「tette」の開口部にはさまざまな機能を持つクリエーションバウマン製のレースカーテンが採用されている。例えば、図書館部分に使われている「SHADOW」は、繊維に直接ナノレベルで金属粒子を付着させたもの。光を通しながらも紫外線や熱を遮断する機能を持つため、窓を通して入り込む紫外線から本の劣化を防いでいる。館内の防音スタジオには吸音効果のある「BETACOUSTIC」を採用。スタジオ内からの音を吸収しながらも、外の様子はカーテン越しから見えるようになっているため、万が一建物内で火災が発生したときなどにも配慮されている。

「tette」は直線的な形をしているため、建物のどこかに「やわらかなもの」を取り入れたいと思っていました。さまざまな機能を持ちながら透過性もあるこのレースカーテンは、建物を利用する人の姿が透けて見えます。人々がカーテンを開け閉めすることで空間の雰囲気を変えていくのも良いと思っています。

林 由紀さん

シンプルな美しさと機能性で空間の質を高める

当社は1886年に創業したスイスのファブリックメーカーです。見た目の美しさはもちろん、LEDを縫い付けた生地や、窓に貼って剥がせる生地など、機能的かつユニークなアイテムを数多く取り揃えています。特に機能面では、「遮熱」「遮光」「吸音」の3つが中心です。デザインはシンプルな無地が多く、建築を邪魔せずに空間の質を高めることができると、建築家の方からも大変好評です。

外の景色を遮らない機能カーテン

図書館エリアに採用されたのは、「SHADOW Ⅳ」という遮熱カーテンです。生地の裏面にアルミを蒸着しており、熱を反射します。音楽スタジオに使われた「BETACOUSTIC」は吸音カーテン。特別に開発された透明糸が、表面に凹凸をつけるように織られており、抜群の吸音効果を発揮します。どちらも透け感があり、外の景色を完全に遮断しないため、圧迫感を感じさせないのが特徴です。

製品を通して最適なソリューションを提案

機能性生地のパイオニアとして、製品開発と販売には大変苦労しましたが、スイス本社のブレない信念や継続的な製品紹介の結果、徐々に実績を重ねることができました。特に遮熱カーテンを使用することで空調の効きが良くなったという声を多くいただきます。今後も販売だけでなく、生地の機能性を最大限活かせる取り付け方をご提案するなど、建築家の皆様の空間づくりに貢献したいと思います。