【エクセルソイル固化培土】
「五本木の集合住宅」では入口が南側に面してガラス張りになっており、道路と扉の間には深い軒を介してグリーンルーバーを設置している。花壇の土にあたる「エクセルソイル」は、みのる産業(株)と(株)クラレが共同開発した、ポリエステル繊維を用いた固化培土だ。繊維によりスポンジ状の構造になるため、高い保水性・透水性を実現。グリーンルーバーに打ち水すれば、軒先の表面温度が20度近く低い状態になる。緑を取り入れることで、エネルギーに頼らない自然の通風や採光も望めるなど、利点は多い。農園芸用としてはもちろん、簡単に緑を増やせない都市部などに、多様な緑化を実現することができる建材である。
緑を建築に取り入れたいという思いが昔からあり、古い付き合いのメーカーに壁面緑化用の植栽基盤を扱うみのる産業さんを紹介していただきました。エクセルソイルは土 を固めたものなのでウォータージェットなどで簡単に穴を開けることができ、ホームセンターで売っているような植物の苗を入れていくことができます。 設置した後も扱いやすく、ほとんど手がかからないのがいいですね。
建材開発秘話
有川 直樹さん
エクセルソイル開発のきっかけ
「世の中で最も安全性の高い素材で土を固めたい」という開発方針から行き着いたのが、マスクや医療用の原料として利用されているポリエステル繊維でした。きっかけは玉ねぎ用の培土。もともと土だけで固めていたところ、発育状態に差が出たため、何か良いものがないかと探していたところ、(株)クラレからポリエステル繊維を提案いただきました。クラレはもともと同じ岡山の企業というところからつながり、安定的に土を固めることができるように繊維の太さや長さに加えて、繊維の生産方法に至るまで開発しました。
壁面緑化の効果とメンテナンスの工夫
都市部で緑化が進むことにより、温暖化やヒートアイランド、CO2削減などに効果を出すことができればと考えています。壁面緑化は造園の視点ではなく園芸的な視点で考える必要があります。水や肥料を与え、剪定を適切に行えば長期間維持できます。一番怖いのは、水がいつの間にか止まっていること。枯損してしまうと大きな修繕費用がかかるため、人為的なミスにより、水の元栓を閉めたり、電源が落ちたりすることがないよう、当社では提案の際にメール送信できる警報付きシーズンタイマーの導入もおすすめしています。
緑を通したコミュニケーションが都市部でも可能に
建物が密集している都市部において、壁面緑化は緑地面積を多くとるためにも有効な手段の一つです。壁面緑化は気化熱により周りの温度も下げる効果もありますし、実際に真夏に壁面緑化の前を通ると、爽やかな気分を味わうことができる。都市で生活していても、いつでも緑と触れ合えるような街づくりを提案できるよう、これからも良い商材の開発を進めていきたいですね。壁面緑化に加え、園芸にも取り込んでいただくことで、隣人とのコミュニケーションに役立てられるのではないかと感じています。
「エクセルソイル固化培土」の特徴
緑化ユニット自体を薄く軽くできるエクセルソイルは、3次元の網状の構造を形成しているため、軽くても風や雨などによる培土の流出や飛散がない。
エクセルソイルは気層が含まれているため、水を吸収する効果が生まれ保水性がアップ。また、一定の空気量を保つことができるため、透水性も高い。
エクセルソイル材料は一般的に園芸で使われているものを使用。扱いやすく、メンテナンス不要なので、手入れしにくい壁面や屋上緑化に適している。
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