フローリングの張り替え方法は2種類!その方法とリフォーム費用、DIYオススメ建材を紹介
※2018年11月6日更新
―記事の要約―
- フローリングの張替え方法はおおきく2種類(剥がして張る・重ね貼り)
- フローリングの張替え時期の目安は15~20年といわれている
- DIY製品も登場している
家の掃除をしていると、「あ〜、フローリング傷だらけだな〜。汚れもなかなか取れないし。」なんて感じている方も多いのではないでしょうか。
家族が歩くだけならフローリングに傷がついたり汚れたりしないのかもしれませんが、椅子を引きずったり、重いものを落としたり、食べ物をこぼしたりすることによって年々劣化していきます。
家に住んでいれば、フローリングを歩かない日はないでしょう。それくらい毎日摩耗する建材のため、経年劣化は避けられません。傷や汚れだけならまだしも、歩くことを躊躇するほどの症状が現れる場合も…。
そんなフローリング、実は張り替えられます。今回はフローリングの張替え時期の目安から施工方法、おおよその費用までご紹介します。
フローリング張り替え時期の目安は15~20年といわれている
一般的に、家を建ててから15年ほどすると張り替え時期と言われています。お家の環境(温度、湿度など)にもよりますが、15年〜20年ほど経つと床の下地が傷んだりフローリング自体が変形したりするためです。
家を建ててから15年ほど経つと下記のような症状が現れてくることも多いようです。このような場合には張り替えを検討してみてもいいかもしれませんね。
歩くと床がきしむ
古いお家で、板張りの床を歩くと「ギシギシ」と音がなった経験はないでしょうか。それが「床のきしみ」と言われる症状です。
フローリングは木材で出来ていますよね。木を貼り合わせたようにして作られているのがフローリングです。フローリングの材質として使われている木材は、湿気によって伸縮・膨張する性質があります。そのため、部屋の湿度が原因で木材自体が変形してしまうんですね。
床にぴっちりと張られているフローリング。その1枚1枚が変形してゆくと、つなぎ目にずれが生じますよね。ずれた木材が互いに擦れ合う時、ギシギシときしみ音が発生するわけです。
「梅雨の時期だけ」といった具合に、季節性のものならば湿度変化が原因の可能性が高いので問題ないかもしれません。しかし、慢性的にギシギシときしむようであれば、そのフローリングは完全に変形している可能性が高いです。そのような場合は部分的な補修だけではなく、フローリングの張り替えが必要になる場合もあります。
また湿度変化による木材の変形だけではなく、床下がシロアリに食いつぶされてしまいギシギシと音がなっているケースもあります。きしみ音が気になるようであれば、一度リフォーム業者さんに相談してみるの手です。
床が沈む
床がギシギシときしむだけではなく、歩くたびにグッと床が沈み込む住宅もあるようです。
フローリングの一部分がブカブカと浮いているように感じたり、一箇所だけ歩くとグッと沈み込んだりします。これも先ほどのきしみと同様、湿気が原因となっているケースが多数あります。
しかし、沈み込みが起きている場合はきしみよりも劣化が激しく、床材自体が地面から剥がれてしまっている可能性もあります。フローリング材とその下の下地材が剥がれてしまい、フローリング自体が剥がれてしまっている状態です。
そうなってしまうと、床を部分的に補修するのは難しいんです。ブカブカしている床はどうしても全面的な張り替えが必要になります。
床がブカブカと浮いている、グッと沈み込む。そんな場合はフローリングの張り替えを検討しましょう。
フローリング張り替え工法は2種類
フローリングの張り替えはおおきく2種類。ここでは、フローリング張り替えの方法とそれぞれのおおよその費用感をご紹介します。
1. 床を剥がして新しく「張替え工法」
これは文字通り、フローリングの床を一度剥がしてから新しいフローリングを施工する方法です。
材質に関わらず費用は高くなりますが、一度床を全部剥がすので下地の状態を確認することもできます。下地の状態を確認できるので、新しく貼る時に床材の種類を変えることも可能です。
また、下地を確認する時にシロアリ被害を見つけることもあるそうで、見えない恐怖に怯えることも無くなりますね。
一般的には新築施工から10年ほど経っていてフローリングがひどく劣化している(きしみ、沈みが発生している)場合には、下地チェックも兼ねて張り替え工法で全張り替えを行うのがオススメです。
「張替え工法」の費用
会社により変わりますが、こういった情報が出ています。参考としてご活用ください。使用する材料によっても大きく差が出ます。
リビング(8帖) 10万円〜20万円 キッチン(4帖) 7万円〜14万円 トイレ(1帖) 3万円〜6万円 参照 : リフォマ
2. 今ある床の上から「重ね貼り工法」
「重ね貼り工法」という方法もあります。さきほどの「張替え工法」の場合、今の床は全部剥がしてから新しい床を施工します。しかし、「重ね貼り工法」では既存の床の上に新しいフローロングを重ねます。
「張替え工法」で床材を全部剥がすのには大規模な工事が必要ですし費用もかかります。しかし、「重ね貼り工法」であれば床を剥がす作業がないので、「張替え工法」に比べて安価にリフォームすることができます。また工期も短く、1部屋を1日かからず施工するケースもあります。
フローリングの張替えを検討されている原因が「傷や汚れ」である場合、「張替え工法」よりも「重ね貼り工法」の方がオススメです。
しかし、「重ね貼り工法」の場合は下地の確認ができないので、張り替えた後も下地が原因で床のきしみや沈みが発生するケースがあります。築10年以上のお家でフローリングの張り替えを検討されている場合は、一度工務店さんへ相談するといいかもしれませんね。
「重ね貼り工法」の費用
重ね貼り工法の場合、張替え工法に比べてゴミを処分する費用がかからないというのも安価に施工できる理由のようですね。
リビング(8帖) 8万円〜18万円 キッチン(4帖) 5万円〜10万円 トイレ(1帖) 2万円〜5万円 参照 : リフォマ
実際の重ね貼りの様子がわかる記事もありますので、ぜひご覧ください。サンゲツの「フロアタイル」という製品を使っています。
フローリングをDIYで張り替えするときの注意点
DIYで挑戦する選択肢もあります。しっかりと事前チェックを行えばDIYで楽しく家のリフォームができてしまうかもしれません。
ここではDIYをお考えの皆様に、DIYで張り替える時のチェックポイントをご紹介します。
床下の構造を確認する
DIYでフローリング張り替えを行う際、いきなり床を剥がし出す前に、床下の構造を確認したほうがよいです。フローリングはどこも同じように見えますが、実は床下構造に色々な種類があるんです。
鉄筋コンクリート作りの場合、モルタルの上に直接フローリングが貼ってある場合があります。それを「直貼り工法」と呼びます。
直貼り工法とは違い、床下に空間を作り合板などの下地が施工してある場合もあります。この場合は床材が2枚になる(合板+フローリング)ので「二重床工法」と言います。
床の作り方にはこのような種類があり、種類によって張り替え時の下地処理方法が変わってきます。DIYでフローリング張り替えを行う時には事前に床下状態をチェックしましょう。
床下の状態がわからない場合には、家を建ててくれた建築会社さん、もしくはハウスメーカーに確認するのが確実ですね。
新しいフローリング材の特徴を調べる
フローリングが汚れたから、傷ついたから、などフローリング張り替えの理由は様々でしょう。しかし、張り替える時には新しいフローリング材の特徴もしっかりと調べておきましょう。
フローリング材には、加工合板や無垢材など様々な種類があります。それぞれ、色の特徴や肌触りなども違いますし、好みが分かれるでしょう。
また、木材の材質によっては
- 凹みやすい
- 汚れが落ちにくい
- 変形、変色しやい
などの特徴があります。せっかく張り替えるんですから、そのようなトラブルがおきにくい材質を選びたいですよね。
木材そのものの特徴もありますが、フローリングのコーティング剤によってトラブルを防げる場合もあります。そのため、コーティング剤も確認しておくとトラブルを防げます。
貼る向きを考える
新しいフローリングを貼る時には、その向きにも注意しましょう。
一般的には、部屋の長い面(長方形として見た場合に、辺が長くなる向き)に沿ってフローリング板を貼っていきます。部屋の向きと同じように板の向きを揃えるようなイメージです。
これには、材料を無駄なく使用する目的と、部屋を広く見せる目的があるんです。
フローリングを貼った時、なるべく長い状態の板が敷き詰められている方が視覚的に部屋を広く認識します。そのため、部屋の長い辺に合わせて、木材の長さが取れるように貼り付けていくことがポイントです。
段差ができないように
フローリング材といっても、その厚さは様々。現在のフローリング材の厚みはどれくらいですか?
新しいフローリング材に張り替えようと考えているなら、その厚みはチェックしておきましょう。部屋のそれぞれの場所に段差が生じてしまうかもしれません。
また、今まで扉のレール等と大きな段差があった場合、フローリングの張り替えを機に段差を無くしてしまうといいかもしれませんね。フローリングのリフォームと同時にバリアフリー化も出来てしまいます。
張り替え工法で張り替えるのならまだしも、重ね貼り工法で上からフローリングを施工しようと思っているなら注意が必要です。厚みが増すことで、床と扉が干渉してしまうかもしれません。
気軽にフローリングを重ね貼りできる建材
DIYでの完全な張り替え工法(下地処理)はなかなか難しいかもしれません。しかし、自分で重ね貼り工法が簡単にできてしまう建材も販売されています。
置いてはめるだけの「イージーロックフローリング」
一般的にフローリングを施工するためには、床を固定するために釘とボンドを使用します。そのため、賃貸に住んでいる場合やテナントを借りている場合には床の張替えが難しくなりますね。
しかし、このイージーロックフローリングは釘やボンドを使用せずにフローリングが施工できる建材です。そのため、賃貸でも使用できますし気軽に天然木を楽しめます。
賃貸物件やレンタルオフィスを借りている方、イージーロックフローリングで新しいお部屋空間を作ってみませんか?気になる価格は
無塗装品 | 5,480円/m2 |
塗装品(UVウレタン塗装) | 5,980円/m2 |
8帖の部屋全体に施工したい場合、およそ8万円ほどで施工することができます。重ね貼り工法で施工するのであればDIYで可能ですし、フローリングを新調することを考えれば比較的お手軽かもしれません。
賃貸でも無垢フローリングにDIYできる「ユカハリタイル」
こちらも賃貸物件で使用できるように考えられたフローリング材です。
先ほどのイージーロックフローリングは細長い板状のフローリング材でしたが、こちらは四角いタイル状の形をしています。
そのため、一般的なフローリングとは少し変わった雰囲気に仕上げることができますし、部屋の一部分だけを施工することも可能です。賃貸でお子さんがいる家庭の場合、子供のおもちゃスペースに施工するのも効果的ですね。その金額は
ユカハリ・タイル ワリバシ(すぎ) | 16,416円/2m2 |
ユカハリ・タイル すぎ(無塗装) | 11,108円/2m2 |
ユカハリ・タイル ひのき(無塗装) | 13,166円/2m2 |
8帖の部屋全体に施工する場合、ユカハリ・タイル すぎ(無塗装)であれば8万円弱で施工することができます。イージーロックフローリングと同じような価格帯で施工することができますが、こちらはパネルです。そのため、部屋の一部だけに施工する場合は段差隠しのスロープが必要です。
フローリングを張り替えずに、きれいにする選択肢も!
ここまでフローリングのDIYについて書きましたが、こちらは「マイスターコーティング」という、プロによる施工サービス。床を一度綺麗に掃除して、それからコーティング剤を塗ります。
床の状態や床材の種類を事前に調査することで、個々のフローリングに適した施工内容を提案。綺麗・滑りにくい・傷つきにくいの3拍子揃ったフローリングに生まれ変わります。
特に室内犬を飼っている場合、わんこがフローリングの滑りで関節炎になることを防いでくれますよ。
▼マイスターコーティングについては、こちらの記事をご覧ください。コーティングの種類や施工の流れなど詳しくご紹介しています。
「拭き漆(ふきうるし)」という選択肢も
※2018年11月6日追記
「拭き漆」という選択肢もあります。
木目の美しさを最高に引き立て、使い続けるほど深みと耐久性が増す、最高級の床仕上げです。
お値段は高めですが、何世代にもわたり使い続けられる床となります。
詳しくはこちらの3記事を順にご覧ください。
▼参考記事 : 【漆#1】時が経つ楽しみ、拭き漆(ふきうるし)
▼参考記事 : 【漆#2】職人技の拭き漆、室内空間に極上を。
▼参考記事 : 最高級の床仕上げ、漆職人による拭き漆施工の手順
フローリング張り替えはプロに相談
一見、大掛かりな作業に思えるフローリングの張替え。実は重ね貼り工法であればDIYでも比較的簡単に施工可能なんですね。
しかし、経年劣化し下地自体がボロボロになっているケースもあるので、フローリングの張替えを検討する際には一度プロ(リフォーム会社、工務店など)に相談するのが確実でしょう。
フローリング張り替えは、その素材によって金額もまちまちですので床材選びも慎重に。気に入ったフローリング材を見つけて、新しく気持ちのいい部屋を作りたいですね。