【石材】
「八戸市美術館」では機能の異なる部屋が連結しているため、それぞれの空間を隔てる見切り材が必要だった。フローリングやカーペットなど床の素材も異なるなか、木でもコンクリートでもない第3の素材として採用されたのは「石」。とにかく多くの種類の石を必要としていた浅子氏が真っ先に思い浮かんだメーカーが、株式会社アドヴァングループだった。「八戸市美術館」で採用した石は黒、グレー、ライトグレー、緑、茶色、ベージュの6色。色ごとに磨き方の異なる複数の種類を取り寄せ、合計20種類近くのサンプルの中から一つひとつの空間に合うものを選んでいった。「見切り部分は、ほとんどの人はまず目に入らないかもしれません。しかし、注意して見ていただくと、御影石や大理石、ナチュラルバーナー仕上げや本磨きなどさまざまな石を使っていることがわかると思います」と浅子氏は語った。
圧倒的な製品ラインナップ
「八戸市美術館」では、多目的スペース「ジャイアントルーム」をはじめ、スタジオやアトリエなどさまざまな機能の部屋が存在し、床の素材も部屋によって異なります。開き戸があれば各部屋を仕切ることができるのですが、各部屋は引き戸になっており通常はほぼ開けっ放し。そのため、部屋と部屋を見切るための素材を探していました。そこで考えたのが「石」。ルーヴル美術館などクラシックな美術館では空間の見切り材として石が使われていることが多く、今回の設計のヒントになりました。たくさんの種類の石を提供できるメーカーといえばアドヴァンさん。製品の種類の多さはもちろん、以前にも何度か使わせてもらったことがあるので、安心感がありました。
建材開発秘話
渋井浩二さん
質感が異なる石材で高級感を演出
「八戸市美術館」では、3種類の大理石と、3種類の御影石を使用いただきました。明るい色合いのブラウンカラーに、カプチーノのようなマーブル模様が入った大理石の「エンペラドール」や、石の粒がさりげなく混ざった御影石の「シルバーグレー」など、それぞれが異なる色・仕上げの石材になっています。特に御影石は、仕上げによって同じ石でも全く異なるテクスチャーが表現できるのが魅力ですね。見切りにまで天然石材を使用することで、空間の統一感や高級感が違って見えると思います。
株式会社アドヴァングループのホームページはこちら
株式会社アドヴァングループの特徴
石材だけでも75種類を揃え、大理石・御影石・ライムストーン・テラゾ・火山岩・クォーツサイトなど種類豊富。本磨き・水磨き・ジェットバーナーなど仕上げも選べる。
東京ドーム約4個分の広さの物流倉庫を構える。物流倉庫と加工工場を併設しているため運搬コストを掛けず、平物と役物を同ロットで迅速に出荷できる。
天然石材など品質に差が出やすいものは、実際に敷き並べて色や品質を厳しく検査。使用者が品質検査に立ち会うことも可能で、安心かつ高品質な製品を提供している。
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-32-14
TEL:03-3475-0281
URL:www.advan.co.jp/