自由な動線を生み出す建材
市原湖畔美術館

周辺環境とアートの一体化を目指した美術館

千葉県、房総半島の中央部に位置する「市原湖畔美術館」は、1995年に開館した展示施設である。建物内部はデッドスペースが点在し、美術館的な設えとしては適していないつくりになっていた。また、設備の老朽化や、湖畔に面した敷地内の公園とうまく連携できていない問題点などから、建物を全面改修し、2013年にリニューアルした。設計を手掛けた川口氏と鄭氏は、まず建物に使われているすべての仕上げ材を剥がし、コンクリートの構造体だけを残すことに。迷路のような構造になっている建物の回遊性をそのまま生かし、屋内外を行き来する行き止まりのない動線をつくりだした。また、展示空間はアーティストの作品によって使い方が大きく変わることから、あえて“余白”を残したつくりを意識した。

市原湖畔美術館
市原湖畔美術館

所在地 / 千葉県市原市
設計 / 川口 有子 + 鄭 仁愉 (カワグチテイ建築計画)
撮影 / 遠藤 匡