天窓(トップライト)の施工事例まとめ【洗面所・浴室・トイレ編】
アメリカでは天窓ユーザーの約48%が水回り(洗面所・バスルーム・トイレ)に使用していること、ご存知でしょうか?
こちらは実際のアメリカの住宅の施工事例。Bathroom(洗面・トイレ・シャワーが一体となった部屋)が3か所以上ある世帯が多く、水回りやキッチンの間取りにこだわりをもつ方が多いのも理由です。
一方、日本で天窓といえば吹き抜け天井や屋根裏部屋といった場所への施工は多いものの、水回り空間(洗面所・トイレ・お風呂)の施工は意外と馴染みが薄いのも事実。アメリカと違って水回りがそれぞれ別々だったり、開放性よりプライバシーの確保が気になる国民性(?)も理由のひとつにあるのかもしれません。
でも実際には日本でも水回りの天窓事例は存在しており、事例をみると”いつもと違う朝がくる”ような空間だと私は感じます。
そこで今回は天窓の施工事例【洗面所・浴室・トイレ編】をまとめてみました。天窓ってそもそもどんな感じなの?どんな施工事例があるの?など天窓に興味あるけど馴染みのない方、すでに天窓を使ってるけど上級な使い方を知りたい方など、ぜひ今後のリフォーム・新築設計時の参考にしてください。
その① : 洗面所に天窓をつける場合
洗面所に天窓を施工した事例です。歯磨きしながら朝の光を浴びれるのは嬉しいですね~。もしかすると夜には月明りも…?
こちらは顔を上げれば空を望める天窓。ブラインドをつけることでプライバシーも守れます。
鏡をうまく使って自然光を反射させた事例も。鏡には空間を広く見せる効果もありますが、天窓からの自然光をあてて楽しむこともできます。
これら5つはいずれもベルックス社製の天窓です。
その② : 浴室につける場合
次は浴室の天窓事例です。こちらは直射日光の角度が時計代わりになる設計となっています。
(写真提供 : DROP DESIGN 、撮影 : 畑拓)
今度は新築の戸建て住宅の事例。写真右上の斜め壁に「回転式天窓」が複数ついています。180°回転できる天窓で35℃を超える日でも地窓と天窓を開ければ、熱気もスーッと抜けて涼しいそうです。さらに右側の空間をクローズアップしてみましょう。
(写真提供 : DROP DESIGN 、撮影 : 畑拓)
よくみると天窓下は浴室で自然光を最大限に活かした設計だとわかります。この分野に強い設計士と巡り合いたいものです。ぜひ教えてほしいです(笑)。
その③ : トイレに天窓をつける場合
最後はトイレの天窓事例。日本でもアメリカのように洗面室を兼ねる1坪タイプのトイレは数多く存在します。なかでも天窓付きのプランに魅力を感じる方が多いようです。
たとえばこういった事例。2Fのトイレです。壁面の窓がない分、そこにトイレットペッパーの収納棚を作れたりもできますね。
こちらは海外の事例。大きめのサイズの天窓が浴室洗面所を明るく照らします。便座の真上に天窓をつけるケースが多く、プライバシーを確保する最適な位置だそうです。真上だと逆に安全なのは意外ですよね。
また壁にあるトイレ窓は外から見ると案外「あそこトイレだ!」とわかりやすかったりも。プライバシー確保の面ではむしろ天窓の方がバレにくいメリットもあるんです。
実際、どれくらい明るくなるの?
天窓をつけることでどれくらい明るくなるのか、施工前後の比較画像です。たしかに全然違いますね~。
「ガラス面積×約10倍=自然光で照らされる床面積」といわれており、0.5m2(M04サイズ)で直下の3畳(5m2)を曇りでも明るく照らします。トイレや洗面所は全体で1~2畳程度なので、小さい天窓でも効果は抜群です。
床に透過性のある建材を使えば、より階下まで光を届けることもできそうですね。
その他の効果は?
1. 風通しがよい
北側屋根面で天窓を使用することで、風の出口や入口として、南面のサッシとの組み合わせで効果的な通風も。トイレであれば欄間を設けて風通しの良い設計にも検討できますね。
また最近の高気密系住宅ならではの悩みとして、リビングに残るお料理の匂いが気になる方も増加中。採光目的に加え、空気の流れをコントロールできる天窓は家の排熱・通風・におい対策といった役割も担っています。
実際にリビングの匂いに困っている施主をレポートした「コーカイ日誌」もよければご覧ください。