MATERIAL
空間を自由に変えるパネル
【軸吊り回転パネル】

「八戸市美術館」のギャラリーには、スチールで組んだ小松ウオール工業株式会社の軸吊り回転パネル「小松ランニング スウィングウォール」が採用された。パネルを回転させることで空間の数や形を変えることができ、複数の空間バリエーションが生まれるようになっている。このギャラリースペースは市民がつくりあげたアート作品の展示を行うなどの多様な使われ方が想定されていたため、当初から部屋の機能を自由に変えられる方法が模索されていた。浅子氏が参考にしたのは、アメリカ・ラスベガスにある「旧グッゲンハイム・エルミタージュ美術館」。展示室にある3枚の巨大な回転パネルを動かすことによって展示室の形状が自由に変えられることをヒントにした。簡単に、かつ低コストで空間に変化をもたらす軸吊り回転パネル。その使い勝手の良さが功を奏し、浅子氏にとって満足のいく仕上がりとなった。

浅子さん、なぜこの建材を採用したのですか?

微細な調整にもきめ細やかに対応

公共の美術館で壁の位置を変える場合、スライディングウォールや可動式の箱壁が使われていることが多いのですが、それらはどうしても壁に目地が出てきてしまう。さらにスライディングパネルも箱壁も収納スペースが必要ということもあり、回転軸吊りパネルを扱うメーカーを探していました。パーテーションメーカーでいくつかヒアリングし検討した結果、金額的な部分や対応力など総合的な面で小松ウオールさんに決定しました。軸吊り回転パネルは手動で動かすようになっているので、動かした時に上部のスポットライトに当たらないか、足を挟まないかなどの細かい調整が多かったですね。さらにピクチャーレールの設置などカスタマイズにもきめ細かく対応いただきました。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
中川さん

耐荷重と意匠性が製作の鍵に

軸吊り回転パネル「小松ランニング スウィングウォール」は、約25年前「ホールの壁面部分に音響用回転パネルを付けたい」というご要望を受けて開発された製品です。「八戸市美術館」ではパネル上部に荷重100kgのピクチャーレールを取り付け、パネル内部に補強材を追加することで、展示物を安全に支えられるよう配慮しました。「細部まで美しく」という建築家さんの思いを受け取り、部材端部の処理や、天井ルーバーとパネル吊部との取り合いなど、意匠面には特に気を配りました。

小松ウォール工業株式会社のホームページはこちら

小松ランニング スウィングウォールの特徴

1.回転・固定が可能

天井に取り付けた溝形鋼からパネルを吊り下げており、任意の位置まで回転させることが可能。パネル下部の手動ストッパーを回し床に突っ張ることで固定できる。

2.スムーズな操作性

軽い力でスムーズな回転操作が可能。680kgの重量がある「八戸市美術館」パネルでも1人で操作できる(ただし、安全面から2人以上での操作を推奨)。

3.自由度が高い

高さ10mを超えるような大型のパネルや、特殊形状のパネル製作にも対応。吸音性を持たせたり、ガラスや木、塗装で仕上げたりと、表面造作の自由度も高い。

小松ウオール工業株式会社

〒923-8643
石川県小松市工業団地1丁目72番地
TEL:0761-21-3131
FAX:0761-21-3127
URL:www.komatsuwall.co.jp/

 

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