MATERIAL
仕上げ材としての「和紙」の可能性
【和紙】

和紙はやわらかな光を通し、自然素材で土に還る日本古来の素材だ。「西大井のあな」でも和紙のような素材で何かできないかと考えていた時に、あることを思い出したという。「あらわしのスタイロフォーム※に和紙を貼ったら予想以上に良い仕上がりになりました。見た目の良さはもちろん、貼り重ねることで気密もとれました」と能作氏。特殊な建材は一般ユーザーの場合、気軽に購入することは難しいが、和紙であれば手に入りやすい。丈夫な和紙は、DIY向けの素材としても注目されている。

※スタイロフォーム=押出し発泡ポリスチレンフォーム

能作さん、なぜこの素材を採用したのですか?

小津商店さんは全国の和紙や障子紙、襖紙など、さまざまな種類の紙を取り揃えている和紙の専門店で、もともとは模型材料の一部として和紙を購入していました。以前から和紙を建材として使えないかと気になっていたこともあり、「西大井のあな」でも実験的に使ってみようと思いました。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

髙木 清さん

ルーツは江戸時代まで遡る和紙専門店

当社は367年前の江戸時代に手漉き和紙の問屋として創業し、39年前から小売店を併設する会社になりました。現在は、全国から有名どころの手漉き和紙を仕入れて販売しています。当社の強みは豊富な品揃えで、扱っている和紙は600~700種類。建築家の方々だけでなく、和紙を日常的に使われる日本画家や書道家など、幅広いお客様に当社の和紙をお求めいただいています。

木の皮をあえて散りばめた手漉き和紙

能作氏が「西大井のあな」で使用した和紙

能作さんが使われたのは、「五箇山 悠久紙 ちり入紙 厚口」です。富山県の五箇山でつくられた和紙で、細かく砕いた楮(こうぞ)の皮がアクセントになっています。今回断熱材に貼って使用されたことは予想外で、建材としての和紙の可能性を教えていただき感動しています。やはり、洋紙にはない厚みのムラや手触り、光が当たった時の表情などが気に入られ、採用いただいたのではないでしょうか。

あらゆる時勢でも守り続けた和紙事業

当社は創業当初から時流に合わせて多角経営を進めてきましたが、和紙事業だけはずっと続けています。和紙こそが小津商店のルーツであり、看板だからです。和紙は同じ製法でもつくり手によって違った仕上がりになるほど、本当に繊細で味わいのあるもの。私はそこに和紙ならではの魅力を感じています。今後もこの和紙文化を守り、後世に伝える役割を担っていきたいです。

株式会社小津商店の特徴

1.和紙・関連製品の豊富な品揃え

店舗では、600~700種類の和紙を販売。墨や硯などの和紙関連商品も合わせると3,000種類以上の商品を取り扱っている。

2.和紙の文化拠点

和紙専門のオンラインショップのほか、史料館・ギャラリー・手漉き和紙工房の運営、和紙を使ったアート教室の開催など和紙の文化発信に力を入れている。

3.業界にとらわれない多角経営

多角経営によって災害や世界大恐慌による経営難を乗り越えてきた小津商店。現在はグループ会社によるマスクなどの製造・販売もおこなっている。

株式会社小津商店

〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル
TEL:03-3662-1184
FAX:03-3663-9460
www.ozuwashi.net

 

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