【SmartArchi】
「公共空間や商業空間はどの場所であっても均質な照度が求められますが、住宅のリビングをはじめとしたくつろぎの空間においては、いかに照度のムラをつくるかを常に意識しています」と松島氏。そんななか、点で照らすダウンライトや面で照らすシーリングライトとは異なる新たな選択肢として、「Triton」のリビングと子ども部屋に採用したのがパナソニックの「SmartArchi」だ。2014年に誕生した「SmartArchi」シリーズのなかでもSoft Light Round Typeは、人が自然に感じるグラデーションの輝度を科学的に評価し、それに基づいて設計された反射カーブによって、器具の存在感や眩しさを抑えながらも光の存在だけを感じさせる特徴を持つ。光の境目ができず、天井にかけてなだらかな輝度のグラデーションが生まれるため、空間にこれまでにないやわらかさをもたらす。
今までにない住宅照明の可能性
こちらの照明はスタッフがリサーチのなかで見つけてきたもので、「Triton」の施工時にはまだ発売前となっており、予約状態の新商品でした。「Triton」の完成とほぼ同時期の発売だったため、住宅で納入したのはおそらく日本全国で最初の事例ではないかと勝手に思っています(笑)。ベース照明は一般的にスポット的に照らすダウンライトか空間全体に光が広がるシーリングの二択です。しかし、こちらの照明はダウンライトでもなくシーリングライトでもない、じわっと広がる淡い光が今までにない照明だと感じました。シームレスに天井の一部分がつままれて光るような不思議な照明のあり方に、住宅照明の新たな選択肢になり得ると感じて採用しました。
建材開発秘話
村越滋幸さん
微細な調整を経て生まれた反射面
従来のダウンライトは、眩しさを抑えて照明器具の存在感を無くすことが定番でした。それに対し別の解を模索するなかで生まれたのが、SmartArchi Soft Lightです。天井の穴から自然と光が漏れていくようなイメージを目指しました。反射面部材はアルミ板を回転させながら成形する「ヘラ絞り」で製造。0.1mmの厚さを人の手で調整し、なめらかなグラデーションを見せるために試作を繰り返しました。反射面の理想のカーブを追求するところが一番苦労したポイントです。
製造工程の動画はこちら
SmartArchiの特徴
人が自然に感じる輝度のグラデーションを科学的に検証し反射面を設計。スポットライトのような光ではなく、建築と一体となったようなやわらかな光を与える。
器具の存在感を抑えて、光の存在だけを感じさせることができる「照明に見えない照明」がコンセプト。施工方法は一般的なダウンライトと変わらない。
明るさや色温度を自由に変えられる調光・調色タイプにも対応。夕方から夜間はベースの照度や色温度を落とすなど、オフィスやショップなどの空間演出にも活躍。
〒571-8501
大阪府門真市大字門真1006番地
TEL:06-6908-1121
URL:www.panasonic.com/jp/home.html