【コーカイ日誌 : 第15話】外壁の窯業系サイディング、まだ築10年なのに…
前回の第14話に引き続き築10年のKさん宅からお届けします。
「家を建ててから10年も経ったんだなあって、この外壁の傷み具合を見ると感じますね。ほかの箇所はそんな時間の流れを感じることなく快適さを実感するばかりの日々ですが、外壁は…。このまま放っておいても良くはならないでしょうし、いずれ補修しないといけないよねと二人で話をしてるんです。」
そんな奥さんのコメントにもあるようにKさんのお家の外壁サイディングは少しずつ剥離が始まっているようです。
「家の周りにまだほかの家が建っていないので、雨風がダイレクトにあたりそれが原因かなと思いますが、もう少し長持ちしてくれると良かったって思ってます。このタイプだと、結構修理費かかるらしいので、ほんとどうしようかって感じです。そこだけ剥がしてすぐ張り替えできるなら、DIY好きの主人がやっちゃうんでしょうけど、それも無理みたいですし…」
現在小学生のお子さんのこれからのこともあって、何かと経済的負担がかかる時期であることもご夫婦の悩みのタネとなっている感じで、「しばらく今の状態で様子を見ながら対応します」とのことでした。
今回の気づき : 外壁材は見た目に加え、寿命・メンテナンスコストも抑えておく
新築木造系の場合、外壁材の選択肢はいくつかあります。昔ながらの漆喰壁や板張り仕上げも最近では少しずつ復活してはいるようですが、現在の主流はサイディング張りと呼ばれるスタイルのよう。
サイディング張りは断熱効果などの機能性が高くメーカーからも各種の製品がラインナップされています。サイディングと呼ばれる外壁材にも、大きく分けて金属系、木質系、樹脂系とあり何を選ぶかはそれぞれの特徴を十分に理解して選ぶ必要があります。
もちろんコストの違いもありますが、メンテナンス時期やメンテナンスのコストも違ってきます。
設計時に説明をうけると思いますが、「10年後」「20年後」とその時言われても実際これから建てる方々にとって「それはまだ先のこと」と感じて考えない方も多いのではないでしょうか。
外壁リフォーム時に「まだ建てて新しいはずなのに」とおっしゃるお施主も多いそうで、新築からの10年間は実はあっという間と耳にします。今回のKさん家のように、ほかのところはまだまだ快適で古さを感じないのに外壁だけ傷み始めるという声が多いのも事実のよう。
外壁は家の中で一番過酷な環境にさらされていることを理解し、そのために何が大切でどういう風にしていくかを最初に構想しておくことが大事です。
「建てて終わり」ではなく、家も家族とともに成長・変化していくものだと気づかされます。外壁の在り方・選び方にもその視点を盛り込んでいるか、重要だといえるでしょう。
漆喰といった塗り壁材にもひび割れリスクがありますが、補修できるメリットも。
過去にいろいろな外壁材も記事にしていますので、ぜひご覧ください。
①瓦の外壁材
②焼き杉の外壁材
③カラマツの外壁材
④塗り壁の外壁材
参考 : 今回のお家
家族構成
Kさん(40歳)、奥さん、小学生のお子さん2人の4人暮らし
建物
- 築年数 : 約10年
- 坪数 : 約30坪
- 在来工法、ソーラーシステム