MATERIAL
図書館専門メーカーとしての経験が光る本棚
【図書館設備】

館内全体が図書館でもある「tette」では、各フロアに本が設置されている。建物内の構造には工業的な建材を使う一方で、多くの人が利用する壁面書架や独立書架には、温かみを感じられる木をふんだんに取り入れた。書架の製作を手掛けたのは、図書館専門の設備・家具メーカーとして100年以上の歴史を持つキハラ株式会社。「tette」では壁面書架などに加え、可動書架やブックカート、テーブルの製作も担当した。キャスター付きの可動書架は木とパンチングメタルを組み合わせており、館内中を移動させることができるよう強度や安全性を担保している。

畝森さん、なぜこの素材を採用したのですか?

本棚の製作は耐久性や安全性を考慮するなど、知識や経験が必要な分野だと思っています。今回、図書館部分は木製にしたいということもあり、多くの実績を持つキハラさんにお願いしました。私自身、図書館を手掛けるのは初めてでしたが、ディテールや塗装など細かい部分まで配慮いただき、美しい仕上がりになりました。

メーカーさんへ聞いた
建材開発秘話
高橋 俊也さん
瀬良垣 守人さん

海外に学び、日本らしさを加えた図書館家具

当社は1914年に創業し、戦前は図書用品の製造・販売を行っていました。戦後から図書館家具の本格的な製造・販売を開始。早期から海外の先進事例を学ぶことができ、そこに日本らしい繊細さを加えた独自の図書館家具メーカーへと成長できたのです。なかでも安全性に関する研究には長い時間とコストをかけ、棚板の落下防止システムを確立。無事、堅牢性も確保することに成功しました。

高品質かつ多量の木材を調達できた理由

畝森さんからは「書架には自然な木製素材を使い、塗装も極力控えたい」と伺っていました。しかし、施設の各コーナーにそのような書架を配置するには、高品質の木材を低コストで大量に調達する必要がありました。畝森さんや須賀川市民の情熱に応えるべく、北海道の木材メーカーと交渉を重ね、品質の高いシナ合板の大量調達が可能に。畝森さんのイメージ通りの書架を製作することに成功しました。

歴史ある専業メーカーとして公共施設を応援

「tette」の書架は、オリジナリティと安全性を両立した特注のものになりました。ときには畝森さんのデザインに対して安全性の観点から意見を伝えることもありましたが、畝森さんが私たちの意見を真摯に聞いてくださったことに大変感謝しております。今後もキハラでは、地域産材を活かした図書館家具を、100年以上の専業メーカーとしてのプライドに基づいてつくってまいりたいと思います。

キハラ株式会社の特徴

1.100年以上にわたり安全と品質を追求

安全面と品質の向上を、創業から100年以上追求し続けている。現在は行政・設計事務所・建設会社と共に地域と連携したプロジェクトにも取り組んでいる。

2.建築家の要望を、確実にかたちにする

建築家の思い描くイメージを聞き出し、家具の素材や塗装仕上げの風合いを提案。モックアップを何度もつくり建築家と協議を重ねながら、かたちにしていく。

3.専門機関と堅牢性、安全性を徹底検証

専門機関の協力のもと、振動実験を行い堅牢性を検証。施工時は床や壁の構造などの建築条件を考慮し、適正な部材や施工方法を選定しながら、確実な施工を行う。

キハラ株式会社

〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3-5
TEL:03-3292-3303
FAX:03-3291-5198
各種お問い合わせはHPの専用フォームにて受付
https://www.kihara-lib.co.jp/

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