Q. 偶然出合った珍しい建材とは？

A. 偏光板

光により幻の実体をつくり
モノではなくコトを表現する

物理の研究者である父が教材で使っていた偏光板を偶然実家で見つけ、いつか建築で使いたいと思っていたところ「ルイ・ヴィトン京都大丸店」のコンペがあり使用しました。ファサードで見えている黒い模様には実体がなく、偏光板によってつくりだされたもの。見える部分が人の動きによって変化するファサードを考えました。「そこにモノがあるかどうか」ではなく「そこにモノがあるように見えているかどうか」が人間にとってのリアル。建築は物質だけではなく、光などの実体のないものによってもつくられることに気付き、以来設計の際は意識しています。