【土佐和紙壁紙】
「つなーで」内にある多目的室や和室、茶室、工作室、調理室などの貸室は、「一つひとつの空間が息苦しくならないように」という高野氏・森田氏の思いから、長年土佐市の暮らしに根づいてきた土佐和紙の壁紙を採用した。土佐和紙は楮や三椏、雁皮といった自然の植物を原料としているので身体に害が無く、耐久性の高さややわらかい風合いが魅力。さらに、湿度の高いときは湿気を吸収し、乾燥したときには蓄えていた湿気を放出するため年中通して快適に過ごすことができる。年月とともに変化していく和紙独特の表情も楽しめるようになっている。
こちらも共同設計した聖建築研究所から紹介していただきました。公共施設はどうしても工業化された製品が多くなってしまうため、やわらかい風合いを出しにくい。「つなーで」ではできるだけ、人の暮らしに近い素材を使いたいと思っていたため、地元で馴染みのある土佐和紙を採用しました。
建材開発秘話
多種多様な天然素材と紙漉き技術の融合
当社は、元々障子紙の製造をしていた会社です。障子紙の斜陽化に伴い、数年前から土佐和紙壁紙の開発を始めました。当社の特徴は、和紙に漉き込める素材の豊富さ。通常は楮・三椏・雁皮などが主な原材料になると思いますが、当社は炭や竹をはじめ、天然素材全般の漉き込みが得意です。環境に優しく、準不燃材料としてさまざまな場所に使用できるため、全国の建築関係の方々に支持されています。
自然素材ならではの肌触りが好評
「つなーで」に使用されているのは、高い二酸化炭素吸収効果を持つケナフ壁紙です。当社のケナフ壁紙には「皮入り」と「幹入り」があるのですが、今回は「幹入り 白」を採用いただきました。「幹入り」はより繊維の感触をしっかり感じることができ、「つなーで」の利用者からも評判が良いです。天然素材は経年による風合いの変化も魅力なので、今後はそこにも注目してほしいですね。
伝統技術を活かし、意外な素材も壁紙に
15年ほど前から「廃材をなんとか紙に利用できないか」と感じており、今では使用済みの割り箸を再利用した壁紙も製造・販売しています。このように「身近な素材でも壁紙にできる」ということを、より多くの方に知っていただきたいですね。そのためにも、建築士の皆様の要望に応えながら、まだまだ当社が扱ったことのない素材で壁紙づくりに挑戦していきたいです。
株式会社モリシカの特徴
幅広い天然素材を和紙壁紙に漉き込むことができる。素材を持ち込み、オリジナル壁紙を依頼することも可能。
ホルムアルデヒド排出を抑えるF☆☆☆☆認定や、準不燃材料の防火認定済。信頼性の高い和紙壁紙として、高知県外でも広く使用されている。
使用済み割り箸を特殊な製法でリサイクルしたエコ壁紙も製造。環境改善活動が評価され、「第11回 エコ産業大賞」では優秀賞を受賞している。
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