【テラコッタ調タイル】
ダイニングとキッチン、そして庭部分にもまたがるスペースには、円形状にテラコッタ調タイルが敷き詰められている。残置されたコンクリートや石など「桃山ハウス」周辺の山の中にはさまざまな色が存在していたように、この場所で使うタイルもランダムに配置し、色ムラを出すことにこだわって施工した。採用したのは世界中の屋根瓦やタイル、レンガなどの建材を扱う丸鹿セラミックスの製品。色の濃淡が異なる3種類のテラコッタ調タイルを8:1:1の割合で規則性を持たせないように配置した。「まずは施工する前に仮置きし、わざと不規則にしてパターンや模様に見えないよう、何度も置き換えました。いかに自然な感じのムラをつくるかというところに尽力しました」と中川氏は語る。テラコッタ調タイルは素朴な風合いと土の自然な色合いを再現しているが、複数の色のタイルを使うことで一色ではできない豊かな庭のような表情に仕上がった。
人工的にならない色の配合
「25角白色タイル」のように、ダイニング部分に貼るテラコッタタイルも複数のメーカーから取り寄せて検討しました。敷地周辺の山で見つけた多様な色を「桃山ハウス」でも表現したいと考えていたのですが、日本のタイルメーカーがつくる製品は精度が良いことから、実際に貼ると同じ色味が連続し、どうしても人工的になってしまう。かといって異なるメーカーのタイルを使うと厚みや風合いが異なるので、同一メーカーのタイルを組み合わせてランダムに貼ることを考えました。丸鹿セラミックスさんは前職のオンデザインの頃からお世話になっていて、何度かタイルを使わせてもらったことがあるのですが、色味の配合が一番イメージに合っていたことから採用しました。
建材開発秘話
伊豫田(いよだ)さん
色ムラを楽しめる使いやすいタイル
当社は、世界各地の屋根瓦・タイルなどの輸入建材を扱う会社です。中でも今回採用いただいた「フランスカマルグコット」「マドラス ロジョ」「マドラス テハ」は、素焼きならではのムラをリアルに再現したテラコッタ調タイル。リーズナブルな価格も特徴で、「フランスカマルグコット」は完売につき現在販売を終了しています。異なるタイルを交互に配置して市松模様にしたり、中川さんのようにランダムに配置したりして柄を楽しまれる方も時折いらっしゃいますね。
丸鹿セラミックス株式会社の特徴
世界各地から輸入した屋根瓦・タイル・石材・レンガ・擬石などを販売・施工している。輸入先はヨーロッパ・アジアをメインに世界13か国。タイルに限ってもイタリア・スペインなど5か国からの輸入タイルを扱っている。
陶器土器製造メーカーとして、1913年に創業。約100年にわたり蓄積した販売・施工技術を強みとする。一方で、毎年イタリアで開催されるタイル展示会に出向きヒアリングをするなど、輸入建材のトレンドを掴むため積極的な情報収集も行う。
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