ペアガラスなのに6.2ミリと超薄い!サッシ交換不要の日本板硝子「スペーシア」
窓のガラスだけを取り替えて、家を暖かくできる「スペーシア」を知っていますか?2枚のガラスの間が真空になっているので薄いのに高い断熱性能があり、既存のサッシに入るので1枚30分ほどの簡単リフォームができます。
真空ガラス スペーシア -窓ガラスの断熱・結露対策に- 日本板硝子株式会社
http://shinku-glass.jp/
1. 薄さ6.2ミリで、一般的なガラスの約4倍の断熱性
通常の住宅に使われている単板ガラス(一枚板のガラス)の厚みが5ミリで、「スペーシア」の厚みは6.2ミリです。ガラスが嵌め込まれているサッシの厚みは9ミリか11ミリなので、「スペーシア」ならガラスだけを入れ替えられます。ところが一般的な複層ガラス(ペアガラス)の厚みは12ミリなので入れることができません。
1-1. 真空の層は0.2ミリ
「スペーシア」は3ミリ厚のガラスが2枚に、間の真空の層が0.2ミリなので合わせて6.2ミリの厚さです。一般的な複層ガラスは3ミリ厚のガラスが2枚に、間の6ミリの層に乾燥した空気を入れ計12ミリとなりがちです。
1-2. 熱貫流率は1.4W(m2・K)
熱貫流率とは熱の伝えやすさを表す値で、数値が低いほど熱を伝えにくく断熱性能が高いことを示します。スペーシアの熱貫流率は1.4W(m2・K)です。単板ガラスは6.0W(m2・K)で、乾燥空気入りの12ミリ厚の複層ガラスは3.4W(m2・K)になります。同じ複層ガラスと比べると約2.5倍、単板ガラスと比べると約4倍の断熱性能があります。
1-3. 薄い理由は真空だから
真空だと魔法瓶のように熱を通しませんが、空気はガラスに比べて熱を通しにくいだけでどうしても通ってしまう熱があります。そのため6.2ミリと薄いのに、乾燥空気の複層ガラスより高い断熱効果があります。また空気層は厚いほど断熱効果が高くなりますが、空気が動く対流により熱を伝えてしまいます。動く空気のない「スペーシア」は対流が起きないので熱が伝わる心配がありません。太陽の光などで暑さを感じる(放射)と思いますが、その熱を抑えてくれる特殊な金属膜がガラスにあります。
2. 真空のメリット
真空には高断熱性以外にも結露を防ぎ、遮音効果があります。
2-1. 結露を防ぐ
室内温度が20℃で湿度が60%の部屋で実験したところ、「スペーシア」はマイナス23℃まで結露が出ませんでした。一枚ガラス(単板ガラス)の8℃と比べるとその差31℃。
2-2. ペアガラスと違って遮音効果がある
2枚の膜の間に空気層のある太鼓と、2枚のガラスの間に空気層のある複層ガラスは構造が似ています。そのため遮音効果は期待できませんが、真空は音も通さないので「スペーシア」には遮音効果があります。
3. 真空のデメリット
高い断熱性・防露・遮音とメリットの多い真空ガラスですが、他の複層ガラスにはない保護キャップとマイクロスペーサーが付いています。
3-1. 保護キャップ
2枚のガラスの間の真空状態を保護するために、室内側ガラスの右上に直径15ミリ・高さ4ミリのキャップが付いています。
3-2. マイクロスペーサー
2枚のガラスの間が真空なので、ガラスには常に大気圧がかかります。大気圧にガラスが負けないよう、2センチ間隔で直径0.5ミリの黒い点があります。
ガラスの向こうの景色を見る事が多く、ガラス自体を見る事がすくないのであまり気になりません。カメラでもマイクロスペーサーにピントがあうと見えますが、
すこし角度を変えて奥のイスにピントがあうと見えなくなりました。
4. ラインナップは3つ
透明タイプ・網入りタイプ・すりタイプの3種類があります。
4-1. 透明タイプ
リビングなどに使える、通常の透明なガラスが使われているタイプです。
4-2. 網入りタイプ
火災時にガラスが飛び散るのを防ぐ金網が入ったガラスです。
4-3. すりタイプ
乳白色の不透明な、目隠し効果のあるガラスが使われています。トイレなど人の視線が気になる場所で使えます。
5. ガラスの交換方法
交換方法の動画がこちら。ドライバーでサッシを分解してガラスを取り替えるだけなので、DIY感覚で取り替えられそうなほど簡単ですね。
6. 買える場所と価格
平米単価は39,000円(税別)になり、ガラスには10年保証がつきます(スペーシア取扱店が施工した場合)。真空層の異常によりマイクロスペーサーが落ちた場合に代替品が保証されます。
購入には「オーダーガラス板.com」というサイトがあって、12営業日で納品されます。運送中の破損保証、ならびに自分が誤って割ってしまった場合にも保証(最大70%・20,000円まで)があります(サイズ違いは最大50%・30,000円までの保証)。
1枚からも注文できます。
7. まとめ
窓の大半の面積をしめるガラスを替えるだけで、暖かさは大きく変わります。ガラスのみを替えるのは簡単なので、これを機にDIYにチャレンジしてみませんか?
スペーシアのまとめ
- 6.2ミリと薄いから、既存の窓のガラスだけを替えられる
- ガラスの間が真空なので熱貫流率が1.4W(m2・K)と高性能
- 真空なので防露・遮音もできる
- ガラスの間の真空を保つために、保護キャップとマイクロスペーサーがガラスに付いている
- 透明タイプ・網入りタイプ・すりタイプの3つがある
- 平米単価は39,000円(税別)
- オーダーガラス板.comで買える
この建材のポイント
オススメなのは? | リビング・寝室の暖房の効きが悪いと感じている人 |
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一番の強みは? | 6.2ミリと薄いから、単板ガラスが入っていた既存のサッシに使える |
施工の強みは? | ガラスの交換方法の動画があって、スマホで確認しながら作業できる |