【ステンレスパンチング波板】
「京都みなみ会館」2階のシアターエントランス前に用いている。以前の雰囲気を引き継いだ1階とは異なり、2階には新たな物語が求められた。ステンレスのパンチング板も、波板も、各々は広く使われている建材だが、ステンレスのパンチング板を波板状に加工してあるものは極めて珍しい。2階の2つのシアターの間にある通路は観客を非日常へと誘うトンネルであり、そのエントランスは日常と非日常との境界である。ステンレスパンチング波板がメタリックな緞帳(どんちょう)となって、幕が開く前の未知への高揚感を盛り上げる。
稲田金網株式会社さんは長年に渡って特殊素材を扱っており、建築家の間でも信頼できるつくり手さんだと評判です。ここならパンチングステンレス板を波板に加工できることを知り、お願いしました。かなりチャレンジングな加工だと思いますが、高い技術力で問題なく製作していただきました。
建材開発秘話
建築家のイメージを具現化する力
もともと施工業者として主に東京でスーパーブランド等の店舗内装金物施工を行っており、建築家やデザイナーの方がイメージを具現化していく現場に立ち会いながら金物屋として知恵を絞った多くの経験が今に活きています。現在は製品の製造・販売に徹していますが、ご希望の製品が最終的にどのような仕上がりを求められているかをなるべくお聞きし、問題点を見つけ、ご提案するようにしています。
難易度の高い加工を支える緻密な技術
今回のパンチングステンレスメタル板は当社の定番品です。丸孔の配列に少しでもズレがあると、波板加工後に見た目の違和感が際立つので、孔の配列が高品位のものを厳選して使用しました。さらに、それを波板加工機に差し込む際にわずかなズレがあったり、加工時に蛇行したりすると、仕上がりの孔ラインの乱れにつながります。製品にならなければ金額的にも当社に大きなリスクが生じますので、微細な調整に細心の注意を払いました。
最後まで妥協せずに仕上がりを追求
当社は建築に使用するごく一部の建材を提供させていただく立場ですが、全体的な意匠の中で自社の製品に何を求められているかを想像し、建築家の方がイメージされた空間を実現できるよう、最終工程まで妥協せず、高品質の製品を提供することを心がけています。今回は島田さん自ら来社され、物件イメージを重ねながらサンプルをいろいろな角度で撮影・検討されている姿を見て、いっそう気が引き締まりました。
稲田金網株式会社の特徴
業界共通の規格はないパンチングメタルにおいて、多彩な金型と加工機械、蓄積してきた熟練の技術力により、細部までこだわったパンチングメタルを製作できる。
口頭ではイメージ共有が難しいパンチングメタルのパターンを豊富な画像から検索でき、施工事例も数多く掲載。製造工程や発注方法なども分かりやすく解説している。
パンチングメタルを曲げる、波板にする、パネルにする、表面加工を施すなど、協力工場とも連携して製作。二次的な加工まで高い精度で一括発注できる。
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