブレンドしてワインを作るように、木材にもブレンドがあるのは知らなかったですね~。
砂浜になぜ敷き詰めているのか、その理由についてはこちらをご覧ください。
まとめ : 3月29日(水)大阪に全12社が集まります
全国各地に特色の持った木材ならびに製材メーカーがあることがわかりましたね。
来週2017年3月29日(水)に今回掲載した全12社が集まる「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」が大阪にて開催されます(入場無料、10 : 00~17 : 00、会場 : 大阪市中央区高麗橋3-1-8カルボ高麗橋ビル
工務店・設計士といったプロユーザーはもちろんのこと、
- なんとなく木が好き!
- 木の違いがわかる男(女)になりたい!
- 実は”木材コンシェルジュ”目指してる!
といった方も、木材に特化した展示会は貴重です、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。