ロードサイド型店舗の新しい在りかたを示す建材とは。
JINS PARK 前橋

2021年4月、アイウェアブランド「JINS(ジンズ)」が創業地である群馬県前橋市にオープンした「JINS PARK 前橋」。郊外のロードサイド型店舗ということで、「今まで以上に地域に対して貢献できる場所をつくりたい」というJINSの思いから計画がスタートした。設計を手掛けたのは、建築家の永山祐子氏。「敷地付近は近年若い世代が移り住んでおり、家族連れが多いエリア。私も子育て世代ということから『自身の経験もふまえて提案してほしい』という要望をJINSさんからいただき、子供が安心して遊べて、かつ親がほっとできる公園のような場所を提案しました」と永山氏は語る。

一般的にロードサイド型店舗は、平屋で建物の手前に駐車場を配置することが多いが、その構成では建物があまり活きないと感じた永山氏。「JINS PARK 前橋」では店舗手前に広場を、2階には屋上テラスをつくることで、ロードサイド型店舗の新たなポテンシャルを引き出した。館内中央には腰掛けられる大階段があり、1階右側にアイウェアブランド「JINS」、左側にベーカリーカフェ「エブリパン」を配置。ベーカリー部門は今回の計画に合わせてJINSが事業化したもので、メニュー開発やブランディングなど一からつくりあげていることから、この計画へのJINS側の熱量の高さもうかがえる。

 オープンから約1年が経ち、「JINS PARK 前橋」では永山氏が思い描いた通り、子どもたちが屋外広場でのびのびと遊び、大人たちは大階段に座ってくつろぐ様子が見られる。テラスは子どもだけでなく大人にも人気の場所で、当初想定していた以上に外部空間が利用されているのは、永山氏にとっても嬉しいことだったそうだ。今後はJINS主催のイベントだけでなく、地域住民がワークショップやイベントを行える空間として貸し出しを予定している。地域に新たなコミュニティを生む場として、「JINS PARK 前橋」の果たす役割はこれからますます大きくなっていく。

JINS PARK 前橋
JINS PARK 前橋

所在地 / 群馬県前橋市
設計 / 有限会社永山祐子建築設計
施工 / 冬木工業株式会社(建築)・スペース(什器・サイン)
アプリならマガジン新着情報がすぐに届く
iPhone の方は こちらから
App Storeからダウンロードする
Android の方は こちらから
Google Playからダウンロードする
アプリならマガジン新着情報がすぐに届く
今すぐ ダウンロード