【硫化銅板】
設計に際し、建物の雰囲気を周辺の自然環境と合わせたいと考えていた永山氏。「敷地から見える赤城山(あかぎやま)は、紅葉の時期に赤いグラデーションの景色になるんです。その景色を意識し、屋根と建物上部の外壁部分には赤みのある銅板を使うことを早い段階から考えていました」と語る。銅板は屋根部分と外壁部分でパーツを分けておらず、屋根に葺かれたものが角で折り曲げられてそのまま外壁へと伸びている。そのうえ、樋の部分も巻き込むようにして葺くことで、美しい納まりを実現させた。銅葺きは光の当たり方で色合いが変わることから、日中は太陽の動きに合わせて刻々と新しい表情を見せる。夜になると、樋の部分に付けられたライトが銅板のエッジを照らすことで特徴的なストライプ模様が浮かび上がる。昼夜それぞれ異なる輝きを放つこの銅板は「JINS PARK 前橋」のシンボリックな存在となっている。
銅板の色味や施工にも細やかに対応
「JINS PARK 前橋」では特殊な葺き方をするため、どこまで対応してくれるのかという観点で協力してもらえるメーカーを探しました。新星商事さんとは初めて一緒にお仕事をしましたが、細やかに対応いただいたのが印象的です。銅板は硫化処理をして色を変えていくのですが、同じ方法で処理をしても色ムラが出ます。そこで、基準色を決め、その色をもとに許容できる範囲の色ムラのターゲットを設定して銅板の製作を進めていきました。ほかにも、外壁の銅板と銅板がVの字にぶつかる角の部分は角専用のパーツを作ってもらったりなど、かなり面倒な作業にも対応いただきました。おかげでイメージ通りの綺麗な仕上がりになり、大変感謝しています。
景観に馴染むベストな色を追求
「JINS PARK 前橋」では、働き幅の異なる3種類の銅板を施工しました。今回のプロジェクトで最も注力したのは、硫化処理銅板の色調です。銅板素地状態の赤光りする色は派手すぎますし、一方で硫化処理をしすぎても黒ずんで見えてしまいます。どちらでもない中間の色味を表現するため、表面処理業者と相談を重ね、処理ムラや色調のブレを調整。永山さんのイメージに合うものを選んでいただけるよう、色ムラの異なるさまざまなパターンで実物カラーチャートを作成しました。
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新星商事株式会社の金属屋根の特徴
横葺き・縦葺きなどのデザインや、金属板の形状などが異なる20種類以上の金属屋根工法を用意。建築士の希望イメージに合わせた金属屋根を提案できる。
施工の際にカバーを使わない「ハゼ式」の接合を得意とする新星商事。役物を使わずシャープに納める技術力に関して、多くの設計事務所から高い評価を得ている。
ガルバリウムや銅、ステンレスなどの各種素材に対応。そのほか、耐久性・加工性に優れたオリジナル素材のアルファジンク®(チタン亜鉛合金板)も扱っている。
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