今回、小堀氏が手掛けたのは、福井県に本社を構える日華化学株式会社の研究所「NICCA イノベーションセンター(以降、NIC)」。同社では、繊維を中心とした化学製品の開発から販売までを行う。

日華化学では、NICの建設に際し、働き方の意識改革を目的とした、社員主体のワークショップが実施された。小堀氏が設計にあたり、このワークショップから導き出したテーマは2つ。それは「バザールのような場」と「光の降り注ぐサンルーム」だ。曇天が目立つ福井の天候でも、心地よく光を感じられる空間があり、その中で新しい意見が飛び交うような、活発なコミュニケーションが生まれる場を目指したという。

昨年末には同建築で「第50回中部建築賞」に入賞。小堀氏は「50回目という記念すべき回に受賞頂けたことをとても嬉しく思います。この賞は施主、設計者、施工者の3者に対し送られるものなので、みなさんのチームワークやベクトルが揃った結果です。」と感謝の気持ちを語った。次ページからは、そんなNICで使用した建材を取り上げたいと思う。