無垢フローリングなのに赤ちゃんの転倒対策が出来る!?木育におすすめ「やさしい床」
Yes, sir!
カタログ三等兵、建材紹介の任務を開始します!
突然ですが、赤ちゃんが転びやすい時期を知っていますか?
それは「つたい歩き(生後10ヶ月〜1歳半)」の時期です。
保育士が経験したヒヤリハットの1位が「転倒」とのデータも。
これまで転倒時の衝撃吸収床材には「コルクタイル」「クッションフロア」「タイルカーペット」がありました。ただ、無垢フローリングによる木育をうたった保育園・幼稚園では、素材が木でないという理由もあって木育コンセプトから敬遠されるなどの欠点も。
木育のコンセプトを守りつつ、転倒時の衝撃軽減がはかれる建材が求められていた中、今回無垢材をつかいながらも転倒時の衝撃吸収をはかれる無垢フローリング材「やさしい床」を発見!
無垢フローリングなのに転んだ時の衝撃吸収!?
天然の肌触りや美しさが五感を刺激し、子供の豊かな成長を促進するといった理由から、教育施設に無垢フローリング材を使用するケースが増えています(参考 : 文部科学省の発表事例)。木育を謳う幼稚園・保育園にも同様に無垢フローリング材の導入が増えており、入園の決め手として、無垢フローリングを挙げる方も。一方で、転んでケガをするリスクも抱えていました。
そんな中、平川木材工業さんが衝撃吸収フローリング「やさしい床」を開発。
国産の無垢材(杉・桧)を使用しながらも、木裏の8mm厚のクッション(弛緩材)が転倒時の衝撃を吸収する仕組み。施工はコンクリートや合板などの下地面に直貼りなので、リフォームにも使えます。大阪岸和田市立の新条幼稚園で施工実績も。
一般的に衝撃吸収を示す指標の「加速度(G)でその柔らかさが分かります。数値が小さいほど衝撃吸収性能が優れており、学校(体育館)、病院、高齢者施設などでは100G以下が推奨値の中、今回の「やさしい床」は大きく下回る「60G」。通常の無垢フローリング材は120G程度ですので、60Gの「やさしい床」は約2倍も柔らかくなりました。ちなみに従来の衝撃吸収床材と比較すると次のようになります。
素材 | 加速度(G) |
---|---|
畳 | 50G |
やさしい床 | 60G |
コルクフェルトとコルクタイルの組み合わせ | 74G |
クッションフロア | 101G |
通常の無垢フローリング材 | 120G |
コルクタイルのみ | 121G |
タイルカーペット | 125G |
床鳴りもしにくい
実は、単に木裏に柔らかいクッションを敷くだけでは床鳴りすることも多いです。
理由は板同士の本実が沈み込む際に音が発生するから。そこで、当製品はクッションを木口・木端からはみ出させています(ベロという部分)。
こうすることで、圧力をかけた際の沈む範囲が広がり、雄実・雌実の接合部で発生する実鳴りが軽減(=継ぎ手部分の一方の板だけが沈み込んでいたのが、クッション範囲が広がっているため、継ぎ手部分の実全体が沈み込む)。下の図のようなイメージです。
せっかくリフォームしたのに「キシキシ」音が鳴ると、施主にとってもなんだかすっきりしないもの。施工後の心象UPにも床鳴りしないのは重要なポイント。
価格は15,500円/m2から。通常の無垢フローリング材であれば1万円以下で買えることも多いですが、予算があるなら安心をお金で買うのも手ですね。
商品概要
樹種 | 等級 | 仕様 | 寸法 【長さ×幅×厚み】 |
入数 | m2単価(材のみ) |
---|---|---|---|---|---|
杉 | 上小 | 無塗装 | 910×90×17 | 20枚 (1.638m2) | 17,700円/m2 |
ウレタンUV塗装 | 19,200円/m2 | ||||
オスモUV塗装 | 20,200円/m2 | ||||
生節 | 無塗装 | 15,500円/m2 | |||
ウレタンUV塗装 | 17,000円/m2 | ||||
オスモUV塗装 | 17,900円/m2 | ||||
桧 | 上小 | 無塗装 | 18,800円/m2 | ||
ウレタンUV塗装 | 20,300円/m2 | ||||
オスモUV塗装 | 21,200円/m2 | ||||
生節 | 無塗装 | 16,500円/m2 | |||
ウレタンUV塗装 | 18,000円/m2 | ||||
オスモUV塗装 | 18,900円/m2 |
※【上小】節があっても本当に小さくポツポツとある 【生節】大小の節がある
※寸法の厚み17mmは、板厚9mmとクッション厚8mmの合計
※オスモUV塗装は艶消しクリアー
ポイント
- 国産無垢フローリング材!
- 衝撃を吸収する!
「木育」、実は北海道発の新しい教育概念
ところで「木育」とは何でしょうか?調べたところ、定義が見つかりました。
木育とは、子どもをはじめとするすべての人が
『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取組みです。それは、子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、
人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです。引用元 : 北海道の『木育(もくいく)』〜『木育』とは | 水産林務部森林環境局森林活用課
引用日 : 2016年6月8日
木育の効果は?
筑波大の研究結果によると、木育を実施した園児には、笑顔や発話が増えるといった、自分から養育者へ働きかける行動が増えました。また父親・母親といった養育者にとっても、子供の行動をおおらかに見守り、一緒に楽しむといったプラスの効果が増えています。
3.結果
(1)子どもと養育者のかかわり
子どもの養育者への対応は、木育の前後で子どもの微笑みや養育者へのアイコンタクト、発話が増えるなど、子どもが自分から養育者に働きかける行動が増えていた。「かかわり指標」を用いた分析では、子どもの主体性が平均0.52点、共感性が0.57点高くなるなど、木育を通じて子どもから養育者へのかかわりが活発になる傾向が見られた(表1)。
一方、養育者の子どもへの対応は、木育の前後で子どもに向ける視線や声かけが増えるとともに、子どもの行動をおおらかに見守り、子どもと一緒に楽しむ様子がみられた。木育前後の「かかわり指標」による観察評価得点を比較すると、子どもの主体性発達への配慮が平均0.30点、共感性発達への配慮が平均0.70点高くなるなど、養育者の子どもへの配慮が高まる傾向がみられた。引用元 : 木の温もりに触れ自然への慈しみを培う「木育」効果の科学的検証(PDF)
引用日 : 2016年6月8日
木育で未来の大工を育てよう!
幼稚園・保育園での施工は、休園日に行われるのが通常。ですが、あえて開園日の施工を提案されてみてはいかがでしょうか。子供たちの安全性を確保した上で、例えば園庭から窓越しに建物内の施工風景を目で見る機会は貴重。幼心にも良い記憶となり、もしかすると将来木や建築に関わる仕事に就くきっかけになるかもしれません。幼稚園・保育園側も、休園にしなくてすむなど、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考 : 転倒時の衝撃吸収する従来の床材3つ
前述の通り、「タイルカーペット」「クッションフロア」「コルクタイル」の3つも転倒対策床材として使われます。ここでは、それら商品群全体のメリット・デメリットと参考価格を紹介します。
1.タイルカーペット
メリット | デメリット |
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カーペットの防音性 | 湿気が溜まりやすく、下地に影響が出ることがある |
種類豊富で、デザイン性に富んでいる | 普通のカーペットに比べると、触り心地が硬い |
汚れた部分だけ剥がして変えられる | 厚さによってはドアの開閉でひっかかってしまう |
参考価格 | 3,000円/m2〜 |
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衝撃吸収性 | 125G |
2.クッションフロア
メリット | デメリット |
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ビニールだから掃除がしやすい | ビニールだから調湿できず、夏に素足で歩くとベタつく |
水に濡れても大丈夫で、シミにならない | 通常使用でも10年で貼り替える必要がある |
価格が安い | 重い家具などの箇所が凹んでアトが残る |
参考価格 | 2,200円/m2〜 |
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衝撃吸収性 | 101G(下地により変わります) |
3.コルクタイル
メリット | デメリット |
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コルクなので肌触りが良い | コルクの色合いが安っぽく感じる |
遮音性能が高い | 厚みがあるので、ドアの開閉部分でひっかかってしまう |
皇室での採用実績がある | つなぎ目が反る |
参考価格 | 7,000円/m2〜 |
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衝撃吸収性 | 74G(コルクフェルトとの組み合わせの場合) |
この建材のポイント
オススメなのは? | 木育や無垢材使用を特徴とする保育園の園長さん |
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一番の強みは? | 国産の無垢材で、転んだ際の衝撃を吸収する安全性の高いフローリング! |
施工の強みは? | コンクリートや合板に直貼り! |