MATERIAL
雨上がりもカラリと座りやすい
【ポーラスコンクリート】

「トコトコダンダン」を象徴する階段状の構造物は、ある場所はスロープであり、またある場所は階段であり、座面であり、壁でもある。こうした異なる形状や用途を持つパーツを全て同じ素材で構築することで、各パーツの意味をあえて曖昧にし、人々が感覚に任せて好きなように過ごすことができる場となった。これを実現しているのが、株式会社佐藤渡辺のポーラスコンクリートだ。平面はもちろん立面を形づくる際にも崩れ落ちないほど硬く、内部に空隙があるため高い透水性を発揮。雨が降った後でもすぐに乾き、座りやすい。ポーラスコンクリートは一般的には平面の舗装に用いられる素材だが、同社の特殊な締め固め技術により、壁の成型や間接照明周りの複雑な施工が可能となった。日光の照り返しをやわらげるため、純白ではなくセメント色を活かし、顔料なしで薄いグレーに仕上げている。

岩瀬さん、なぜこの建材を採用したのですか?

平面・立面を同素材でつくるために

コンペ当初から、平面も立面も全て同じ素材を使うことを意識していました。しかしこれがかなり難しかったです。例えばレンガなら実現できますが、手づくりの素材から滲み出る繊細さが土木的な荒っぽさとはイメージが異なるように感じました。困っていたところ、佐藤渡辺の支店長から「1mくらいなら壁をつくれるかもしれない」と言われ「やっと見つかった!」という気持ちでしたね。ポーラスコンクリートは、コンクリート打ち放しの表面と比べてクラックが入っても悪目立ちしにくいです。また、ポーラスの空間は生物の住処にもなります。経年したポーラスコンクリートの現場をいくつも見るうちにコケが生えている場所に出合い、経年変化の豊かさにも惹かれて採用しました。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話

創作した特殊な機械で締め固め

一般のコンクリートで階段を構築する場合、型枠を組んでコンクリートを流し込み、締め固め機械の高周波バイブレータ等で流動化させて均一にします。しかし、流動性が無いポーラスコンクリートを同様の手順で施工すると見た目の悪い層状の模様ができてしまうことが問題でした。そこで、今回のためだけに創作したアタッチメントを付けた特殊な締め固め機械を使用することで、模様が出ない施工を実現しました。立壁部の施工は、肌分かれが起きないようにアンカーピンを設置しました。

ポーラスコンクリートの詳細はこちら

株式会社佐藤渡辺のポーラスコンクリートの特徴

1.水はけの良さ

透水性に優れ、雨水を舗装内に一時貯留し、地中に浸透させると共に蒸発散させる。雨後の水溜まりを防ぎ、集中豪雨・ゲリラ豪雨等による大量の雨水の滞留も緩和。

2.熱くなりにくい

空隙に含まれた水分が気化する際に舗装の表面温度が下がるため熱くなりにくい。雨水を地中に浸透させるため、地中の生態系や樹木の発育への悪影響が少ない。

3.幅広い用途に使える

遊歩道、外構エントランス、車路、駐車場など舗装材として幅広く使用でき、1m程度の高さであれば立面施工も可能。骨材に自然石を用いたグレードの高い舗装も。

株式会社佐藤渡辺

〒106-8567
東京都港区南麻布1丁目18番4号
TEL:03-3453-7350
FAX:03-5476-0695
MAIL:info-eigyo@watanabesato.co.jp
URL:www.watanabesato.co.jp/

 

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