【インターロッキングブロック】
「トコトコダンダン」に用いられているインターロッキングブロックは、岩瀬氏が太平洋プレコン工業株式会社と共同開発したものだ。当初はポーラスコンクリートで舗装予定だったが、舗装前の地面を目にした住民の「この土のまま仕上げられないか」という声に共感した岩瀬氏。土らしさを残しながらも、車の轍が残ることや透水性などの問題をクリアした新しいブロックの開発へと舵を切った。型枠を一から製作し、現場の真砂土を配合した土で長方形と正方形のブロックを成形。2種類のブロックを斜めに編み込むように配置するパターンを開発した。このパターンは見る距離に応じて印象が変化するのも特徴的。近くで見ると砂の柔らかなテクスチャーや角の丸いブロックが愛らしさを感じさせ、遠くから見るとニットのようなパターンが適度な表情を残す。このブロックは、プロジェクト終了後「プレアピ」の名で製品化された。
あらゆるスケールで魅力を感じてほしい
土のような素材で舗装できて透水性のある製品は、既製品では見つかりませんでした。園路などでよく使用される土系舗装は、本来割れるはずのない土が経年変化で割れてしまうため、初めから綺麗に割れているインターロッキングブロックに真砂土を入れてもらいました。昨今はバリアフリーの観点からブロックの端部をシームレスにするのが主流ですが、室内床のような表情になってしまわないよう「トコトコダンダン」ではバリアフリー基準のギリギリまで面取りしました。ブロックに近づくと丸みのあるやわらかな感じや真砂土の表情が見えます。大きいスケールを扱う時の素材や肌理(きめ)について修士課程で研究していた背景が、このような表現につながっていると思います。
建材開発秘話
波多野佐弥子さん
地元の土を最大限に生かす配合
「施工現場で発生した真砂土を使用し、地元にゆかりのある製品にしたい」という岩瀬さんの要望を具現化しました。真砂土の色合いや粒径を最大限生かした配合を決定するまで、何度も試作を繰り返した思い出深い開発でした。のちに「プレアピ」を開発する際は「トコトコダンダン」のものではない土でテクスチャーを再現する点に苦労しましたが、日頃より比較的少量から特注製品の対応を行ってきた実績と経験を活かし、製品化に成功しました。(西日本限定、指定の土での製造は要相談)
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プレアピの特徴
ブロックの角を丸く成形することで、インターロッキング舗装にありがちな無骨さを払拭。素材の土の風合いと相まって、緑によく合う温かみのあるイメージを演出。
配合する土を変え、アースカラーと相性の良い色バリエーションを複数展開。透水・非透水を指定できるほか、仕上げは打ち放しとショットブラストの2種から選べる。
長方形と正方形の2種のブロックを編むように組み合わせたニットのようなパターン。岩瀬氏のデザインコンセプトに沿い、 1種片方のみの販売は行っていない。
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