MATERIAL
採光設計の鍵を握った設備
【セミフラット採光】

自然光を取り込むことで、室内にいながらも外の豊かな自然を利用者に感じてもらいたいと考えたEureka。既存施設ではすべての部屋の照度が一様で休憩時間も煌々とライトが照らされていたが、「Nagasaki Job Port」は人工照明と自然光をミックスすることで、一定の明るさを確保しながらも落ち着いて過ごせるポジティブな光のムラが生まれるように設計されている。株式会社マテリアルハウスの「セミフラット採光」は天窓から取り込んだ光を反射板で天井に反射させることで、やわらかな自然光が室内に入り、太陽の動きによって刻々と変化する光の動きを感じさせる。「光のテクスチャーを細かくオーダーできたところがよかったですね。ルーバーの線状の光ではなく、粒状の光が空間に広がるようにしたかったので、メーカーの担当者と実験室で実際に太陽光を当てながら反射板のデザインを検討していきました」と佐野氏は語った。

稲垣さん、なぜこの建材を採用したのですか? 

唯一無二の光環境システム

マテリアルハウスの担当者は私の大学時代の同級生です。環境工学を学び光環境設計を手がけている方で、光環境を重要視する今回のプロジェクトでぜひ知見を活かしてもらいたいと思い、声をかけました。セミフラット採光のような太陽光を拡散させて均質化していくシステムは、日本ではマテリアルハウスさんにしかないのではないかと思います。セミフラット採光の反射板によって粒状の光が空間に広がっていますが、これはユニークな光の粒をつくることが目的だったわけではなく、天井面全体を自然光で光らせるという意図があります。利用者の方が心地よく作業できる光環境を設計と製品でどう解いていけるかを、メーカーと相談しながら製作できたのがよかったですね。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
遠藤真紀子さん

自然光のベストな見せ方を追求

セミフラット採光は「Nagasaki Job Port」のために開発した製品で、フラット採光の性能を保ったまま装置を薄く軽くしたものです。「利用者の活動に寄り添い、光の変化を感じられる空間にしたい」というEurekaさんの要望に応えるため、敷地の緯度経度を参考に最も効果が見込めるよう製品の内部構造を設計。クロスルーバーを組み込んで自然光をランダムに拡散させる工夫をしています。今回の採用を機にセミフラット採光の技術を用いた規格品を開発し、2019年から販売開始しています。

セミフラット採光の技術を用いた「光フィルター」はこちら

株式会社マテリアルハウスの特徴

1.オーダーで製作

フラット採光・光ダクトをはじめとした、自然採光を活用する製品を開発するメーカー。建築計画に合わせたオーダーメイド製品の製作・施工を行う。

2.フラット採光を開発

制御装置を一切使わずに日光の入射量を一定にするフラット採光。太陽高度が高い夏は日射を跳ね返しやすく、低い冬は取り込みやすい鏡面角度に設計されている。

3.自然光を予測する技術

建築に合わせたオーダー製品を開発するため、「光線シミュレータ」を独自に開発。自然光を予測できる装置で、20年以上用いて採光設計や製品開発に役立てている。

株式会社マテリアルハウス

〒146-0081
東京都大田区仲池上1-19-3
TEL:03-3751-5113
FAX:03-3755-0065
MAIL:ad1@materialhouse.co.jp
URL:www.materialhouse.jp/

 

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