【テラゾタイル・ブロック】
施主が富山市の某セレクトショップで一目惚れしたのが、株式会社 鳥居セメント工業のテラゾタイル製の器「波・Urusi」だ。この表情でカウンターをつくりたいという施主の要望に応え、レセプションの天板には「波・白」を、キッチンカウンターの天板には黒の「波・Urusi」を採用した。株式会社 鳥居セメント工業は国内唯一のテラゾタイル専門メーカー。ホワイトセメントを基調に20種類以上の顔料と砕石を組み合わせることで、無限とも言えるバリエーションのテラゾタイルを生み出す。今回のカウンターに用いた「波」のシリーズは、タイル表面にさざ波を思わせるシワのような加工が施されている。ナチュラルなムラも感じられ、工業製品らしからぬ特別な質感が魅力だ。小さな器に宿っていたテクスチャーは、オーベルジュの顔となるカウンターへと拡張され、新たな光を放っている。
老舗の技術力とフットワークの良さ
器を載せて使うキッチンカウンターの天板に採用することで、クラフトから空間までが統一された、奥行きのあるデザインができると考えました。鳥居セメント工業を初めて訪れた時、カットサンプルの倉庫に案内され、イメージに近いものを選びましたが「もっと近づけるにはこんなシワや骨材をいれたらどうか」と提案があり、翌週には次のサンプルが上がってきました。小ロットでも製作の対応が可能で、微細な表情の違いなど設計者の希望にも根気強く柔軟に対応いただけたこと、メーカーの技術力やフットワークの良さも含めて、この建材の魅力であると感じました。既製品から選ぶのも楽しみですが、細かい部分も全て打ち合わせをしたうえで一からつくることができるのは格別です。
建材開発秘話
積み重ねたチャレンジが財産
今回のカウンターは当社の「波・Urusi」と「波・白」の初めての物件です。特に白の色や光沢・表情・波模様が出す陰影に齋田さんはこだわり、何度も熱心に弊社にお越しいただき、試作を繰り返してつくり上げていきました。役員を含め18名の小さな会社ですが、4名のコンクリート技師がおり、彼らの技術力がチャレンジを支えています。これまで約40年間で採用いただいた配合は4,000種類以上あり、そのサンプル群がお客様の思い・発想を具現化する際、大いに役立っています。
株式会社 鳥居セメント工業の
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株式会社 鳥居セメント工業の特徴
1954年創業のテラゾに特化したコンクリート製タイルメーカー。セメントの可能性を広げる器等のオリジナルプロダクトや、鉄筋加工技術を応用した家具製造も行う。
主に規格品量産用のプレス成型機ラインと、最大で1450㎜角までの大判サイズも成形可能な流し込み製法のラインを有し、特別な配合のタイルも小ロットから製造。
受注から製造・加工・出荷まで、全て自社内での一貫生産で対応。依頼主の要望に応じスピーディーかつ何度も試作を繰り返しイメージに近づけるフットワークが強み。
〒930-0952
富山県富山市町村122
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