CLASS1 DIRECTOR
永山祐子氏が紹介する信頼できる現場監督

建築は、建築家を中心に、構造家・CADオペレーター・職人といった、さまざまな方々の協力によって成り立っています。今回は建築家の永山祐子氏に、信頼している現場監督の方をご紹介していただきました。

─ 永山さん、信頼している現場監督を紹介していただけませんか?

冬木工業株式会社の横田拓志(よこたたくし)さんを紹介します。

「JINS PARK 前橋」の現場監督を担当していただきました。

冬木工業株式会社

〒370-0841
群馬県高崎市栄町 27-15
TEL:027-323-5008

─冬木工業株式会社に依頼した経緯を教えてください。

お施主様のご紹介で相見積もりを依頼させていただきました。「前橋近郊の施工業者にお願いしたい」というお施主様のご意向で何社か見積もりをとりましたが、これまでもお施主様関係のお仕事をされていてポイントを理解されていたのと、一見難しそうな構造にも真摯に検討いただき見積もりを提出してくださったので、対応とコストの両面から冬木工業さんに決まりました。鉄骨納期に関してもすぐに直結のファブを押さえて工程を組んでいただいた点も厚い信頼が置けたため、依頼に繋がりました。

─横田さんとの仕事で印象深かったことは?

現場に入ってからの絶妙な色味の調整や細かなディテールの調整が必要だったので、たくさんのサンプル製作やモックアップ製作にご協力頂きました。

特に、中央の扇型の大階段は色合わせも納まりも綿密な打合せが必要でした。大階段部分に使う突板とフローリングの色味や木目の雰囲気を合わせるために、納品された材を現場に並べて選別したり、階段の端部のモックアップを作成いただき、納まりの確認を物を見ながら打ち合わせすることができるよう段取りをしていただきました。お陰で2次元の図面では伝わりきらなかったディテールも詰めることができ、一体的な大階段を作ることができました。

建築家 永山祐子氏

─ 永山さんから横田さんへメッセージをお願いします。

様々な面で普段とは違うやり方があったかもしれませんが、短い工期の中で、細かい調整や要望に応えていただきありがとうございました。

横田さんにも
お話を伺いました。

─「JINS PARK 前橋」で、特に印象に残っていることを教えてください。

現場は2020年4月に解体工事、5月着工で、コロナ禍の中で始まりました。そのため、定例会議はリモート。デザイン性に富んだ建物だったので本来ならしっかりと打合せをして形にしていかなければなりませんが、不慣れなリモート会議でうまく伝えられず、行き違い、勘違いにつながったりと四苦八苦しました。

建物に関しては吹き抜け部分の大階段が非常に苦労しました。屋上に向かって広がっていく階段の躯体の下半分が鉄筋コンクリート、上半分が鉄骨になっていて、両方の躯体を作るのに取り合い部分や仕上げの納まりを調整していくのが大変でした。銅板の外壁が仕上がり、試験的に間接照明をつけてライトアップしたとき、銅板のラインが綺麗に照らされ、建物が際立ってカッコよく見えた時が現場の中で一番印象に残っています。「こんなにカッコいい建物になってるから、もう少しだから、完成まで頑張ろう」と思いました。

─横田さんの仕事上のポリシーを教えてください。

仕事に対して心掛けていることはお客様の要望に応えることと後悔しないような工事を進めることです。どうしようか迷ったときや悩んだ時は後悔がないような方法や手順を選んで工事を進めるようにしています。後々こうすれば良かったなぁと思わないように取り組んでいます。

─建築を学ぶ学生の方へメッセージをお願いします。

建築の道だけでなく全ての仕事におけることだと思いますが、仕事に対して真摯に取り組むことです。真摯に取り組む為には、知識や経験や探求心などが必要になってくると思います。身近なところからでも「どうやって建てたのだろう?」とか「どんな材料を使用しているのかな」など、建物に興味を持つことが自分を成長させていくと思います。

覚えることは非常に多いですが、自分で苦労して頑張って建てた建物は感動します。そういった思いを皆様にも味わって頂きたいので、頑張って建築の道を進んでください。

 

「CLASS1 ARCHITECT Vol.23」では建築家の永山祐子さんによる建材のレビューをご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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