建築家・小堀哲夫氏が、建築の魅力・考え方を語る本「建築家のアタマのなか」
建築家・小堀哲夫氏の“アタマのなか”を明らかにする一冊
本書は、「日本建築学会賞」「JIA日本建築大賞」など、国内外で数々の受賞歴を誇り、現代を代表するトップクラスの建築家である小堀哲夫氏が、自らの幼少期から現在にいたるまでのさまざまな経験をもとに、建築の楽しさを伝えるために記したものです。
建築・ものづくり・美術・デザイン・インテリアなどに興味をもつ若い世代へ向けて、世界の最先端を走る建築家は何を考えているのか、その“アタマのなか”を明らかにする一冊です。
目次
第1章 建築家は空想する
箱と場所
建築の家仕事は場所をつくること
愛のある場所
階段井戸
空想する力
エジプト人の偉大な空想力
空想の根っこを探す
鐘の音
木登り
第2章 スケッチブックを携えて世界を観察する
中庭と白夜の光
見たこともないのに懐かしい風景
空想の次に大切なもの
観察とスケッチ
世界を知らない孫悟空
全身で感じ取る
寸法当てゲーム
卓越風
観察から生まれるもの
ひとまず〝食べてみる〟
感覚は変化する
雲海
お寺を描く
概念の幅を広げる
旅に出る理由
第3章 「私」から、「私たち」へ
建築家と料理人
一緒につくる感覚
バナキュラーが好きだ
なぜワークショップをするのか
踊る社員たち
体温を2度上げる
空想と空想がぶつかり合う
空想からまた空想が膨らんでいく
光と風、そして水
異文化が交錯するバザール
波風立てる
施主との共鳴
歴史のなかで建築をつくる
旅館が地域に果たす役割
目に見えないものを共有する
私から、私たち、そして私へ
家について
第4章 木と石、風と水、職人たちとの対話
紙飛行機
手でつくる対話
建築ができるまで
建築事務所というチーム
図面を描く人、建物を建てる人
大工の国に生まれて
仲間をつくる大切さ
空想がデザインとエンジニアリングをつなぐ
魂のぶつかり合い
制約はチャンス
建築は土地との出会いから始まる
土地の力を引き出す建築
これまでの逆をいく
風景をつくる建築
光と風を透過する屋根
ゆらぎのある心地よさ
クリエイティブな研究所
温泉旅館の魅力とは何か
目に見えない歴史と向き合う
建築と庭が一体となる
建築をつくる素材
自然の恵みを活かす
増築しやすいように設計する
かたちのないものをつくる
空間について
自分たちでつくってみる
屋根に穴が開いている
河原の土手
エンジニアとデザインの間で
第5章 心地よい居場所を探して
幸せな「居場所」がどれだけあるか
まちにひらく
居心地の良さは〝場所〟のつながりから生まれる
〝らしさ〟とは何か
一人になる時間
アジアの屋台
ちょっと移動してみる
空想力の鍛え方
大切なのは〝答え〟よりも〝問い〟
クラゲ
宇宙人になりたい
著者プロフィール
小堀哲夫(こぼり てつお)
建築家・法政大学教授。1971年、岐阜県生まれ。2008年、株式会社小堀哲夫建築設計事務所設立。日本建築学会賞、JIA日本建築大賞、Dedalo Minosse国際建築特別賞など、国内外において受賞多数。
代表作品に「ROKI Global Innovation Center –ROGIC-」「NICCA INNOVATION CENTER」「梅光学院大学 The Learning Station CROSSLIGHT」「光風湯圃べにや」など。その場所の歴史や自然環境と人間につながりを生む新しい建築に取り組んでいる。
小堀氏は、著名建築家が採用した建材を紹介する建材特集マガジン「CLASS1 ARCHITECT」の創刊号に登場された建築家です。創刊号では、「建築家のアタマのなか」でも紹介されている福井県のオフィス「NICCA INNOVATION CENTER」(2017年竣工)で採用した3つの建材を紹介しています。
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当書でも紹介されている、小堀哲夫氏設計の「光風湯圃(こうふうゆでん) べにや」が、2024年7月4日、「2024年ミシュランキーホテル」に選出されました。