【植毛塗装】
「JINS PARK 前橋」では「J」の字型に曲げた板と波板にそれぞれメガネが並べられている。もともとJINSでは、グリッド状に仕切られた四角いトレイの上に商品を陳列するのが定番だったが、今回はよりやわらかいデザインにできないかと考えたところ、波板を敷いて波のくぼみの部分にメガネを並べる方法に辿り着いた。平面ではないため、メガネがずり落ちないよう当初は板にファブリックを貼ることを検討していたという永山氏。しかし端部の処理の問題から、同じような質感を持ち、複雑な形状であっても美しい加工ができる植毛塗装を採用した。植毛塗装とは、植毛の風合いを再現するトップコーティング用の触感塗料のこと。カラーバリエーションが豊富なことも特徴の一つで、今回の案件でも什器の色に合う色を再現するため、複数の色を混ぜたオリジナルカラーで塗装しており、より空間の雰囲気にマッチした仕上がりとなった。
細かいオーダーへの対応力
当初はファブリックを使うことも考えていましたが、今回のやわらかい波型のデザインには植毛塗装が適していると考え採用しました。SanSeiさんは自動車関連部品やマネキン・フィギュアなどの植毛塗装などを手掛ける会社なので、今回のような使い方は珍しかったのではないかと思います。色を決める時にはうちのスタッフが工場まで伺い「この色のパイルをあと何グラム混ぜて」といったレシピ作りのような実験を繰り返しながら、朝から晩まで付きっきりで対応いただきました。細かいオーダーにもとにかく親身に応えていただいたおかげで、単色では出せない、何とも言えないやさしい雰囲気を出すことができたと思います。今後も什器のパーツとして取り入れていきたいですね。
建材開発秘話
0.01gの微調整を繰り返した調色
「JINS PARK」で一番苦労したのは調色ですね。パイルという短繊維を調合した色と、接着用のカラー塗料を合わせて色をつくるのですが、濃淡や色味をパイルと接着用塗料のどちらを軸にして変えるか、とにかく色々試しました。一色つくるために20パターン以上は試したと思います。特に淡い色は塗料の0.01gの誤差でも色味が変わってしまうため、慎重に配合データを作成しました。永山さんの事務所スタッフの方にも自社工場へ来社いただき、夜遅くまで調色したことがとても印象深いです。
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植毛塗装システムの特徴
適応素材はプラスチックを始め、金属や木材からゴム・ビニールレザー・クッションのような柔らかい素材まで幅広い。塗装のため、凹凸部分や複雑な形状にも追従する。
不織布のように柔らかく、高級感のある仕上がりになる。ソフトな質感でありつつも、自動車の内装や部品加工にも使われるほど耐候性・耐摩耗性に優れる。
試作や小ロット生産など、個別の依頼・相談に応じた柔軟な対応を特徴とする。8色の規格色のほか、オーダーメイドでオリジナルカラーを作成することも可能。
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