MATERIAL
時間の積み重ねを艶で表現 
【油性ニス】

「桃山ハウス」の室内は一体感のある空間でありながら、書斎やキッチンなどさまざまなスペースが仕切られ、プライバシーや機能性を保っている。空間を隔てる間仕切りや収納の壁には一見古材のようにも見える木が使われているが、これは合板にニスを重ね塗りしたものだ。「敷地のある山間の環境を気に入ったお施主さんから、『新築だけど時間の積み重ねによって木に深みが出た色を使いたい』と言われました。なんて難しいことを仰るんだ、と思いましたね(笑)」と中川氏は語る。「新築でありながら新築らしくない表情」を出すために古い建物の木部を観察すると、新しい木にはない艶があることがわかったという。そこで油性ニスを何度も重ね塗りをすることで、まるで古材のような深い艶を生み出すことに成功した。ニスが塗り重ねられた木は、経年とともにさらに色が変化し風合いが増す。耐久性も高まるため、一石二鳥以上の効果をもたらしている。

中川さん、なぜこの建材を採用したのですか?

実験して辿り着いた理想的な艶

ニスを5回塗りした際の模型写真

ニスを何回塗り重ねると理想的な艶が生まれるのだろうと思い、設計の打ち合わせ時に事務所でサンプルをつくってみました。3回、5回、10回…と木に塗り重ねていくと5回塗りが最も理想的な艶になったので、お施主さんに提案して設計に加えることになりました。ニスはいくつかのメーカーのものを取り寄せ数種類比べて試したのですが、和信ペイントさんの油性ニスは塗りやすく、艶を積み重ねる分、厚みも出て良い表情になったので採用しました。実際に現地で職人さんに塗っていただくと、私たちが塗ったサンプルよりもずっと綺麗に仕上がったのですが、この艶が新築の空間にも落ち着きを与えていると思います。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
木村好子さん

独自の飴色が木に深みを与える

中川氏が使用した色「チーク」

当社の油性ニスは木によくなじみ耐久性が高く、色が美しいのが特徴です。中川さんが当社のニスを5度も重ね塗りされたのは、とても素晴らしい塗装方法だと思いました。ニスは薄く塗り、乾燥と塗膜表面の研磨を繰り返しながら厚くしていくことで、強度が増すだけでなくニスの「肉厚感」が生まれます。特に当社の油性ニスは木目を活かすために飴色(ハチミツ色)になっているため、中川さんがおっしゃるような「年数が経ったような深み」がわかりやすく出たのだと思いますね。

和信ペイント株式会社の特徴

1.高い性能を持つ塗料の開発

塗料開発では「光沢」「塗りやすさ」を重視。塗膜となる樹脂・顔料などの有効成分が多く、耐摩耗性・耐衝撃性・耐溶剤性などに優れた塗料を製造している。

2.塗料販売における豊富な経験と知識

90年にわたり木材塗料製造に携わった経験と知識を活かし、塗り方ガイド・用語集の公開や、InstagramでのDIY事例紹介などの活発な情報発信を行う。

3.環境負荷軽減への取り組み

取り扱い製品は油性に限らない。臭いが少なく油性並みの耐久性を持つ水性塗料を幅広く展開するなど、環境に優しい塗料の開発にも努める。

和信ペイント株式会社

〒340-0121
埼玉県幸手市上吉羽2100番地18
TEL:0480-48-2021(担当:木村)
FAX:0480-48-2024
www.washin-paint.co.jp/

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