【照明器具】
「toberu」で使われている照明は、ニューライトポタリーが照度計算から携わった。各個室のブラケット「Bullet wall」は鋳造した真鍮を使用したもので、富山高岡の伝統技法で独特のムラのある黒色を表現している。ライブラリーに設置した「Prince」はナラの木とガラスシェードを組み合わせた直付照明。ガラス部分は息を吹き込み成形するマウスブローで製作しており、職人技による温かみを感じられる照明をセレクトした。シンプルでありながら素材の風合いを感じられる照明は、「toberu」の空間にもマッチしている。
永冨さん奈良さんご夫妻には、昔からさまざまなプロジェクトでお世話になっています。作品の精度やデザインの力に長けていて、プロダクトのクオリティはもちろん、地元の焼き物や布を使ったシェードなどプロジェクトに合わせた素材に応じてアレンジもしてくださるところが素晴らしいです。
建材開発秘話
つくりたい照明は素材から手配する
当社は、照明器具のデザインから製造までを手掛ける照明メーカーです。カタログから照明を選ぶだけの仕事に少し窮屈さを感じ、「カタログに無い照明も自分で素材を手配して生み出せる、インディーズ照明メーカーをつくろう」と思ったのが設立のきっかけです。照明をつくる際は、透過・反射・拡散などの光の効果を最優先に考え、できる限り本物の素材で、最小限の手数でデザインすることを心がけています。
「toberu」全体の照明計画を担当
「toberu」は滞在する時間が長い場所のため、空間によって明暗の差が出るように照明を入れました。また、極端に細長い空間であるライブラリーは、圧迫感を感じないようにさまざまな工夫をしています。アッパーライトを本棚の上に取り付け、空間の奥まで照らすことで長手方向の長さを強調しました。柱にリズミカルに取り付けた「Prince」の照明も、空間に奥行きを感じさせる一翼を担っています。
今までにない素材との調和を求めて
これからも、照明と相性の良い素材はどんどん取り入れていきたいですね。和紙や陶器、麻布など伝統的な素材はもちろんですが、最近はコルク、レジンなどの素材にも興味があります。今年の4月には自社生産用の組み立て工場が完成したので、メーカーとしてのクオリティもさらにげていくつもりです。今後も「ここにこんな光があったら良いな」という思いを起点に、照明をつくり続けていきたいです。
「toberu」に使用した3つの照明の特徴
個室の表札灯に使用した壁付の照明。元々社内で“裏メニュー”として作られていたが、場所を選ばない佇まいが建築家やデザイナーから好評で、製品のラインナップに加わった。
ライブラリーの柱に使用した壁付の照明。輝度を抑えた白いガラスグローブが生み出すリズミカルな光は、外からのアイキャッチにもなっている。
長いコードが特徴の、シンプルなペンダント照明。吹き抜けに吊ることで、照明を取り付けられる場所が少ない吹き抜けスペースに光を入れている。
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