【ZIPrail® Screen】
ZIPrail® Screenによるスクリーンの動きがとてもスムーズで、引けばすっと滑らかな動きを見せてくれる。例えるならば、襖と屏風を融合させたような、日本人の感性に寄り添った一品だ。襖は固定化された扉のような側面を持ち、屏風は持ち運びがしやすく軽い。ZIPrail® Screenには、そんな2つの特徴が共存している。また和室では、空間をなるべく「壁」で区切らずに、取り外しが可能な襖や屏風で仕切られていることが多い。そのため、隣室の気配や庭の情緒を、仕切りを通して感じることができるのだ。横に引くだけで空間を仕切りつつも、スクリーンの向こうの気配を感じ取ることができる。この、仕切ることで間接的に生まれる「雰囲気」は、日本人の気質を想起させるのではないだろうか。
ZIPrail® Screenは事務所のスタッフが見つけてきたものなのですが、機能性が求めていたNICのイメージにピッタリでした。これは会議室と実験室の間仕切りのレールとして使用したのですが、布の開閉も静かなうえにヒダもできないため、とてもシャープな印象になります。また、ロールスクリーンのようにチェーンを巻く手間もなく、簡易的に操作ができることも魅力でした。
建材開発秘話
林口 典雄さん
“窓際イメージ”からみた逆転の発想
「窓際」というと、昔から「窓際族」という言葉があるように、良くない関係性の象徴であったりと、一般的にもあまり良いイメージが浸透していないように感じます。ですが、少し視点を変えると「窓際」には見落とされがちな魅力が詰まっていることに気が付きます。例えば、窓際に陽差しが降り注げば、それだけでその空間はぽかぽかと温かく、心地よい雰囲気へと変わります。そのように、外からみた窓際の雰囲気によって、建築物全体の印象が変わることもあるのではないでしょうか。「窓際のマイナスイメージをプラスに変えたい!」そんな想いが、私のモノづくりの出発点ですね。
発想源は”子どもの事故をなくしたい”
通常、ロールスクリーンを開閉させるときの動きは、縦ですよね。ところが、このZIPrail® Screenは、横方向に動きます。そんな前例のない製品に挑んだのは、「子供の事故をなくしたい」という身近な想いからです。子供が従来のロールスクリーンで遊んでいると、大抵の親はスクリーンの落下やチェーンでの事故を懸念して、子供を止めようとするのではないでしょうか。ですが、横に動くものであればチェーンもなく、身体を挟んでしまうものもないため、危険性がぐっと低くなる。「子供の事故をなくしたい」という想いから生まれたこの製品が、今後、様々な人の生活を安全に送れるものとして、役立ってもらえたら嬉しいですね。
設計者視点でみる製品の可能性
一般的にロールスクリーンの素材は、布やポリエステルといったイメージがあるように思います。ですが、このZIPrail® Screenは、ファスナーと弊社のレールさえあれば、今までにない素材さえも吊るすことができるのではないか?と考えています。過去にはホワイトボードを使用時にのみ吊って使用された事例もありますし、襖を吊りたいとの依頼を受けたこともありました。今回のNICでは小堀さんのアイデアによって、レールを30m連結し、それを1本のレールとして使用していただきました。このように設計者が自由な発想を提案してくれることは、我々にも良い刺激を与えてくれます。そうして製品の可能性が広がっていくなかで、今後も新たなアイデアが豊富に生まれてくることを期待しています。
ZIPrail® Screenの特徴
とにかく場所を取らない抜群の収納性と、1本6連のレールにスクリーンが6枚収められているというコンパクト感が魅力。
とてもシンプルなデザインが特徴。吊るす素材にも自由度を与え、どんな場所にも馴染んでくれる。
襖のような間仕切り製品と比べると、とてもリーズナブル。ファスナーを付けたスクリーンをレールに通し、それを引くことでフラットな仕切りが出来上がる。